【バスケ】【Bリーグ】「大阪vs宇都宮(2022.3.16)、生観戦日記(その7。大阪の今オフのより望ましい補強案、前編)。」

 まず、前回の記事、(その6)をリンク添付させて頂きます。



 では、執筆を進めます。


 大阪、今オフの補強ポイント(~「BIG3になり得るアジア枠」「ニュービルの相棒的なビッグマン」「DF型の日本人コンボガード」が3大ポイント~)

 (その6)の末文において、今オフ、つまり来季に向けての大阪の「現時点での理想ロスター」として、下記の形を示させて頂きました。


 PG(ニュービル、[補強]、合田)
 SG([補強]、木下)
 SF([アジア枠]、高島、橋本)
 PF(ドンリー、モーア〈or補強〉、譲次)
 C([外国人]、[外国人])

 完全で放出(ブラウン、ハント、ドブラス、青木、ジョゼフ)
 期限付きで放出(中村〈、モーア〉)


 []で示させて頂いたのが「5枠」。つまり「補強ターゲット」が「5人」ということになります。〈〉の枠、つまり控えPFは、
 「モーアは確かにまだ粗削りだけど、爆発力があり若いので、ある程度出場機会を与えれば一気に述べる可能性を秘めている。ただ、直近の起用法とかをも考えると、期限付きで放出して別途で『ストレッチ4』を補強も一案かもしれない。」
 というニュアンスで、このような形にしています。

 高島については、12月のプロ契約での入団は、正直楽観視しています。そもそも地元選手ですし、他球団に行く理由はないだろうと。
 橋本は、イメージとしては「K・トンプソン(ウォリアーズ。2回のアキレス腱断裂を乗り越えて、今季に復帰を果たした)」のケースを手本にしての復帰プログラムを適用して、うまくいけばですが
 「年明けに復帰→当面は出場時間に制限を→『いけるぞ!』と判断できれば、最短で3月から完全復帰」
 このイメージです。ただ、K・トンプソンでも然りですけど、やはり2回の大きな負傷の影響は、どうしても特に守備面で出てきます。もともと橋本はOF全振りの選手ですので、そう考えるとなおさら「守備面には目を瞑る」、いわば「6thマン」での起用のイメージになりますが。

 いま述べたことを踏まえて、「今オフの大阪の『5つの補強ターゲット』を示させて頂きます。


 【今オフの大阪の『5つの補強ターゲット』】

 (1)「『BIG3』の一翼を担い得る『アジア枠の正SF』」
 [1]サーディ・ラベナ(三遠)
 (今季30分換算:14.68得点、2.71アシスト、1.16スティール、EFF[12.72])
 《選手としての特徴》
 〈1〉フィリピン代表では「絶対的エース」。
 →集客面でも大きなプラス。大阪の課題の一つは「集客面」
 →戦力面では勿論、マーケティング面でも大きな補強では
 〈2〉今夏の時点で「25歳」と若い。
 →ニュービルの帰化までの「3年間」をつなげられる
 →「情熱的な性格」も、大きなプラスポイント
 〈3〉本人曰く「元来は守備意識の高さが特徴」とのこと。
 →スピード、走力が高く、スティール面でも「チームカルチャー」に合致
 →ルーズボール、エナジーの面でも大きなプラスかと
 〈4〉3P%、FT%は「やや不得手の傾向」。
 →今季「3P%(27.4%)、FT%(66.7%)」
 →昨季「3P%(27.3%)、FT%(54.1%)」
 →FG%自体は「43.5%」と水準をクリア
 →現状では「ハック戦術」の餌食のリスクが

 [2]ドワイト・ラモス(富山)
 (今季30分換算:12.55得点、2.36アシスト、1.12スティール、EFF[12.08])
 《選手としての特徴》
 〈1〉フィリピン代表。アジア枠では「S・ラベナ、パークスjr(名古屋D)と『3強』を形成」。
 〈2〉今夏の時点で「24歳」と若い。
 →厳密には、S・ラベナより学年では2つ若い
 〈3〉S・ラベナとの比較だと「より攻撃型」。また、S・ラベナより「サイズで上回る」。
 →S・ラベナ(189cm)、D・ラモス(193cm)
 →スピード、スティールでは同等。運動量、守備意識では「S・ラベナ」だが、爆発力では「D・ラモス」がより上回る感が
 〈4〉3P%は「やや不得手」だが、FT%は「水準レベル」
 →今季「3P%(27.3%)、FT%(75.0%)」
 →FG%は「41.1%」と水準をクリア
 →来日時の触れ込みは「3Pが得意」であった。そのため、日本になれる来季は3P%の向上に期待の可能性は高いかと


