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【緊急執筆】なぜ、滋賀はB2降格の危機に陥っているのか?(2023年1月末)【バスケ】【Bリーグ】

 10月15日のvs広島の第1戦の「4Q,3:28」、ギルHCのベンチテクニカルファウル。あの1つの場面がきっかけで、全てが一気に狂った感が。



 2022年10月15日土曜日、「滋賀vs広島」(ウカルちゃんアリーナ)。
 「4Q,3:28」、当時のスコアは「72-69、滋賀が3点差でリード」。
 相手は大型補強に成功で「西地区の4強の1つ」に駆け上がったと開幕前に高く評価されていた広島。その広島相手に接戦に持ち込めて、しかも勝てている、このままいけば大金星、PSMでのよい手応えをも踏まえれば今季は「勝率5割超え」もあり得るのでは(この時点では「2勝2敗」)と。

 この試合、「バスケットLIVE」で観ていて、「滋賀、スコアもだし、内容的にいい試合をしているよね。」「(少なくとも)志向するバスケスタイルの方向性は、間違っていない。」と感じてたんですよね。

 しかし、そこで「全てが狂い始めるきっかけの事件」が起こります。
 確か、広島のブラックシアーがファウルを受けた場面であったと記憶で、この直前の「4Q,3:53」にも、ルイス・ギルHC(当時の滋賀のHC。今季は滋賀のHCとして2年目に突入でした)はベンチテクニカルファウルを受けてました。そのベンチテクニカルは、まあ仕方ない、しかしこの「4Q,3:28」は「防げたベンチテクニカルであった」と。

 この「ベンチテクニカルファウル」で、ブラックシアーにFT1本を献上、これが成功で「72-70」になります。その後に追い付かれて(一時は逆転も許した)延長に持ち込まれて、消耗度は滋賀がより激しくて(ですので延長になった瞬間、「ああ、これは厳しいなあ」が正直な感覚でした)と。


 結果は「83-86、延長の末に広島の勝利」。
 この広島戦での問題は「敗戦という結果」以上に、「格上相手に勝利できた試合を、『ある種の凡ミス』がきっかけで負けてしまった」ことです。これによる「精神的なショック」がきっかけで「滋賀はチームとして、一気に壊れていった」、自分は正直そう解釈してます

 相手が格上ですので、結果として「負けてしまった」こと自体は起こり得ることです。
 ですけど、「負けてしまったけど、自分たちのバスケスタイル自体はある程度以上は通用している」と考えるのか、「勝てた試合なのに、ある種の凡ミスのせいで負けてしまった」と考えるのか
 滋賀の場合、恐らくは気持ち的に後者になってしまった。あるいは、「いや、確かに負けたけど、でもある程度以上は通用はしていたよ」という考え方に切り替えることができなかった。視点を変えれば、今季の開幕当初の滋賀には「気持ちを切り替えよう」などと鼓舞できる選手(あるいは「精神的支柱になり得る選手」)が誰もいなかった、ともいえます

 その点、例えば京都だと「ユトフ、ディアロ、ライト」といった経験豊富な選手がいますし(それが外国人/アジア枠という歪さはここでは置いておきます)、大阪だと「竹内譲次、ブラウン、合田、鈴木達也」と精神的支柱が複数人いて、かつ絶対的エースの「ニュービル」は言葉でも背中でもチームを鼓舞できます(時として「ニュービル個人軍」と化する短所もありますが、これもここでは置いておきます)。
 確かに、「鼓舞できる」選手でだと川真田がいますし、テーブスもリーダーシップを持つ選手ですけど、この時点では川真田もテーブスも、「Bリーグでの実績はほとんどない」ことは否めなかった(これに加えてテーブスは、いわば「外様」の立場ですし)、これが影響したのかなと想像です。
 (あるいは川真田、テーブスあたりが「気持ちを切り替えよう」と鼓舞しても「笛吹けど踊らず」状態に陥ってた可能性もあるかもです。)





 で、「弱り目に祟り目」になったのが、その翌日の「10月16日日曜日、vs広島の第2戦」。
 結果は「81-83、接戦の末に敗戦」でした。ですけどここでの「弱り目に祟り目」は「敗戦という結果」以上に、「ブバの負傷(左足関節内果骨折、全治12週間程度)、及び長期離脱の確定」でした。

 この「イヴァン・ブバ」、「6試合」ですので参考数値の域を出ませんけど、「30分換算でのEFF[22.11]、20.2得点、9.3リバウンド」、成功率は高くないけど、3P/FGは「21.28%」と(センターとしてでならば)積極的な3P試投数
 「直近のリトアニアリーグのMVP」の実力は「恐らく本物」の感じだった(ちなみにクロアチア人です)。

 ただ、「ブバの長期離脱」自体は勿論とても痛恨で、このことは「今季の滋賀のチーム崩壊」の大きな一因ではあると思いますけど、自分の解釈は「試合数を積み重ねる過程で、『ブバの存在意義の大きさ』を実感していった」がより正直な感じであったんですよね。



 で、11月16日(いわゆる「代表休暇期間」からの再開を3日後に控えていたタイミングです)、ルイス・ギルHCが「事実上の解任」になりました。
 ギルHCの解任、後任はHC代行として保田尭之ACが内部昇格という判断は、タイミングをも含めて自分は「一バスケファンとしては、とても納得」が正直な感じでした(この時点で「2勝7敗、5連敗中」でした)。

 で、「ブバの長期離脱」と「ギルHCの解任」の間に、「ある短期契約」がありました。



 「デイビッド・ドブラス(元北海道など。昨季は奈良→大阪でプレーでした)」との短期契約、これが「11月2日」です。
 当時の判断としては、「ベストではないけどベターかも」と自分は感じてました。ただ、「たとえ短期契約というつなぎでも、うまくいくかなあ…」と、正直「とても悲観的な感じ」を抱いていました。



 「チーム崩壊に至る道」として、言及の対象になることがもう一つ。
 「ジョーダン・ハミルトンの復帰(2020-2021に滋賀に在籍経験)」、これが「12月13日」です。
 「うおーっ、ハミルトン、滋賀に復帰かよ!」と肯定的な感じでとらえていたので、いわば「結果論的になる」感じになってしまうのですけど、「ドブラスとの短期契約をずるずると続けた」こととセットで考えると、いわば「ドブラス」「ハミルトン」「(その一方で)大きな変更がなかった日本人選手枠」の3つがセットで、「チーム崩壊に至った」感じを、自分は正直感じてます
 これがどのようなことかは、後述で改めて綴らせて頂きます。



