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バレエ・カンパニー The company

バレエ・カンパニー The company
ロバート・アルトマン監督

シカゴにある実在するバレエ団を舞台にした人間模様が描かれています。
独裁的な権力を持つ演出家,
次々と新しいものを要求する振付師、
激しい競争にさらされるダンサー
The companyの一員として、すべての情熱が注がれ作品が作られる。

居場所のない下っ端のダンサーから、もてあまされているベテランダンサーまで。
突然抜擢されるダンサーに、アキレス腱を切ってしまうダンサー。
The companyでは、一日の不調が、一時の感情が命取りになる、熾烈な競争社会。
コントロールされた才能が、美しい舞台を作り上げていく。
モダンな作品をいくつか見ることができます。

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パリオペラ座のバレエダンサーを主役にしたドキュメンタリー「エトワール」と、比較してしまう。
エトワールとは、トップクラスのバレエダンサーをさす。
完全なるピラミッド社会。
それぞれの実力・才能にあったクラスに分けられ,それぞれが力を出して一つの作品を作る。
ヨーロッパ的社会システムと同じ。
これは競争ですらない。 才能は誰が見てもわかるものなのだ。
トップはトップの座を維持しつづける。

アメリカの競争社会、ヨーロッパの階級社会。
トップにたどり着いてもいつ足を引っ張られるかわからない、Rat race。がんばったからといって、誰もが主役をはれるわけではない、Categorie Social。
きめられた枠組みを重苦しいと思うか、激しい下克上の争いを熾烈と感じるか。
己の役割を知り力を出し切るか、上へ上へという情熱を抱きつづけるか。

鍛えぬかれた肉体と、激しい競争によってしなやかになった強い精神。戦うべきは他人ではなく自分自身だけだと知ることで、輝きだす才能。
美は一日にして創られるのではない。

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