 優先順位の「1番目」は、「アジア枠の補強」です。
 いま、候補を2人示させて頂きましたが、「CSレベル」ということに照らせば、移籍市場に出てきそうなのが「2人のみ」です。
 「CSレベルのアジア枠選手」でいえば、パークスjr(名古屋D)もいますが、パークスjrは名古屋Dの躍進の原動力ですので、移籍市場に出る理由がないので、おのずと除外になります。また、アジア枠の有力選手でならば、パラス(新潟)が挙げられますけど、パラスはS・ラベナ、D・ラモスに比してクオリティーが少し落ちるので(「B1レベル」にはあるが)。

 で、現行レギュでは、「帰化枠/アジア枠」の存在が「とても重要」ですので、そう考えるとなおさら「優先順位が特大」になること。
 いわば、「帰化枠/アジア枠」に不安を抱えている球団は、ほぼすべてが「S・ラベナorD・ラモス」に人気が集中になるので(この中には「宇都宮、島根」なども恐らく含まれる)、「熱意」をどう示すかもとても重要になります。少なくとも、
 ・「複数年(2年程度)の契約」
 ・「正SFでの起用の確約」
 この2つは「絶対にマスト」でしょう。


 恐らく、「S・ラベナ」により人気が集まると想像します。
 「EFFでより上回る」「攻守両面で高い質を見込める」「言葉での訴求力が高い」
 この3要素がありますから。

 ですけど一方で、「D・ラモス」にあらかじめターゲットを絞る方法も、一つの戦略でしょう。
 避けなければいけないのは、「S・ラベナ」にまず全集中して、その結果獲り逃して、そのときには「D・ラモス」も獲れず、「アジア枠の補強自体を失敗してしまう」ことですので。それに、恐らく島根はロシターをより優先と読んでいますけど、有力な競合球団で宇都宮がいることも、考慮になってきます。


 ・得点能力(S・ラベナ≧D・ラモス)
 ・得点効率(S・ラベナ≦D・ラモス)
 ・パスワーク(S・ラベナ≧D・ラモス)
 ・守備意識(S・ラベナ≧D・ラモス)
 ・ルーズボール(S・ラベナ≧D・ラモス)
 ・爆発力(S・ラベナ≦D・ラモス)
 ・バスケIQ(S・ラベナ≧D・ラモス)


 いま、「S・ラベナとD・ラモスの主要要素の比較」として、7項目を示させて頂きました。2人それぞれによさがあり、正直「甲乙つけがたい」感じがあります。
 「得点効率」だけを考えれば、「D・ラモス」です。より競合が少ないであろう意味でも、より確実に補強を実現させることができるかもです。
 その一方で、「スター性」及び「バスケIQ」は「S・ラベナ」が上回ります。特に「バスケIQ」は、「チームが逆境にあるとき」や「クラッチタイム」のときは、とても大切になってきます。

 ましてや、昨オフに島根、広島は、「えっ?ここまでするの?」というほどに「全力で勝負に出てきた」感じでした。その意味では、たとえ今オフの大阪が「補強ポイントを多く抱えている」状況でも、
 「S・ラベナ獲りを最優先で全力を注ぐ」
 ことも、一つの方法であると自分は考えます。

 いまの大阪の大きな課題の一つとして、
 「10代(中高生)~20代の若い世代に『バスケってこんなに楽しいんだよ』ということを発信できる訴求力」
 であると思っています。そう考えると、戦力的には「D・ラモス」も甲乙つけがたいですが、ここは、他の補強ポイントの失敗のリスクがあろうとも
 「S・ラベナ獲りを最優先で全力を注いで欲しい!だってシンプルに『観ていて楽しい』って大切なことだから!」
 これが、一バスケファン、一大阪ブースターとしての強い願いです。


 ちなみに、今オフの補強案で「PFに日本人選手の『ストレッチ4』」を示してますけど、これは下記の意味合いがあります。

 《1》原点回帰の明確化。確かにインサイドの守備面でのリスクはあるが、より「トランジション」「ファストブレイク」を意識づける意味ではむしろメリットがあるかと。
 《2》一選手としての成長の視点。特にドンリーはいまのままでは「いい選手だね、でも…」止まりになるかもだけど、「ストレッチ4」に対応できることを証明できれば、一気に「日本代表入りが射程圏内」にできるかと。
 実際、似たようなタイプとして、張本(名古屋D)、永吉(京都)がいますけど、この2人も「ストレッチ4」としての存在意義で長く第一線でいる訳ですので(尤も永吉は「アンダーサイズのPF」から努力して「ストレッチ4」へのタイプ転身に成功した感じですけど)。
 《3》「譲次ありきの戦術」ではある。ただ、譲次は守備面だけでならば「あと2~3年」は第一線でプレーできるクオリティーを堅持できており、これにより「ビッグマン2人+ドンリー」と「ドンリーを『ストレッチ4』のスモールボール」を使い分けることができる。リスクはあるかもだけど、これは中長期的にもチームにとってプラスになるのではと。