 今季の開幕直前、自分は滋賀に正直「ある程度の期待」をしていた。しかし一方で「漠然とした危うさ」も感じていて、結果としては「危うさが現実になった」。



 【自分が一バスケファンとして特に重視する「選手編成の5つの要素」。】
 (1)「志向するスタイルの明確性・共有性」
 (2)「チームケミストリー」
 (3)「選手層・ポジションバランス」
 (4)「『点を取る形』があるか」
 (5)「個人能力、及び特定選手への依存度」

 (2022年10月1日のnote記事、「Bリーグ(2022-2023)開幕直前の自分的な展望(その2。全体展望)。」より[一部を修正]。)



 「『滋賀』は、『球団のステータスをより高める』今季にできると望ましい。立ち位置的には『CS出場権は正直厳しそうで、でも降格リスクもほとんどない』感じだけど、『方向性への意識の共有』がどれほど進められるかにより、いかようにも作用し得るか。」
 (2022年10月1日のnote記事、「Bリーグ(2022-2023)開幕直前の自分的な展望(その2。全体展望)。」より。)



 【滋賀、今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
 ◎「激しい守備&ファストブレイク」という「志向するスタイルの明確性」。補強でもスタイルへの符合を最重要視したことが伝わる
 ◎3人の新外国人、特にマーティン、ワイリーは「質の高い貢献」が見込めるのでは
 ◎「テーブスの創造性」「早坂MGの情熱」が「チームケミストリー」の一助になると、より高みにいけるかも
 △「勝者のカルチャー」の不足感が。昨季はシーズン後半に大きく失速で、京都をも下回った
 △選手編成的に、「昨季の三遠とのデジャブ感」が。うまくいかないときの「空中分解リスク」が万一起きれば…
 △「方向性としては面白い」、でも「万一うまくいかないときに修正できるかといわれると…」の不安感

 (2022年10月1日のnote記事、「Bリーグ(2022-2023)開幕直前の自分的な展望(その5。西地区の展望)。」より[一部を修正]。)



 【「今季の滋賀」と「昨季の三遠」が「デジャブ感」と感じる理由。】
 (1)戦術家である外国人HC
 (2)「激しい守備からの速いバスケ」という「志向するスタイル」
 (3)潜在能力が高いけど開花できずにいる正PG
 (三遠だと田渡、滋賀だとテーブス。3P能力にムラがあることも共通要素)
 (4)杉浦
 (潜在能力を開花できずにいる意味でも。いわば「こんなものではない、もっとできる」と信じてるけど…)
 (5)ラベナ兄弟
 (三遠だとラベナ弟、滋賀だとラベナ兄。「存在自体が戦術」であることも共通要素)
 (6)早坂マネージャー
 (一バスケファンとしては、「最も大好きなマネージャー」ですので、「報われて欲しい」と強く願ってますけど…)
 (7)質が高いと評価されてる(はずの)外国人
 (昨季の三遠は、外国人の前評判はとても高かった[特にハリス]。しかし故障癖に苦しんだこともあり評判倒れに。また「センタータイプのビッグマン」があまり機能してないことも共通要素のリスクが[三遠だとノックス、滋賀だとブバ。ブバはPSMでは正直「浮いている」感がと])

 ((2022年10月1日のnote記事、「Bリーグ(2022-2023)開幕直前の自分的な展望(その5。西地区の展望)。」より。)



 今季の開幕直前のnote記事で、自分は滋賀について、上述のことを綴らせて頂きました。

 「昨季の14勝43敗からは、ある程度の躍進が望める、目安としては勝率4割超えは現実ラインで勝率5割到達を叶えられるか。
 『志向するスタイルの明確性』にとても共感できる、だけどその一方で『万一うまくいかないときに修正できるかといわれると正直大きな不安感が、そのときの空中分解リスクは正直否めない』、それに『昨季にチーム崩壊に陥った三遠と負の共通要素が7つもある』ことに不安感が。」

 これが自分が、今季の開幕直前verで、今季の滋賀に正直に抱いていた感覚でした。
 厳密には、昨季の三遠は、「チームの意識の共有性が壊れていた訳ではない」のです、ただ「スタイルの方向性を見失っていた」「うまくいかない場合に立ち返る原点がわからなくなっていた」ことは否めずで、それでチーム崩壊に陥った感じを、自分は抱いていました。


 結果としては、「今季の滋賀は、負の見立てが想像以上に現実になってしまった」が、自分の正直な解釈です。
 尤も、「今季開幕前の全体的な選手編成」に加えて「今季のPSMでの『vs大阪』での内容」が今季の滋賀への解釈に大きく影響した感じではあって、「浮いていたのは『ブバ』ではなくて、実は『ワイリー』であった」感じで、それについては自分の「見立て違い」を恥じる想いですけど
 (ちなみにワイリーは「ある種のホームシック」に陥ったことが理由で、10月31日に退団しましたけど、ブバとプレーエリアが重複で[というかワイリーのシュートレンジの狭さが大きな要因な訳で。機動力はあるのだが]、ホームシックでなくても「そう遠くないうちに放出やむなし」だっただろうなあ…、が自分の正直な解釈です。)



 (←今季の「B1の全24球団」のチーム成績を、リンク添付させて頂いてます。「チームEFF」「平均得点数」「平均アシスト数」等が下位に沈んでいることが伝わるかなです。)

 (←今季の滋賀の現所属選手の個人成績を「EFFの順」にしてリンク添付させて頂いてます。)



 【滋賀、昨季及び今季のチーム成績。】

 勝利数的な実際順位 (昨季20位→今季24位)
 チームEFF     (昨季19位→今季24位)
 平均得点数     (昨季12位→今季21位)
 平均失点数     (昨季22位→今季22位)
 攻撃回数      (昨季1位→今季6位)
 チームTS%     (昨季12位→今季24位)
 FG試投数      (昨季6位→今季7位)
 3P試投数      (昨季4位→今季7位)
 FT試投数      (昨季8位→今季22位)
 平均アシスト数   (昨季15位→今季23位)
 平均リバウンド数  (昨季21位→今季18位)
 平均スティール数  (昨季9位→今季13位)



