いいからさっさとこれを買え!個人的2022年おすすめイヤホン5選。

ついほんの少し前まではセミが鳴いていたかと思いきや、気が付けば氷河期。明日は隕石が降るらしい。
今日も二人はこたつでみかんを食べながら次の季節は来ないと知って泣いているレベルに寒い今日此の頃、お元気でしょうか。私はVRChatで酒を呑んで年下の男に絡んで暴れています。警察官の皆さん、実績が欲しければこちらです。

そろそろ今年のイヤホン集めをまとめよう……と思いつつTwitterを開くと、どうやらVictor公式とかが言うには今日は音の日らしい。あ、じゃあ今日中に書き上げろって事ですね。分かりました。

という訳で、今年買ったイヤホン・ヘッドホン類を中心に、「お前らはこのイヤホンを2022~2023年は買うべきだ!」というテーマで5個ほど選出して超簡易レビュー程度の解説を添えてみました。
ランキング形式や完成度の高さを競うものではなく、面白さや値崩れといった様々な要因からリストアップしていきます。
また、5k以上の価格帯を軽率に買うオタクはこんな記事が無くとも買う為、基本的に5k以下の価格帯に強くフォーカスしています。

1:7hz Salnotes Zero

いや今年のトップ選ぶぞってなってこれ挙げなかったらモグリですよモグリ。2022年の低価格イヤホン界を象徴する一機と言っても過言ではない、寧ろ購入者であれば多くのマニアが首を縦に振る一台。
ソリッドな寒色系でややシャリ付きのある弱ドンシャリと中華オーディオの典型的フォーマットに則った大筋をなぞりつつ、幅広い音域を価格帯より明らかにワンランク上のハイレベルに整った質感で出力する。
深い重低域までしっかりと出力しながら力任せな印象は一切無く、派手なイヤホンのような楽しさを感じつつも原音忠実系のエッセンスも感じるような一音一音の丁寧さが備わっている。
私の身の回りのマニアが集まったDiscordサーバーでも軽くブームになったが、しかしレビューはと探してみると……同じ内容をコピペしたサイトが複数個存在して非常に邪魔なことで知られる某検索妨害が目立ちまくっている。ブログの類ではなく動画でレビューを探す事を強く強く推奨したい。
兎に角、この一台によって完全に「1DDの時代」が確定したと私は感じた。

2:Floaudio Calla

突如現れた謎の新興ブランドが突如放った、商品ページのやる気がこれっぽっちも感じられない雰囲気の一台。やる気の全てが商品本体に結集しているというオタクの好きなタイプのアレである。
その正体はZeroと双璧を成すに値する1DDの傑作。Zeroと比較しウォーム寄りな滑らかさと非常に深く主張の強い低音を持ち、それでいて中高域以上もハキハキとした明るさがある。標準ケーブルとイヤーピースでは何も活かせないのが残念だが、そこを改善すれば非常に音楽的な楽しさに溢れた派手サウンドを聴かせてくれる。
レジン充填のハウジングも優れた質感と装着感と遮音性を併せ持ち、付属品以外は非常にハイレベルな一台。
尚、パッケージの質感はカラーコピーの如くカサカサな模様。そしてこちらは本当にネット上にろくな情報が少ない。さっさと買うが吉である。

3:KZ ZEX/CCA NRA

これは去年のモデルだ。2021年に現れたKZの新ドライバお披露目機であり……この二種と上位版がリリースされて以降、同ドライバは姿を消してしまった。ESTを謳うが実体はMSTであるなど様々な怪しい話も尽きない。
ではこれは迂闊なクオリティの実験機なのだろうか?誰もの目にそう映っただろうが、しかし答えは「否」である。寧ろ、これらはKZの新定番機として根付いてもおかしくなかった。
この二種は恐らくほぼ同じ音色を持ち(NRAの方が低域が厚いという説もあるが真偽不明)、KZらしい刺激的な重低音の強い低域と非常に鋭角で明瞭な目が覚めるような高域を併せ持っている。
この非常に元気なサウンドとお手頃価格でKZ ZSTXの後継として新定番の座についてもおかしくはなかったのだが、先述の怪しい話の数々や関連モデルに関するトラブル、そして何より実験機っぽい雰囲気が祟り、今では定期的に999円で購入できるセールが一部セラーで行われている。12/06時点ではちょうどKZ ZEXのリンクの方が999円だ。
無論、999円のモデルとして見てしまえば圧倒的。言うまでもなく買いである。この凄まじいセールこそが、「今年買うべきイヤホン」の中に名を挙げた理由だ。
定期的に検索を掛けてみると幸せになれる。なんなら友人にギフトテロで送るのにも丁度良い。

