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三田誠広『源氏物語を反体制文学として読んでみる』

集英社新書、2018年の本。
Kindleで。

6年前の本なので大河ドラマ商品ではないと思われますが、2人のキャラクター(優しいボンボンとちょっとめんどくさい賢い女性)や、ふたりが恋愛関係にあったとの推測など、かなり大河ドラマ「光る君へ」に沿っています。
ドラマを楽しく観ている方は楽しめるはず。

反体制文学とは何ぞや、というと、
摂関政治が体制なら、親政が反体制。

光源氏は天皇の子どもで、藤原氏ではない。
源氏物語は彰子のサロンで天皇をもてなすために道長が紫式部に書かせたという見立て。
アンチ藤原氏の光源氏の活躍(?)を、非藤原氏である天皇が楽しく読んでいたと。
(おくさんは藤原氏で外戚も藤原氏ではありますが)

当時の貴族、数的にはアンチ藤原氏の方が多かったのでしょうね。

私は紫式部日記に出てくる道長は紫式部に優しいように感じます。
恋愛関係の終わった元彼の優しさかも知れないけど。
親しかった証左はたくさんある模様。

スピーディーに読めて知識もスッと入ってくる、とても面白い一冊です。

最後に源氏物語絵巻を作らせた待賢門院さんのことが書かれているのが、ちょっと怖い感じです。

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