 【今季の滋賀、各選手の出場時間及びEFF。】
 (2023年1月27日時点での集計です。☆は外国人枠、★はアジア枠。)
 ([]内は「30分換算でのEFF」。)

 (ブバ☆)     (27分49秒、22.11)
 (ハミルトン☆)  (28分58秒、18.20)
 [直近の「vs島根の2試合」がノーカウント扱いだと「19.36」。
 なお「FG試投数20本以上」が「実質12試合中4試合」。]
 ドブラス☆     (21分24秒、17.37)
 マーティン☆    (27分52秒、15.34)
 K・ラベナ★    (24分18秒、11.90)

 テーブス      (28分19秒、14.06)
 狩野        (19分35秒、6.18)
 川真田       (12分27秒、6.33)

 柏倉        (22分46秒、4.16)
 杉浦        (14分38秒、4.50)
 野本        (11分43秒、2.91)
 森山        (13分13秒、2.27)

 (星野、金本、湧川は「出場機会の少なさ」等の理由で「計算不能扱い」でカウントです。)



 いま挙げた「チーム成績」「個人成績」から、下記のことが見えてきます(「いくつかの試合での内容」をも総合した上で綴らせて頂きます)。


 【今季の滋賀、「チーム成績」「個人成績」「試合内容」から見えてくる「チーム崩壊の考えられる要因」。】

 (1)「速いバスケ」自体はとても共感できるし、そもそも「日本人の特徴がより活きる」「弱者のスタイルでもある」ことに照らせばなおさらである。で、「速いバスケ」が故に、ある程度の失点数の多さ自体は仕方ないが、それでも昨季も今季も「失点数がとても多すぎる」こと(今季も「北海道の守備崩壊」「新潟の選手層の薄さ」があるから最下位を免れてるに過ぎない)。

 (2)「攻撃回数を多くできている」のに「チームTS%が最下位」であるのは、「良質な攻撃ができるのが特定の数人しかいないから」といえる。
 より細かく見ると
 「FG成功率」(昨季14位→今季24位)
 「3P成功率」(昨季21位→今季21位)
 「FT成功率」(昨季12位→今季19位)
 で、特に「3P成功率の拙さ」が深刻であること。これをより細かく見ると
 「ハミルトン、狩野さえ留意すれば、3Pの警戒度が一気に薄くなる。特に外国人で3Pに優れる選手が実質不在(ハミルトンは退団見込みなので)」であることが伺える。

 (3)「チームEFF」が「昨季19位、今季24位」。これは采配の問題は確かにある程度はあるかもだけど、ほとんどは「選手編成の失敗」が恐らく大きい、つまり「選手層の薄さ」ということ
 確かに「ブバ、K・ラベナ、テーブス」等、負傷者の続出に苦しんだエクスキューズはある(実際、「インサイドの不利はブバの負傷離脱と事実上直結」だし、「テーブスの負傷離脱でボールが回らなくなった」ことも正直大きいといえる)。それを考慮しても、「選手編成の失敗」はやはり否めない感が。

 (4)「良質な3Pシューターに乏しい」上に、「FT試投数がワースト3」では「点を取る形を見出しづらい」。そうなると「特定選手の個人能力頼み」になってしまい、相手側の立場だと「より守りやすくなる」という悪循環が

 (5)確かにスティール数自体はリーグ平均レベルだが、そのほとんどは「マーティン」「K・ラベナ」の2人によるもの。これはつまり「良質な日本人の守備型選手」の不在と事実上同義といってよい
 「失点数の多さ」は昨季からの明確な課題であった訳で、「日本人の守備型選手」は「獲らなかった」のか「獲れなかった」のか。


 (6)テーブスは「ほぼ完全開花を叶えた」感じで(数字上は「オールスターレベル」といってよい)、川真田も「良質な日本人ビッグマン」に昇華できたことは今季の収穫であるといえる。狩野も昨季に比してだと3P成功率は落としているが、それでも「eFG%は50%超え」を堅持で「ミニ金丸は健在」といえる。
 だけど一方で「明らかな誤算」もあり、それが「柏倉、杉浦、野本」の3人。「30分換算のEFF」では
 柏倉(昨季7.41→今季4.16)
 杉浦(昨季5.36→今季4.50)
 野本(昨季5.28→今季2.91)
 柏倉は「今季はパフォーマンスを大きく落とした」感で、杉浦は「期待を大きく裏切った」感が否めずで、野本は「負傷離脱からの復帰以降、パフォーマンスを大きく落とした」感がある。

 (7)(これは(6)に関係するけど、)今季の選手編成は「ややアンバランス感」を感じていた、はっきり述べれば「誰がメインのSFを務めるのか?」ということ
 能力的に最も安定するのは「テーブス-K・ラベナ-狩野」だけど、狩野は「SFとしてはアンダーサイズ(184cm)」かつ「攻撃特化型&3P特化型」であるので、「4Qのラスト5分」など「勝負所での限定的システム」の域を出ない(つまり「狩野は6thマンこそが最適任」。尤も狩野のパフォーマンス自体は「B1レベルとして良質な6thマン」の感ではあるが)。
 そうなると、今季の選手編成的に、日本人選手のSFで最も期待値が高いのは杉浦になるけど(実際、杉浦は自分も「潜在能力の開花が叶えば、滋賀の成長に直結し得る」と正直とても期待していた)、結果として杉浦は潜在能力を開花できず(「控えの3.5番」と考えれば「ぎりぎりのB1レベル」ではあるが)、それ故に「SFの軸を見出せずで、おのずとポジションバランスが崩れて、得点力不足&失点数激増」の悪循環に陥った感が


 (8A)外国人について。マーティンは「守備型としてはとても良質」で、「30分換算でのスティール数(1.65)」は特筆といえる。その一方で「3P/FG試投数」は「25.86%」で、「3.5番と考えれば悪くはないけど、もう少し3P試投数があって欲しい」となる(加えて「3P成功率が28.6%、FT成功率が65.8%」なので、TS%は「50.6%」と抑えめの数値に)。そのため「守備型としては有能だけど、攻撃面では良質な貢献があまり期待できない」になるので、「15.34」という数値より印象がよくない

