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イザベラ・ディオニシオ『悩んでもがいて、作家になった彼女たち』

与謝野晶子、宇野千代…
濃い〜な。
恋愛への情熱が。

と思うのは最初の章が「恋愛マスターたちの文学」だからか。

イザベラは凡人代表というスタンスでその濃さを我々と一緒に楽しんでくれます。

そう、気づいたんです。
源氏物語のおもしろさがいまいちわからないけど、そもそも私の好きな物語って、恋愛濃度低めのものが圧倒的に多い、ということに。
・中脇初枝『きみはいい子』
・梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』
・ケストナー『飛ぶ教室』
・木内昇『茗荷谷の猫』
など。子どもが主人公だったり、ヤングアダルトというジャンルだったり。

こってり恋愛ものが好きじゃないというか、華々しいポジションにいる(らしい)男が好きじゃないというか。源氏物語は古文だからなじめないわけではない。と思って安心しておくことにします。

晶子は幼少の頃より源氏物語が好きで、訳してもいます。

翻ってわたし、
高校生で読ませられたときも(在原業平もしかりですが)何が面白いのかわからず、あさきゆめみしも一応読みました、でも感動は特にしなかったかな。

チャラい特権階級のはなしより晶子のほうに興味があります。
晶子の訳を読んだらわかるのだろうか…。

それはさておき、

旅順の城は滅ぶとも
滅びぬとても、何事ぞ

って言っちゃう晶子かっこいいと思ってます。
私も実にその通りだと思うのです。

つぎの章は「気がつけば仕事が恋人」として樋口一葉、円地文子、向田邦子、有吉佐和子が登場。

最後に、「我が道をゆく」として林芙美子、森茉莉、幸田文を紹介しています。

恋愛マスターの章におられる瀬戸内寂聴さんを含め、10人の女性作家が取り上げられています。

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