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【看護学生さん向け】助産院実習は、どんなことができるの?

母性看護学実習の中に、1日~2日組み込まれることの多い「助産院実習」
看護学生さんの中には、「助産師って、何をしているのかな」「助産院は何をしているところなのか、全くイメージがつかない」という人も多いでしょう。
助産院実習では、できるだけ妊産婦さんや赤ちゃんと接していただき、助産院のあたたかさを肌で感じていただきたいと思っています。

ですが残念なことに、母性看護学実習では、実際に赤ちゃんに抱っこしたり触れたり、妊産婦さんと直接お話をする機会が、年々少なくなっています。出生数が減っていることや、感染予防への対策のためです。

短時間の助産院実習で、できる限り赤ちゃんや妊産婦さんと関われるように、今回は「助産院実習ではどんなことができるのか」をご紹介します。もちろん、実習先の助産院や教育機関の実習目的によって異なる点もありますが、少しでも参考にしていただけたら幸いです。


1.助産院で行われている主なケア

助産院で日常的に行われているケアは、次の5つです。
病院やクリニックで行われていることと大きくは変わりませんが、「助産院ならでは」のやり方や、妊産婦さんとのやりとりが見られると思います。
病院やクリニックとの違いを感じるためにも、一般的なケアの手順を教科書でざっと復習しておくと良いでしょう。
また、急に「お産が入ったから、見学ができるよ」とか、「妊婦健診の予約が入ったから、一緒に関われるよ」とチャンスが生まれることがあります。
その時に慌てないためにも、情報収集の視点やケアの手順を再確認しておくと、学びが深まるでしょう。

(1)妊婦健診

助産院では、1回の妊婦健診に30分~1時間ほどかけて、ゆっくりと対応しています。病院では、受付、助産師による相談、医師による診察、会計など、たくさんのスタッフが対応しますが、助産院では助産師1人が初めから終わりまでじっくり関わることができます。
実習では、検尿、血圧測定、腹部の触診や計測、超音波検査の見学、問診や相談の見学の機会があるかもしれません。

(2)お産介助

ぜひ学生さんに、助産院のお産を肌で感じていただきたいと思っていますが、陣痛は夜に起きることが多いものです。実習の日にお産がなかった場合には、お産をするお部屋に入ったり、お産の時に使用する物品などを手に取って見てください。実際に、お産をするお布団に横になったり、お産の姿勢をとってみるのもよいでしょう。ぜひ、病院の分娩台に乗ったときとの、感覚の違いを味わってみてください。
助産院出産を撮影したDVDなどを視聴できることもあります。
また、「出産した方の手記」「お産ふりかえりノート」などを読むこともで、助産院出産の様子を知ることができます。

(3)産後ケア

産後ケアは、産後のママや赤ちゃんの心身のケアや、育児相談をするサポートのことです。助産院では、地方自治体と連携して産後ケア事業を行っています。ケアの内容や実施形態は、市町村によって異なります。実習の前に、助産院のある市町村のHPで「産後ケア事業」についてチェックしておくと良いでしょう。
産後ケアでは、赤ちゃんの沐浴や抱っこ、赤ちゃんの計測やバイタル測定、育児相談の見学、授乳介助、調乳やミルクの授乳などが出来る可能性があります。赤ちゃんを抱っこできる貴重な機会です。ぜひ、沐浴の手順や注意点は復習して、見学ではなく実施をしてほしいです。
また、行政と助産院がどんな風にやりとりをしているのかも、見てみると良いでしょう。

(4)母乳育児相談

乳房トラブルがあるときや、母乳やミルクの調整をしたいとき、赤ちゃんの発育に不安があるときなど、助産院では母乳育児相談を実施しています。
乳房マッサージや、トラブル解消のためのセルフケア、育児相談の見学などができるでしょう。

(5)産前産後教室・育児サークル

産前の育児教室や、マタニティヨーガ教室、産後の育児サークルやベビーマッサージ教室などを開催する助産院もあります。

2.実習目標や行動計画を立てる時のコツ

(1)流動的に対応できる計画を立てる

実習日にお産があるかどうかは、当日にならないと分かりません。急に母乳育児相談が入ることもあります。助産院の実習は、行動計画を立てても、その通りにならないことも多いです。
行動計画は1つだけではなく、複数考えてくるとよいでしょう。

(2)「自分は特に何を学びたいか」2~3個に絞り込む

助産院では、母性看護学分野を幅広く学ぶことができます。そのため、自分が重点的に学びたいことを決めておかないと、「ただ何となく、見学をして終わってしまった」ということになりかねません。実習目標の中でも、「これを特に知りたい」ことを2、3個ピックアップして、それに対しての行動計画を立ててみてください。
例えば、「病院と助産院の特徴を、メリットとデメリットから考えて、各3つあげる」という実習目標を立てたら、そのために実習では何を見たり、聞いたりすればよいか、行動計画が具体的に立てられます。

3.おわりに

初めての場所におもむく助産院実習は、とても緊張することでしょう。
でも助産院実習で学ぶことは、看護師になるためだけではなく、その後の人生のなかで必ず役に立つことだと感じています。
助産院実習が「わぁ~」「へぇ~」「子育てって、面白い」「助産院って、あったかい」と感じていただけたらいいな。


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