 (8B)ドブラスは「大阪時代に比してだと、動きの質はよい」といえる。これは「できることにより特化したから」が要因の一つにあるだろう。実際、ドブラスは特に守備面では一定の貢献度はある感じで、「30分換算でのリバウンド数」は「9.08」で悪くはない
 しかし問題は2つあり、第1は攻撃面での貢献が限定的であること。第2は相手センターに要所で押し込まれる場面が顕著であり、これは「12月28日、vs京都」でディアロに蹂躙されたことが特に象徴的である。加えて「無駄なファウル」が多いこともあり、これらを総合すると「17.37」という数値より印象がよくない(尤も大阪時代のように「いるだけで自動デバフ」の醜悪さよりは、よほどましではあったが…)。

 (8C)ハミルトンは、実質12試合(ここでは直近のvs島根の2試合はノーカウント扱いで述べますが)のうち、「FG試投数が20本以上が4試合、15本以上だと9試合」で、加えて「USG%が『31.0%』で、ボール独占傾向である」ことが伺える(ちなみに「20-21の滋賀在籍時」も「USG%が32.15%」とボール独占傾向感はあった。ギルHCはハミルトンの残留を望まずに、それで熊本に放出になったといわれているが、恐らくこれはほぼ事実と想像です)。これに加えて「守備貢献がほとんどない」ことも、チーム崩壊の一因になった感がある。尤も「アシスト数4本以上が9試合、5本以上が6試合」であり、アシスト貢献は結構高かったので、使い方次第では「滋賀のビュフォード」になり得た可能性もあるが
 そう、「守備貢献の拙さ」「FG試投数、ボール保持率が極端に多すぎる」ことは確かに否めないけど、その一方でハミルトンの視点に立てば「FG試投数が多くならざるを得なかった」ことも正直事実だろう。これはシンプルに
 「最初の3試合は、テーブス&K・ラベナが不在で、その後の5試合はテーブスが不在であった。
 「マーティン、ドブラスは攻撃面での貢献が限定的である。
 というエクスキューズに考慮が必要である。





 そう、確かに「采配的な問題」はゼロではないかもしれません。特に出場時間が「狩野≦柏倉」であるのは、選手タイプの相違を考慮しても、正直違和感があります(これがNBAならば、アナリストから「柏倉の出場時間を少し減らして、狩野の出場時間をもう少し増やそう」という進言が出るレベルでしょう)。
 それに、特に「ハミルトンの入団後の14試合」は「0勝14敗、つまり全敗」です。これは上述で示させて頂いたように、「ある程度はハミルトンにどうしても依存せざるを得ないチーム状況にあった」ことの考慮が必要ですけど、「テーブスの復帰後、テーブスとハミルトンはあまり融合できていなかった」ことも否めない事実であり、いわば

 「(1月7日の秋田戦での)テーブス復帰後の6試合でも、チーム状況が好転できなかったこと。より深く述べれば、『ハミルトンの高い攻撃能力とチーム組織が思うように融合できなかった』と判断されたこと。」

 が、今回の一連の決断(「保田HC代行の事実上の解任」「ハミルトンの退団が恐らく濃厚であること」)に結び付いたであろうと想像です。
 (「保田HC代行の解任」自体が妥当な判断であるかは、「わからない」が自分の正直な感覚です。ですけど「テーブス復帰後もチーム状況が好転できなかった」現実に照らせば「ベストとは思わないけど、解任は理解できない訳ではない」感じではあります。)


 個人的には、「ドブラスとの短期契約」は獲得の時点では「考え得る中では(ベストではないが)ベターではある」と思ってますし、「ハミルトンの補強(復帰)」は、「結果的にはうまく機能できなかったけど、獲得の時点では考え得るベストの判断ではあった」と思ってます。

 ただ一方で、12月28日の京都戦で、ドブラスがディアロに蹂躙された時点で、ドブラスに見切りをつけて、例えばスタツ(元大阪など。今季は広島に短期契約で在籍して3試合に出場)に切り替える(理由は「速いバスケでより輝けて、かつより攻撃面での貢献が見込めるから」)方法を考えてもよかったのでは?と個人的には考えますけど、それでも「ハミルトンへの得点面での依存度が高すぎること」の抜本的な解決になり得たかといえば「少なくともYesではない」感じではあること。

 それに、「今季の滋賀のチーム崩壊」は、「さあ、ここから反撃開始だ!」というときに、「12月4日の北海道戦での、テーブスの負傷」が正直大きく影響した感じがあること(そもそも正PGの負傷離脱はそれ自体がダメージが大きい。特にBリーグは「PGとビッグマンへの依存度が高い傾向が特に顕著である特徴がある」ので、なおさらのダメージです)。
 で、テーブスの欠場は「10試合」、その間は「1勝9敗」(というか、負傷離脱の1試合目しか勝利できずで、その後に現在の大型連敗[現時点で15連敗中]が始まってしまっている)。
 ですので、何を判断するにせよ、「1月7日のテーブスの復帰、そこから数試合の試合内容での判断」がより現実的な判断になること。
 それに、ブバは負傷内容が骨折であり、単純計算でだと「1月下旬の前後が復帰時期」になります(骨折の場合、復帰可能時期がある程度は読みやすい傾向ではあるので)。そう考えると、中途半端に他選手に切り替えるくらいならば、ドブラスのままの方がベターだろう、動き自体は思ったよりはよい訳だからと。この判断は正直、理解はできるのです。


 そう、「ハミルトン、ドブラス、マーティン」という「3人の外国人の相性」は、半ば結果論とはいえ「正直、よくはなかった」感が否めない

 それに、今オフは「3人の外国人を総入れ替え」しました。
 「オマラ(現大阪)、ガドソン(現京都)、ワース・スミス→ブバ、マーティン、ワイリー」
 そう、ただ純粋に「外国人3人のグレードアップ」をしたかったこと自体は、とても理解できます。ただ「Bリーグ経験者が1人もいない」ことはリスクが大きいのでは?と感じていましたけど、結果的には「危惧の念は、現実になってしまった」感じが正直あります。ブバ、マーティン自体は「充分にB1レベル」ではあるのですけど。