 そう強く考えるのです。


 (2)「『ニュービルの相棒』的な『3Pができるセンター』」
 [3]ジャスティン・ハーパー(京都)
 (今季30分換算:18.15得点、1.67アシスト、7.54リバウンド、EFF[19.79])
 《選手としての特徴》
 〈1〉NBA経験者。来日1年目の昨季は不完全燃焼であったが、2年目の今季はNBA経験者のクオリティーを証明。
 〈2〉ビッグマンだが、シュートレンジの広さが特徴。今季は
 「FG%(52.0%)、3P%(42.5%。平均試投数4.46)、FT%(74.3%)」
 「FG%(50%以上)、3P%(40%以上)、FT%(70%以上)、シーズン3P試投数100以上」の4項目全てを今季クリアできているのは、「N・ケイ(島根)、ハーパー、メイヨ(広島)」の3人のみ。
 〈3〉明るくて真面目な性格が◎。本人曰く、自分を「ムードメーカー」と思っているとのこと。「アンセルフィッシュ」なプレースタイルも長所といえるだろう。今夏で33歳で、年齢的にも3年程度はいまのクオリティーを見込めることもプラスポイント。
 〈4〉現所属が京都なので、生活圏を大きく変える必要がないこともプラスポイント。センターの経験は今季も多くの時間で経験してるので、その面でも大きな問題はないかと。

 [4]ジュリアン・マブンガ(富山)
 (今季30分換算:15.81得点、6.30アシスト、5.81リバウンド、EFF[18.53])
 《選手としての特徴》
 〈1〉人呼んで「ミスタートリプルダブル」。「2018-2019」から今季までの4シーズンで通算「17回」達成している(今季も2回)。攻撃面での総合力の高さは「唯一無二」といえる。
 〈2〉「積極的に3Pを打てる」ことが特徴。「直近3年間」だけでみても
 「試投数5.32(29.8%)→試投数6.41(36.8%)→試投数5.84(30.6%)」
 それ故に、攻撃面でのグレードアップには寄与できるだろう。
 〈3〉センターにも対応可能だが、本質的にはPF。守備面はやや苦手な傾向で、昨季のプレーオフでも守備面の脆さを突かれていた。今夏で32歳で、年齢的には3年程度はいまのクオリティーを見込めることもプラスポイント。ただ今季は膝の負傷の影響もあり、ここ2年より成績は下落傾向が。
 〈4〉滋賀で1年、京都で3年のプレー経験があり、関西圏での生活経験があることは大きなプラスポイント。今季の経験から、「2ndオプション」の役割を受け入れることも恐らく問題はないだろう。


 「優先順位の2番目」は「『ニュービルの相棒』的な『3Pができるセンター』」です。今季は「ニュービルの相棒」自体が事実上不在でしたので、純粋な戦力的観点では「最優先事項の大きな一つ」といえるでしょう。

 候補としては「ハーパー」「マブンガ」の2人です。より優先順位が高いのは「ハーパー」と考えます。理由はいくつかあって

 ・利他的(アンセルフィッシュ)なプレースタイル。京都時代は有力PG(昨季だと寺嶋、今季だと鈴木達)と共にプレーしており、「ラジコン型」として振る舞えることもプラスポイント。必然的に「ニュービル→ハーパー」のホットライン形成ができて、昨季のような「大阪らしさ」の復活に道筋をつけられる。
 《1》「3Pの試投数が多く、それに加えて精度が高い」こと。得点能力に加えて、その得点パターンが豊富なので、ニュービルとのマーク分散に期待できること。
 《2》センターとしての守備を苦にしないので、「譲次ありき」に必ずしも頼らないでよいこと(マブンガの場合は、譲次の重要性がより増すと考えられるので)。FT%が水準以上であるので、「バスケットカウント」奪取後のFTや、「ハック戦術」への対応もより楽観視できること。
 《3》マブンガは本質的には「職人タイプ」だが、ハーパーは「気持ちを表現できるタイプ」であること。今季の大阪は「情熱をコート上で表現する」ことにか乏しい感じがあるので、その意味でもハーパーは最適任かと。

 と、主として上述の3つのことが挙げられます。正直自分は、京都も応援球団の一つですので、京都ファンの立場としては複雑ですが(ハーパーが流出になった場合、その後釜の確保はとても大変なことが想像できるので)。

 はっきり述べれば、ハーパーは「ハレルソンの上位互換」と解釈してます。攻撃面ではハレルソンとわずかに上回る感じですけど、守備面ではハーパーが完全に上回っているかと(スタッツ以上の意味で。これはルーズボールをも含んでます)。ただ、ハレルソンはリムプロテクターとしての有能さがある一方で、ハーパーはブロックはあまり多くはないですが。


