【バスケ】【Bリーグ】「大阪vs宇都宮(2022.3.16)、生観戦日記(その6。大阪にとって岐路の今オフ~「絶対にやってはいけないこと」「HCの交代は必要か否か」~)。」

 まず、前回の記事、(その5)をリンク添付させて頂きます。



 では、執筆を進めます。


 大阪、今オフの補強ポイント(~「やってはいけないこと」及び「HCの交代は必要か否か」~)

 (その5)の後半部分で、「今季の大阪の惨状の理由」に言及させて頂きました。これを踏まえて、自分が今回の記事で最も書きたかった「今オフの大阪の補強ポイント」へと、話を進めます。


 【今オフの大阪、「絶対にやってはいけないこと」。】
 (1)「ニュービルの流出」。他球団への流出(移籍)はないと強く信じているけど、今季の「ニュービル個人軍」化は、これへの心配がどうしても脳裏をよぎる。
 ニュービル自身は、大阪のフィロソフィー「走るバスケ」「トランジション」「ファストブレイク」の体現そのものであるのでなおさら。一バスケファンとしては、「ニュービルにはいつか帰化を叶えて、生涯エヴェッサを強く願う!」ので(勿論「生涯エヴェッサ」が叶えば、背番号「25」は「永久欠番」のイメージです)。

 (2)「『帰化枠(アジア枠)、ビッグマンの外国人枠2人』の合計『3枠』の総入れ替えに失敗すること」。現況として、この「3枠」で「CSレベル」の選手が「ゼロ」であることがこの惨状を誘発してるのでなおさら。
 ブラウンは、「欲しいアジア枠(はっきり述べれば「S・ラベナ」or「D・ラモス」)の補強に失敗すれば再契約は勿論あってよい」けど、少なくとも今季のブラウンは「もはやCSレベルではなくなってしまった」ことを認めることが今オフの補強戦略の出発点と強く考えます。

 (3)「DF型の日本人選手を誰1人として獲れないこと」。今季の大阪は「特に守備面で崩壊してしまってる」ので、DF型の日本人選手の補強は「絶対条件」といってよい。しかも、この「DF型に優れる明確な特徴を持つ日本人選手」は「移籍市場に出る絶対数自体が限られてる」のでなおさら。

 (4)「合田の完全移籍での放出」。今季の合田の「大スランプ」は、大阪のチームスタイルの崩壊に直結してしまってることは否めないけど、「視野の広さ」など一選手として長所自体が失われている訳ではない。ましてや「精神的支柱」としては、合田の存在意義は「唯一無二」であること。
 ただ、補強戦略の結果次第では「合田の期限付き移籍での放出」は、選択肢として除外すべきではないだろう。つまり「出場機会の確約があった上で」で、来オフに改めて去就のボールを合田自身に預ける、という方法(念頭にあるのは、例えば同じ関西球団である「B2の奈良」、あるいは西日本である「B2の愛媛」)。

 (5)「安易なHCの交代」。HCの交代やむなしの判断の場合でも、大阪のフィロソフィーである「走るバスケ」「トランジション」「ファストブレイク」という基本的な方向性を尊重(及び深化)できる指導者であることが「新HCに求める資質能力」になる。
 一大阪ブースターとしては、天日HCの安易な交代には「明確に反対」。ただ、続投の判断の場合でも、「選手の起用法をより柔軟に、より積極的なタイムシェアを」は強く求めたい(そもそも「走るバスケ」は本来「タイムシェア」との親和性が高いはずだし、秋田、SR渋谷はこの方法をとってる。ましてや、特に若い選手は「試合経験を積んでこそ成長できる」ことに照らしても、選手の起用法をより柔軟に、を強く願う)。


 その一方で、HCの交代という判断の場合は、求められる資質能力に符合できる指導者は「2人」挙げられます(逆に言えば、下記で示す2人以外でならば「天日HCの続投」がやはりベストということ)。

 [1]BT・テーブス(富士通HC)(外国人指導者だが、日本での指導者歴はもう20年近くになる。bjリーグ時代の兵庫(現西宮)、Bリーグ初年度のSR渋谷でHCの経験を持つ。「走るバスケ」の元祖の一人であり、「とても情熱的なメンタリティー」もプラスポイント。ちなみに「テーブス海(宇都宮)」の父でもあります。)