 それに、いわゆる「ウィング陣の日本人選手の質の拙さ」、特にはっきり述べれば「日本人選手のSFの1番手を未だに見出せないこと」(能力的には狩野だけど、狩野は「6thマンが最適任」。一方でサイズと能力を総合すれば杉浦だけど、杉浦は「正SFとして信頼できる決め手に乏しい」ことが苦しい現況の一因であること)。
 勿論、「外国人選手をどうするか」もとても重要なことです。ですけど自分は、一バスケファンの立場としては、

 「外国人選手の再整備と同等以上に、一刻も早く『SFを務め得る日本人選手をできれば2人補強する、具体的には【3P特化型】【守備特化型】を1人ずつ補強する』、ハードルは高いけどこの補強を実現できなければ、『アンバランスな選手編成によるチーム崩壊』という問題の解決はいつまでもできずで、つまり『B2降格にまっしぐらになる』と強く危惧します。」

 これが、自分が今回、「滋賀の現況についての緊急執筆」で、特に伝えたいことです。後述しますけど、「具体的な補強候補」はいます(というか、「具体的な補強候補」がいなければこうして綴らない訳ですけど)。



 「残り28試合」、全身全霊で「B1残留」を叶えなければならない!そのためには「外国人の再整備」「日本人の正SF候補」の2つの補強がマストであると伝えたいです!


 【今季残り試合の滋賀、自分(愛球人)が考える理想布陣。】
 ([]内の数値は「30分換算でのEFF」。〈〉印の選手は「今後、遅くとも3月8日の代表休暇期間再開までに要補強の選手」です。)

 スタメン(テーブス[14.06]-K・ラベナ[11.90]-〈葛原〉[4.58(昨季)]-マーティン[15.34]-ブバ[22.11])
 主な控え(湧川[×]、狩野[6.18]、〈小澤〉[3.31(昨季)]、川真田[6.33]、〈アンティボ〉[23.4(今季B3)]
 他の控え(野本[2.91]、柏倉[4.16]、杉浦[4.50]、金本[×])


 【今後、滋賀が進めることが望ましい補強戦略、及びその手順。】

 (1)「外国人の再整備」。これは恐らくハミルトンの放出(契約解除)が濃厚であると考えられるため(執筆時点で正式発表はないが、直近の練習にハミルトンが不在なこと、および直近の島根戦でハミルトンが「ノーインパクト」であったこと、新HCのゴメスさんはギルさんに長く仕えてきたので、ハミルトンを好んでいないことが恐らく想像できるためを考慮です)。
 具体的には、現在「B3の金沢」にいる「ウクライナ人のPF[ストレッチ4]」である「オレクサンドル・アンティボ」の補強。現実的には「国内他球団のおこぼれ」からの補強しかほぼ手段はない訳で(補強資金に限りがある球団であることを考慮するとなおさら)、そうなると「今季の滋賀が抱えている弱点補強の解決策」に最もドンピシャであるのがアンティボであること(もう一つ、三遠がメイテンのIL解除になれば、その時点で恐らく「ダニエル・ギデンズ」が移籍市場に出るけど、タイプ的には「守備特化型&古典型ビッグマン」であり、「ブバとのプレーエリアの重複リスク」がある。そう考えると優先順位は「アンティボ≧ギデンズ」になる。ギデンズの今季の「30分換算でのEFF」は「14.12」)。
 ただし問題は、アンティボの金沢への入団の経緯(これは後述を参照)。これを踏まえると「手順を踏んでことを進める必要がある」

 (2)アンティボの補強の実現のために、まずは金沢側に「どうしても滋賀がB1残留を叶えるには、アンティボの補強の実現以外に道がない」理由を丁寧に説明して理解を得る努力をすること(これに失敗すればギデンズしか道がないが、「ドブラスよりは恐らくましである」に過ぎずで恐らく問題の解決にはならない可能性が)。
 理解を得た上で、まずは金沢が「2月4日、2月5日に本拠地開催の2連戦」があるので、そこを「アンティボを滋賀に送り出す場」にする。これが叶えば、「2月10日、2月11日のアウェーでの川崎戦」での滋賀への合流が叶う計算になる。ただし裏を返せば、事実上は「1月中に移籍交渉を成立させなければならない」ので、いわば「残された時間はない」。

 (3)「外国人の再整備」と同時並行で、「正SFを務め得る日本人選手の補強」を進める、具体的には「3P特化型として『小澤(京都。昨季は滋賀に在籍していた)』」「守備特化型として『葛原(FE名古屋)』」の補強である。補強の可能性自体はある、というか「小澤、葛原の2人共に現所属球団では出場機会を事実上失っている」ので、「どうしても要補強なのです」と説明すれば恐らくゴーサインの可能性は高いと想像する。
 ただし問題は、「現時点では日本人選手の補強の空き枠はゼロ」であるので、「小澤、葛原を緊急補強しようと思えば、現有戦力から誰か2人を期限付き移籍or契約途中解除で、恐らくB2orB3の他球団への移籍受け入れ先を探すことの同時並行」がセットになる(つまり別の他球団を巻き込むことになるので「心理的ハードルが高い」が、現有戦力からの2選手の期限付き移籍での放出を避ければ「ポジションバランスの歪さ」「3Pの試投数&成功率、失点数の改善」は「一向にできないまま、座して終焉を待つ」のみを意味する)。

 (4)手順としては、現時点でB2球団で「東京Z」「愛媛」がそれぞれ「1枠の空き」があるので、B3球団をも含めて「星野、森山」の移籍受け入れ先を探す。移籍受け入れ先がまとまれば、「小澤、葛原の緊急補強」に踏み切る。勿論この実現は「2月10日の川崎戦」までにまとまればより望ましいが、「代表休暇期間中を活用して一連の補強&放出をまとめて、3月8日の島根戦で小澤、葛原のデビュー」も一案になるイメージ