4:KBEAR Rosefinch

このイヤホンに関しては、恐らく界隈内の賛否もかなり分かれていると思う。
少なくとも上に挙げた三つよりは遥かに癖が強い。というより、私の手元にある中でもトップクラスに高難易度な上級者向けイヤホンだ。
しかし、癖の強いイヤホンを飼い慣らし素晴らしい音色に調教するという体験の入り口としては、すべき事が明確な分非常に解りやすく、そしてその到達地点の音色が素晴らしい。
薄型振動板を採用したKBEARの新型ダイナミックドライバは、箱出しの状態では非常に暗く過度にウォーミーで低域寄りの、ともすればくぐもった音を鳴らす。
所々の質感表現では確かに光るものを感じ取れなくも無いが、しかしこの状態では率直に言ってしまうと褒められたものではない。恐らく多くのマニアがこの段階で諦めてタンスの底に封印してきただろう。
さて、オカルト分野において信ずるものは"救われる"というのは足元を"掬う"人々の常套句な訳だが、しかしこのイヤホンに関しては確かに信ずるものは救われるのだ。最もオカルトに縋る事は変わりないのだが。
まずは70時間ほど、ピンクノイズを流しっぱなしで放置する。所謂エージングと呼ばれる行為だ。
次に銀メッキケーブルを別途購入して取り付ける。そして軸が硬く高域が明瞭になる傾向を持つイヤーピースに取り替え、再生機器も極力頑張ってみる。
ここまで手をかけてやると、その本気が姿を見せる。
暗くウォーミーな全体の印象はそのままに、音色を柔らかくも繊細な質感で、しかし濃厚な中低域と共に出力する。
要するに、高域側の発音能力を少し引き上げてやると明瞭さが程よい塩梅になり、元の持ち味を存分に楽しめるという訳だ。
イヤホンと向き合い持ち味を引き出す能力を我々に直接問うてくる、宝箱か何かのような一機。しかし確実に、その音色はなにか引き込むようなものがある。ポテンシャルの固まりというポジションに燃える貴方に。
そしてこれもまた1DD。CCA CRA+といい、Tripowin Leaといい、今年の1DD旋風はなにか可怪しい。

5:Donner Dobuds One

以前のレビューで「落○務シェフに脱法ドラッグを山ほどぶち込んでやった上で銃を突きつけてラーメンを作れと脅迫したら出てくる料理」と称した事を、私は一切後悔していない。
この説明だけでも、このイヤホンがパワーの固まりであり、テクニカルバカであり、知性の全てを二郎系ラーメンにつぎ込んだ狂人の姿がおもむろによぎる程に狂ったものである事が想像できると思う。
えげつない低音、えらいシャリつく高音、引っ込んでいるのに埋もれないボーカル。狂気的バランスを丁寧に丁寧に練り上げ磨き上げ完成したこれは開発メーカーの静脈にはスピリタス辺りが流れていると考える他に合法的な説明が思いつかない。
そんな狂気的バランスの音色を持ちながら、しかし日用品としてもハイレベルな水準を持つモデルとして非常に完成されている。使い込んでも使い込んでも素晴らしいモデルだと実感してしまう自分がいる。
全てにおいて完成度が高い。つまりこの狂った音も計算ずくという訳だ。この認知的不協和を受け入れるのは非常に難しかった。
狂気であり、名機。

正直、この程度では挙げ足りない。
何年に買ったかわからないもの、今年買うべきだと推すにはあまりにも古いもの、普通に枠が足りなかったもの。勧めたいイヤホンは無数にある。
CCA CRA+、Superlux HD668B、Chitty's Store mmcx 偽EarPods、etc……
とはいえキリが無くなる上、増やせば増やすほど選ぶ意味がなくなるので流石にやめておこうと思う。
私に好みの音と価格帯を言えば探すのに付き合ったり付き合わなかったりするので、これ以上の情報はそこで引き出すといい。

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