 [2]木下博之(SR渋谷AC)(関西バスケの歴史を語るには絶対に欠かせない1人。松下電器で12年、Bリーグの大阪で3年[2016-2019]プレーしており、つまり「OB選手」でもある[しかも出身も大阪]。現在務めるSR渋谷のスタイルも「走るバスケ」であり、現在の大阪よりも特に「守備面での強化」に期待できることもプラスポイント。
 ちなみに「2014-2016」の2シーズンでのSR渋谷(当時は日立東京)時代に譲次とチームメイトでした。OB選手であることに照らしても、もしHC就任が実現すれば「復活の狼煙」のこれ以上ないアピールといえるのではと。)

 一大阪ブースターとしては、「天日HCの安易な交代には明確に反対」です、理由はシンプルに「解任して大阪のチームフィロソフィーが根底から変わったら、それこそ本末転倒だから」と。
 ですけど現況では、現実として「チームフィロソフィーを忘れてしまったかのような崩壊ぶり」であることは否めません。今回自分が生観戦した宇都宮戦では、これが残酷なほどに凝縮されてしまった。
 その意味で、例えば「天日HCをGM(あるいは総監督)にして、木下博之さんをHCに招聘する」方法は、今オフの大阪で「とても有力な一つの方法」であると自分は思ってます。木下さんは今夏の時点で42歳と、指導者としては若いですし、現役時代から情熱的なバスケ人でした。


 正直、「天日さんが培ったマインド(スピリット)は、これからも大阪がずっと(土台)としてずっと大切にし続けて欲しい」、それが一大阪ブースターの強い願いです。体力や気力の限界でならばともかく、天日さんのいない大阪は、自分は正直想像したくない
 その意味で、天日さんがそのマインド(スピリット)をより若い世代に託す意味で、天日さんがGM(または総監督)に回る形でならば、大いにあってよいと思います。そう、かつてヒートで「ライリーがスポールストラに対してそうした」ように。

 それと、昨オフの「補強の失敗」が、今季の大阪の『惨状』の誘発の最大の原因と繰り返し述べてますけど、一大阪ブースターとしてとてもショックだったのは、
 「天日HCというネームバリューで入団した有力日本人選手が『事実上ゼロ』であったこと。」(譲次、木下はむしろ「地元の球団だから」が入団の最大の動機だろうと自分は解釈してます。)
 です。

 選手が移籍を決断する場合、「あのHCの指導を受けたい」を理由にするケースは少なからずある感じで、昨オフの場合でも
 ・安藤誓(A東京→島根。ヘナレHC)
 ・寺嶋(京都→広島。ミリングHC)
 ・安藤周(名古屋D→A東京。ルカHC)
 ・寺園(三遠→北海道。佐古HC)
 この4人がこのケースでした。実際、安藤周を除く3人は今季は「キャリアハイのパフォーマンス」ですし、安藤周も今季はプレーの幅を広げているのでその意味では成功といえますから。

 これがもし、木下さんのHC就任が実現できれば、指導者としては未知数ですけど、選手としては名PGでしたので、今オフはともかく、中長期的にはこの流れに期待できる。候補として竹野ACではなくて木下さんを推すのは、これが大きな理由です。加えて「勝者のメンタリティー」を植え付ける意図も、木下さんを推す理由の一つです。
 (加えて、「2014-2016」での日立東京の2年間では、ブラウンも木下さんとチームメイトでした。木下さんを推す理由の一つは、それが叶えばブラウンが「アシスタントコーチ」就任を受諾するかも、も正直あります。尤もブラウンは選手としてはあと2年くらいやれそうな感じはありますが…。)


 ですので、あくまでも現時点ではですけど、優先順位としては
 ・基本的には「天日HCをもう1年は続投」。
 ・ただ、フィロソフィーの継承(及び深化)の確約ができれば、HC交代も一つの方法として除外すべきではない。その場合の「第1候補」は「木下博之」、「第2候補」は「BTテーブス」。
 ・いま挙げた候補の2人の招聘が叶わない場合は、もう1年は天日HCで。
 このイメージでいます。


 実は、昨オフ、「嫌な予感がするなあ…。杞憂であったらいいけど…」ということがありました。




 いま、「モーア、ジョゼフ、青木」という3人の昨オフの入団発表のリンク添付をさせて頂きました。そう、いわゆる「独自路線の補強」といわれた3人です。
 結果はどうか。モーアについては、負傷の影響という不運な要素が正直大きいでしょう(これに加えて、今回の宇都宮戦、せっかく復帰したのに、「8~12分程度の『慣らし運転』さえなかった」こともショックでした。確かにまだ粗削りですけど、その爆発力は「第3の得点源の不在」に悩まされているチーム事情に照らしても、なぜ起用しないの?と正直「意味不明」と映りました)。
 しかしジョゼフ、青木は、申し訳ないですけど「見ての通り」でしょう。