 いま綴らせて頂いてることは、ある種「残酷である」と映るかもしれません。「現有戦力の放出」をも意味しますし、放出候補に挙げた選手のうち、特に森山は「地元選手」です。地元選手を放出することは、たとえ「B1残留のために背に腹は代えられない」事情を考慮しても、正直とても心が痛みますし、本音としてはできれば避けたいことです。
 それに、小澤、葛原は、今季は現所属球団で出場機会を失っていますし、昨季のEFFをも踏まえると、「いや、確かにポジションバランスの改善にはなるかもだけど、『補強ではなくて補充に過ぎない』でしょ」という違和感の声も少なからずあるかもです。ましてや特に小澤は、昨オフに「実質的に放出した」選手ですので、「恥も外聞もないのか」と映っても仕方ないでしょう。

 ですけど、リスクを負ってでも、「アンティボ(B3金沢)」「小澤(京都)」「葛原(FE名古屋)」の緊急補強は「滋賀のB1残留を叶えるためには、事実上マストである」が、自分の考えです(少なくとも「自分が滋賀のGMならばそうする」という意味でです)。
 では、何故この3人の緊急補強がマストであるのかを、それぞれ示させて頂きます。


 【今季の現時点で、滋賀が抱えている不安要素。】

 (1)「相手の守備側の目線に立てば、『インサイドのビッグマン』『PGからのパスコース』『テーブス、K・ラベナのリングアタック』、この3つさえ封じておけば『3Pは、狩野以外は好きに打たせればよい』となる(理由はシンプルに、現有戦力では「狩野以外に、良質な3Pシューターがいないから」。テーブスは3P能力がやや良化傾向であるけど、より得意なのはリングアタック)。」

 (2)『失点数が多すぎる』、これは『マーティン以外に良質な守備型がいないから』。より深く述べれば『誰がエースキラー役を、ペリメーターDF役を務めるのか?』を構造的に抱えている。現有戦力でそれが『事実上いない』以上、『1試合でも早急に、守備型を要補強する』必要があること(個人的には、『3P能力の改善以上に、守備型の補強こそ、より優先順位が高い』と強く思ってます)。」

 (3)いずれ(恐らくそう遠くないうちに)ブバが復帰すれば、『1stオプション(ブバ)、2ndオプション(テーブス)』は鉄板といえる。ただ、ブバは『USG%が、今季の負傷離脱前の6試合[37.62%]、昨季のリトアニアリーグMVP時[31.35%]』とすさまじく高い。そう考えると『ブバをうまくチーム組織に組み込みつつ、【テーブス→ブバのホットラインを2月の代表休暇期間(いわゆるバイウィーク)で早急に熟成させなければならない】』ことを意味する(尤もテーブスが代表合宿に招集される可能性もゼロではないのだが…)。
 それと共に、『3rdオプションを誰にするのか?』の構築も重要。K・ラベナも有力な候補ではあるが、今季のeFG%は『41.7%』と高くはない(テーブスのeFG%は『43.7%』)。で、マーティンは本質的には『守備型』であることが浮き彫りであるので、『3rdオプションを務め得る&3P能力が高いビッグマンの新外国人』がどうしても必要になる
 なぜ『3P能力』がというと、ブバ、マーティンは共に『3Pはできるが、試投数が多くない上に、成功率も30%を切っている(ブバは【20%】、マーティンは【28.6%】)』、これが『相手守備をインサイド対策に集中できる』大きな要因になっているからである。」


 そう、「チームEFFがリーグ最下位」「失点数が多すぎる」「相手守備陣にとって守りやすい(=対策しやすい)」、これでは「勝率1割台は必然の帰結」です
 いま挙げた3つの不安要素の改善のための補強が、

 アンティボ(「3Pの試投数、成功率の向上」&「3rdオプション」)
 小澤(「3Pの試投数、成功率の向上」&「SG/SFの質的な強化」)
 葛原(「エースキラー型として失点数減少」&「正SFとして」)

 になる訳です。



 (1)アンティボ(B3金沢。ウクライナ人)



 【なぜ、移籍市場で獲得の可能性があるのか。また、来日の背景をも含めた「デリケートな事情」とは。】




 【選手としての特徴(B3のデータが中心になるので、実際の試合でのパフォーマンスを全く考慮していないことに留意されたしです)。】

 ◎最大の特徴は「ストレッチ4としての3P能力」。「3P/FG試投率」は
ウクライナリーグ時代は「40%程度」、今季は「48.19%」、「3P成功率」はウクライナリーグ時代は「34%程度」、今季は「39.3%」。つまり「ストレッチ4」としてはある程度は計算できるのでは。

 ◎FT能力が高く、成功率は今季を含めた直近3年間はいずれも「80%超え」(今季は「85.5%」)。故に「FT能力を信頼できるビッグマン」として貴重といえること。
 ◎ここ2年でスティール能力が向上。「30分換算でのスティール数」は、ウクライナリーグ時代の昨季は「1.40」、今季は「1.16」。マーティンと共に守備型として機能できる可能性があるので「3&D」になり得るかも。
 △「203cm,98kg」なので「本職は恐らく3.5番タイプ」か。タイプ的には「ブバとの同時起用はドンピシャである」といえるが、ブバ不在時での起用の際は「Cに川真田の起用」がより望ましいこと。また、起用によるチームとしてのリバウンド能力の向上には大きな期待は禁物であること(ハミルトンの今季の「30分換算での平均リバウンド数が『7.03』」であるが、恐らくはこれと同等以下の可能性が高いので)。


 「おいしい話には裏がある」という言葉がありますが、なぜ、アンティボの補強の可能性があるのかというと、まさしくこれになります。



 「3選手ともウクライナ出身となり、日本財団及び七尾市協力のもと避難民としての入団となります。」


 はっきり述べれば、この特殊事情からです。恐らくですけど「B2上位レベルはほぼ確実にある、B1の第3外国人レベルの能力に届いているかどうか」、と自分は読んでいます。



 A東京が緊急補強したボヤルキム(アンティボと共に金沢に特例で入団した「金沢のウクライナ3人組」の1人です)が、B1で2試合と少ないサンプルではあるので参考程度ですけど、現時点では「デンプス(富山)とほぼ同等レベル」のパフォーマンスです。
 そう考えると、アンティボは「少なくとも、『ストレッチ4』としてある程度の貢献はできるのでは?」といえます。