 ですけど、一バスケファンとしては、「ニュービルとマブンガの共演が叶うチャンスがあるならば、是非とも観たい!」のも、正直な気持ちです。
 「ボールはひとつしかない」という真理に直面するかもですけど、今季のマブンガは、昨季より少し自身の市場価値を落としていますので、「2ndオプションを受け入れる」ことは問題ないと考えられます。それに、来日当初はむしろ「やや攻撃型だが、本質的には一般的なタイプのビッグマン」でしたので、その意味でもマブンガでも問題はないでしょう。

 というか、「ニュービル、マブンガ、S・ラベナ」での「BIG3」結成が叶えば、単純に「観ていて楽しそう」「スリリング」と映るので、「若い世代への集客力」という意味で、恐らくプラスといえるでしょう。
 ですけど、あくまでも「より高い優先順位」には、ハーパーを置いて欲しい、その次善案としてマブンガというのが、現時点での自分の考えです。


 (3)「『リムプロテクター』型の『守備型センター』」
 [5]オンドレイ・バルヴィン(群馬)
 (今季30分換算:12.28得点、10.18リバウンド、1.20ブロック、EFF[21.37])
 《選手としての特徴》
 〈1〉チェコ代表で正センターとして東京五輪に出場。来日の直近シーズンである昨季はスペインリーグでリバウンド王。来日のきっかけはアウダ(横浜BC)の「日本はいいぞ」からだとか。
 〈2〉今夏年齢で30歳と、外国人選手ではわりと若い。シュートレンジはゴール下にほぼ特化だが、機動力とパワーを併せ持つので、大阪のニーズにドンピシャ。少なくとも、今季崩壊した「ポストディフェンス」の解決策になり得る。
 〈3〉今季は開幕直後の負傷の影響もあり、出場時間が23分台と伸び悩んだが、30分換算では「守備型センター」としては恐らく最高レベル。ブロックも、ポテンシャル全開ならばより数値を伸ばせるかと。217cmと「7フッター超え」であることもプラスポイント。

 [6]ステフェン・ジマーマン(ケアンズ[豪州NBL])
 (今季30分換算[豪州NBL]:12.74得点、10.78リバウンド、0.91ブロック)
 《選手としての特徴》
 〈1〉NBA経験者(マジックで1年間)。ドイツ、チェコでのプレーを経て、昨秋から豪州のケアンズでプレー(ちなみにニュービルの豪州での在籍球団と同じ)。今夏年齢で26歳と、外国人選手ではとても若い部類。
 〈2〉今季、豪州NBLで現在リバウンド王。「211cm、109km」といかにもなビッグマンだが、見た目は公称よりすらりとした感じ。
 〈3〉シュートレンジは基本的にゴール下に特化。FTが不得手で、今季の豪州NBLでのFT%は「43%」で、確実に「ハック戦術」の餌食リスクという短所が。その一方でパワーと機動力を兼備しており、「ポストディフェンス」の解決策にはうってつけ。ただ、ブロック能力はバルヴィンがより上回る感じ。


 いま挙げた、ジマーマン。海外リーグの選手ですので、参考資料をいくつかリンク添付させて頂きます。




 いま、ジマーマンの参考資料として、3つのリンク添付をさせて頂きました。
 1つ目が「ウィキペディア(英語版)」、2つ目が「豪州NBLによる選手紹介」。
 3つ目は、ジマーマンが「11得点、14リバウンド、3ブロック」と活躍して「102-94」での勝利に貢献した試合のハイライト動画です。「白いユニフォーム」の「背番号33」の長身の選手が、ジマーマンです。
 動画の「1:39~1:51」でブロックの場面、「2:25~2:36」及び「10:13~10:23」でゴール下での強さを示した場面が、ジマーマンの活躍場面です。「10:22」では「ジマーマンがダブルダブルです」という趣旨の実況があります。すらりとした長身だけどパワーを併せ持つことは伝わるかなです。

 いま挙げた候補の2人でだと、より望ましいのは「バルヴィン」です。ただ、ジマーマンも候補としては面白いと感じます、イメージとしては「C・アイバーソン(秋田)」に近いでしょうか。


 こうして、今回の記事エントリーの「最大の核心」である「今オフのより望ましい補強戦略」に突入できましたけど、「アジア枠」「外国人枠」の考察だけで、この文章量になってしまいました(まだ折り返し地点です)。
 では、(その8)で、「補強ポイント」の「日本人選手編」を綴らせて頂きます。今回の一連のエントリー記事、次レスの(その8)が、恐らくラストかなと思います。


 【バスケットボール#2G】

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