 移籍市場というのは、結局は「相手があること」です。そして単純な「1対1」ではなくて、そこには複雑な要素が関係してきます。ですので「補強の失敗」、それ自体は仕方がありません。
 問題は、「補強の失敗の次善策」として「安易な独自路線」に走ったこと。しかもこの「独自路線」は「想像以上の失敗」の結果になったこと。
 (今季の補強で期待通りor期待以上であった「譲次」「木下」は、いずれも「地元選手」であること。地元選手はやはり球団への愛着が人一倍強い意味でも、「とても示唆的」といえるでしょう。)

 正直、とても申し訳ないですけど、今季の大阪の惨状の「責任の所在」が誰にあるのかは、もはや明らかでしょう?と自分は強く思ってます。
 現GMの英語力は認めます。自分には英語力は正直ないですので。
 ですけど、「自分がGMである方がもっとよい補強戦略を描ける」と思っているバスケファンは、正直少なからずいるのでは?と強く思ってます。


 「今オフの補強ポイント」を示させて頂く前に、「合田の大スランプ」のことを、もう少し言及します。
 今季、合田の「FG%」は「30.8%」。これは「試投数100以上」では「ワースト4」です(これより下は、守備型である関野[SR渋谷]、林[滋賀]、加齢による衰えの喜多川[宇都宮])。
 「3P%」は「25.6%」。これは「試投数70以上」では「ワースト4」。
 「30分換算でのEFF」は「5.34」です。一つの目安である「6」を下回っています。

 これが「12月4日の広島戦以降」、つまり「大スランプが始まってから」に絞ってカウントすると、
 「FG%」→「20.3%(16/79)」
 「3P%」→「14.6%(7/48)」
 「EFF(30分換算)」→「0.88」
 正直、「擁護のしようがない」です。しかも合田は、「リングに向かう姿勢」が本来の魅力の選手です。
 この2年、合田は度重なる負傷(特に、肩の脱臼)に苦しみ続けてきました。いま、合田の左肩は痛々しいテーピングがあります。
 ですけど、では直近3年、合田はどうであったか。

 「FG%」→「44.1%→42.2%→43.8%」
 「3P%」→「43.6%→41.3%→30.0%」

 やはり、現在の合田が「とても深刻な大スランプ」であることが伺えます。その一方で、パスワーク、ルーズボールといったところはむしろ成長が伝わります。
 そう考えると、「B1レベル」で考えたときに、合田は「控えPG」に専念できれば、これからもまだまだ輝けると考えられます。ただ、「レギュラークラスのコンボガード」で考えるには、「できなくなっていることの現況に照らせば、この意味ではもはや厳しい」となってしまいます。しかも、もともと守備面に目を瞑るタイプの選手であることも、拍車をかけています。




 いま、「期限付き移籍」について、昨オフの実例として1つ、田中成也選手(広島→仙台)のケースを、リンク添付させて頂きました(この場合は「ほぼ片道切符に近い」感じですが…)。
 「期限付き移籍での放出」、これは特にA東京がよく活用している方法です。正直、合田は「控えPGを受け入れるならば来季以降も戦力で」と自分は考えますけど、本人が「ある程度のまとまった出場機会」を望むならば、「期限付き移籍での放出」を選択肢から除外すべきではないかも、と正直感じます。

 「期限付き移籍での放出」でならば、中村もそうです。正直自分は、中村は「確かにいい選手だけど、『CSレベル』に到達できてるとはいえない感が。好不調の波があまりにも激しすぎる」とみなしています。
 「30分換算でのEFF」は「6.47」。水準レベルは上回っています。
 「スティール」の「30分換算」は「1.28」。大阪の「チームカルチャー」に合致の水準といえます。
 ただ、ニュービルがいる限り、中村は「スコアリング型PG」のタイプですけど、起用法が正直難しい。「(コンボガード的な)第2PG」の補強に失敗の場合は残留でもよいと思いますけど(可能性を感じる選手ではあるので)「絶対に残したい」という感じまではいかないかなと。