 で、アンティボが積極的に3P試投をすることで、「テーブス→ブバ」のホットラインがより活きることに期待できます。勿論これは、「相手守備陣をより引き剝がせる」ことへの期待値を含めてです。
 とにかくいまの滋賀は、3P能力の拙さが「得点力不足」に直結していますので、(インサイドの強度にある程度は目を瞑って、)アンティボの補強に動く、というイメージです。

 むしろ不安は、「金沢を説得し切れるか?」です。これがクリアできれば、「ある程度は通用できるのでは?」と自分は想像していますので。
 このような補強案を提示できるのは、「川真田が成長によりある程度の目途が立っているから」でもあります。「インサイドで身体を張れる」「リムランができる」日本人ビッグマンはとても貴重であるといえますので。


 (2)小澤(京都。昨季は滋賀に在籍していた)



 【選手としての特徴。】

 ◎最大の魅力は「3P能力」。まず、「3P/FG試投率」は
 ・2020-2021(B2愛媛)[197/354、55.69%]
 ・2021-2022(滋賀) [114/138、82.61%]
 ・今季(京都)    [36/50、72%]
 このように「3P能力にほぼ特化の選手」といえる。
 では「3P成功率」はというと、
 ・2020-2021(B2愛媛)[65/197、33%]
 ・2021-2022(滋賀) [41/114、36%]
 ・今季(京都)    [12/36、33.3%]
 であること。
 
 つまり「3P/FG試投率が『70%程度』」、「3P成功率が35%程度」を計算できるので、滋賀の現況的には「歓迎できる一芸」であるといえること。

 ◎実は守備能力も一定程度あること。「30分換算でのスティール数」は
 ・2020-2021(B2愛媛)[0.80]
 ・2021-2022(滋賀) [1.00]
 ・今季(京都)   [0.97]
 と、わりと多いこと。

 ◎今季は年明け以降に特に出場機会を失っている感じだが、昨季の「30分換算でのEFF」は「3.31」で、「控えSFとして12分~15分程度の出場」でならば一定程度の戦力では見込めること。
 身長が「188cm」あるので、「SFとしてのサイズ」をクリアできていて、また「速いバスケでこそより輝ける」ことは昨季で既に証明済みなこと。

 △ただ、よくも悪くも「3Pにほぼ特化、後はある程度のスティール能力」の「ほぼ一芸選手」であり、「無駄なファウルが多い」ことが出場時間が限定的な一因であること(昨季は「13分55秒」、今季は「9分11秒」)。
 故に「出場したら3Pと守備で全力のエナジーを出し切ろう」というわかりやすい役割を与えるのがより望ましい感が。


 前述で繰り返し述べてきたように、滋賀の現況の問題点として
 「日本人SFの質的な不安感」と「3P能力の拙さ」があります。
 「3Pシューターとして信頼できる選手」が「狩野」ただ1人であること。それ故に、もう1人「日本人選手の3Pシューター」がいるとより望ましい事情があります。

 「無駄なファウルの多さ」は玉に瑕ですけど、「SFのサイズがある3Pシューターとして狩野、葛原を助ける位置付け」でならば、いまのまま京都で燻り続けるよりは輝けるのでは?が、自分の正直な考えです。

 速いバスケで機能できて、かつよりサイズ感がある杉浦(195cm)がこの役割に収まればよいのですけど、実は杉浦は、
 「3P/FG試投率」(昨季[57.77%]、今季[64.58%])
 「3P成功率」(昨季[28.3%]、今季[29.0%])
 で、「3P重視型の3.5番」としてでならばまずまず機能できますけど、「3P成功率」自体は30%を切っていること。それが「正SFとして杉浦が収まらずに、滋賀のポジションバランスにも負の影響を与えている現況」がある訳です。勿論これは「杉浦が3Pシューターとしても計算が立ちづらい」こともも含めてです。

 小澤は「好不調の波がある」ことをも含めて、「やってみなければわからない」域を出ない感じでもありますけど、いまの滋賀でならば緊急補強に動く価値はあると、自分は考えます。これは小澤目線でだと「環境を変えれば、より輝けるのでは」を含めて。


 (3)葛原(FE名古屋)



 【選手としての特徴。】

 ◎最大の魅力は「守備力、特にスティール能力」。「30分換算でのスティール数」は
 ・2020-2021(北海道)[1.28]
 ・2021-2022(北海道)[1.08]
 ・今季(FE名古屋)  [0.84]
 と、出場機会を失っている今季を含めて、高い数値を誇る。これは「守備型、特にエースキラー型の不在に苦しむ滋賀の現況」の弱点補強にドンピシャであること(今季のFE名古屋の公式HPの選手プロフィール欄でも「自分の武器=ディフェンス」と回答している)。

 ◎実は3P能力も一定程度あること。まず、「3P/FG試投率」は
 ・2020-2021(北海道)[129/267、48.31%]
 ・2021-2022(北海道)[109/192、56.77%]
 で、「3P/FG試投率」は「50%程度」あること。
 では「3P成功率」はというと、
 ・2020-2021(北海道)[41/129、31.8%]
 ・2021-2022(北海道)[39/109、35.8%]
 であること。
 
 つまり「3P/FG試投率が『50%程度』」、「3P成功率が30%台前半」を計算できるので、「守備型としては勿論、3P能力も一定程度の計算を見込めること」。

 ◎今季は出場機会を失っているけど、「30分換算でのEFF」は「20-21が[6.74]、昨季が[4.58]」で、まとまった出場機会を得られれば、滋賀の現況に照らせば「20分程度の出場機会での正SF」としては一定程度の戦力として見込めること。
 身長が「189cm」あるので、「SFとしてのサイズ」をクリアできていて、また「速いバスケでこそより輝ける」ことは北海道時代の2年間で既に証明済みなこと。
 杉浦とは筑波大学時代の同期で、選手名鑑では「一緒にプレーしたい選手、杉浦、青木[現仙台]」と書くのはもはや様式美である(今季のFE名古屋の公式HPでの選手プロフィール欄でもこの記述がある)。そう考えると、滋賀側が移籍のオファーをかければ「恐らく高確率で承諾が見込めること」。

 △基本的には「守備型&使われる型」であり、攻撃面での貢献は「キャッチ&シュート、かつワイドオープンの3P(またはミドル)」にほぼ特化であること。また出場機会を失っている現況だが、北海道時代の輝きを取り戻せれば正SFにすっぽり収まるが、それをどれほど取り戻せるか。


 最初に述べますと、いまの滋賀は選手編成的に「SF」「守備型」「3P型」の3つでいずれも大きな問題を抱えているので、この弱点補強のために「葛原、小澤の2人の緊急補強が最適解である」と述べてますけど、その一方で滋賀の日本人選手の枠は現況では「空き枠がゼロ、故に緊急補強が必要な一方で現有戦力の放出がセットになるので、それ故に心理的なハードルが上がる難しさがある」と述べてきました。
 そうなると、より現実的な方法は「葛原、小澤のうちのどちらか1人に絞って補強する」(その場合、星野をB2あるいはB3の球団に期限付きで放出して、森山は残留になるイメージです)、になりますけど、「葛原、小澤のうちのどちらか1人に絞って補強する」場合の優先順位は「葛原≧小澤」であるとはっきりといえます。

 何故ならば、今季の滋賀は「失点数がとても多すぎること」(それも昨季からの大きな弱点であり続けていること)が問題点の一つとしてあって、この大きな理由の一つに「守備型の日本人選手自体がいないこと」があります。守備型としてはマーティンがいますけど、マーティンにはある程度の攻撃面での貢献もあって欲しいこと。そうなると、「誰がエースキラー役、ペリメーターDF役を務めるの?」「守→攻の起点役をどうするの?」という大きな問題が生じます。

 確かに、ここ2年の滋賀は、「攻撃回数の多さ」を特徴としてますけど、「いい守備ができていないから、攻撃回数の多さを活かしきれていない、それがeFG%、TS%といった決定率の低さ[攻撃回数はリーグ6位だが、チームTS%はリーグ最下位]に直結している」、この改善が急務の現況です。


 で、Bリーグの日本人選手の場合、実は「そもそもが明確な守備型である」選手自体が稀少の傾向です。「スタッツに現れにくいタイプの守備型」を含めれば、例えば「須田(名古屋D)、満田(京都)」等も挙げられますので増加しますけど、よりわかりやすい守備型になると、たいていの場合はどこかの球団で重宝されています。ですので、現時点での葛原のようなケースは恐らくあまりないケースといえます。裏を返せば「守備型の日本人選手を獲れる、恐らくまたとない貴重なチャンス」です。

 しかも葛原の場合、今季は「22試合に出場」ですけど、このうち「12分以上での出場試合数がわずか2試合」です。かつ、「年明け以降の6試合で、出場はわずか1試合」ですので(しかも球宴の1日目のライジングスターの試合では「周りを活かす」「スペースを生み出す」、いわば「らしい貢献」を示していた。つまり技術的に錆びついている訳ではない)、現況のまま、トレードデッドライン(確か3月半ば)でも移籍が叶わずにこのままFE名古屋で干され続ければ、選手としての価値を大きく落として今オフを迎えるのが目に見えています。
 そう考えると、「守備型のSFが早急に必要である滋賀」と「選手としての存在意義を証明したい葛原」とで、御互いのニーズが合致するのです、いわば「win-winであるはずでは?」と(勿論、滋賀のフロントがどう考えているのかは別問題かもしれない感じではありますけど)。




 富山  7勝25敗(勝率.219)
 北海道 7勝25敗(勝率.219)
 新潟  5勝27敗(勝率.156)
 滋賀  4勝28敗(勝率.125)

 (「下位2球団がB2に自動降格」。「12勝、勝率.200」が残留ラインとして、残り28試合を「8勝20敗、勝率.286」で走破する必要がある計算。
 下位4球団との直接対決は、「3月18日、19日のvs富山のアウェー2連戦」のみです。)




 実は、「1月7日」のnote記事(2023年の新年2回目のnote記事です)で、「12月28日、滋賀vs京都を生観戦して、滋賀ダイハツアリーナに感動したこと」を綴らせて頂いてます。ですので、一人のバスケファンとして、「滋賀がB2降格になることは絶対に嫌だ!」が正直な想いです

 それに、自分は、一バスケファンとして「早坂咲輝マネージャーが大好き!」です。「13人目の選手」として選手と共に闘える、情熱的で笑顔がとても素敵なマネージャーは、恐らくそうはいません
 いま、早坂マネージャーの立場を想像すると、どれほど「悔しい」だろう…と、正直心がとても痛みます。
 「いまは涙だろうけど、今季が終わるときは笑顔でいられるエピローグを」、正直そう強く願うのです。


 【滋賀が万一、「B2降格」に陥ったら…。】
 ・2026年秋?からの「新B1への参加」→恐らく事実上アウト。
 (「売上高9億円&3000人ライン」は昨年12月の決算発表時点ではいずれも未到達であることをも踏まえると。現況でだと恐らく「売上高7~8億円&2500人ライン」あたりか。)

 ・チーム最大の看板選手、「テーブスの移籍」は恐らく確実。
 (正PGのグレードアップを目指したいであろう「秋田」「仙台」「北海道」などにとっては恐らくドンピシャの存在であること。
 また、「K・ラベナ」「川真田」も移籍を覚悟だし、「狩野」の移籍の可能性もゼロではない。そうなると「焼け野原」を意味してしまう。
 勿論、チームづくりも「改めてやり直し」と考えてよいかなと。
 さらに述べれば、仮に滋賀がB2降格になって、テーブスが今オフの他球団移籍になれば、「来オフに河村の後継の正PGの補強をしたい横浜BC」の補強戦略にも恐らく影響が生じること。)


 いえることは、「今季の滋賀が、残り試合で『B1残留を叶える』ためには、できる最大級のこと、特に『選手編成のアンバランス性の改善』ができないと、恐らく『悲劇的な結末を覚悟せざるを得ない』可能性が高くなると伝えたい!それは絶対に嫌です!」ということです。

 「祈る想い」しかできない現実。一人のバスケファンとして、それがとてももどかしいです。こうして辛辣なことを綴っていて、自分自身の心がとても傷んでいることを感じます。
 最後は笑顔で終わって欲しい。いまはただ、これが正直な想いです。
 「涙の数だけ強くなれる」が、真理であることを信じて。


 【バスケットボール#23A】

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