 「ゾーン」に入ったときの爆発力は大きな魅力で、実際、それでEFFが「10」を上回った試合が「6試合」あります。
 ただそれは、裏を返せば「だめなときは徹底的にだめ」の証でもある。それ故に、いま挙げた「絶好調だった6試合を除く数値」でだと
 「30分換算でのEFF」→「1.68」
 「30分換算でのスティール」→「1.03」
 となってしまいます。

 合田と同様に、とても明るい性格の選手ですし、一選手としても可能性を感じさせることも大きな魅力です。ですので「完全移籍での放出は絶対NG」と強く考えます。ですけど一方で
 「『期限付き移籍での放出』は『正直やむなし』」
 これが、一バスケファンとしての自分の考えです。

 「『期限付き移籍での放出』が視野」
 という意味では、モーアもそうです(尤もくどいようだけど、せっかく復帰できているのだから、試しに使ってみないとほんとうの器量はつかめない気がするけどなあ…、と正直思いますけど)。
 と申しますのも今季、平均出場時間は「14分台」ですけど、
 「30分換算でのEFF」→「10.74」
 と、高い数値を示してます(試投数が少ないとはいえ、3P%が30%を切っていることや、見た目のリバウンド数に比して守備面でやや脆さがあることに、粗削り感は確かにありますが…)。
 復帰できてるのに起用されていないのは、想像ですけど、練習での感触がよくないからかもしれません。ですけど、「正直もったいないよなあ…」と感じるのは、自分だけでしょうか?


 もう一つ。「今オフの補強ポイント」の言及にあたって、インサイドの外国人枠の2人について、これは(その5)でも言及させて頂きましたけど、これをもう少し。

 ・ハント、ドブラスのいずれも「3Pができない」
 (→この時点で、相手DFの立場としては「守りやすい」)
 ・ドブラスに至っては「根本的なスピード不足」
 (→「遂行への意識」は伝わるが、それ故になおさら「チームスタイルとの不一致」がより顕著)
 ・ハントは2回の負傷を経て、一気に劣化してしまった
 (→特に期待されているゴール下のディフェンスでも凡ミスが。加えて外につり出されて相手ビッグマンをドフリーにさせる場面も)

 そう。ドブラスについては、そもそも「チームスタイルに合致していない」と自分はみなしています。そのひたむきさは確かに魅力ですけど。
 より問題はハントです。

 「30分換算でのEFF(今季通算)」→「16.99」
 「30分換算でのEFF(年明け以降)」→「8.79」

 「2回の負傷」がきっかけで、一気に劣化してしまったことが、残酷なほどに示されています。
 攻撃面での貢献はわからないですけど、守備面での貢献は「譲次の方がよほどよい」といえるでしょう。負傷自体は本人がとても悔しいと思いますし、かわいそうな感じはありますけど、
 「『ハレルソンの放出』という判断自体がそもそも間違いであったし、攻撃面は勿論、守備面でも期待値未満の結果になったことは否めないかと。」
 と自分は判断しています。

 なにも、「インサイドの外国人の2人」が「3Pが打てないこと」、それ一つだけをとっての即刻で「よろしくない」とは、必ずしもいえない面はあります。
 というのも、実は広島がそうで、「エチェニケ、ジャクソン」、この2人は共に3Pが打てないのですけど(というか得点パターンがほぼゴール下に限定されている)、でもこの2人には「圧倒的なパワー」という、シュートレンジの狭さを補って余りある持ち味があります。加えてジャクソンは機動力や走力も併せ持っています。
 そういった「補って余りある付加価値」が、ハントやドブラスにはない。それが「ハント、ドブラス」の場所は「絶対的な補強ポイント」と考える大きな理由の一つです。


 ここまで述べたことを踏まえてまとめると、今オフ、つまり来季に向けての大阪の「現時点での理想ロスター」は、下記の感じになります。


 PG(ニュービル、[補強]、合田)
 SG([補強]、木下)
 SF([アジア枠]、高島、橋本)
 PF(ドンリー、モーア〈or補強〉、譲次)
 C([外国人]、[外国人])

 完全で放出(ブラウン、ハント、ドブラス、青木、ジョゼフ)
 期限付きで放出(中村〈、モーア〉)


 上述のイメージになります。これは、HCが天日さんのままでも、木下さん(あるいはBTテーブスさん)の招聘でも、上述のイメージです。


 ようやく、今オフ(来季)の大阪の補強の「理想のアウトライン」を示すまでは進められましたけど、今回のエントリーの最大の核心、「誰を補強することがより望ましいのか」は(その7)に持ち込まれることになります。


 【バスケットボール#2F】

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