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映画の御礼とアリス来日ツアーレポートのまとめ

アリス・ウォータース来日プロジェクトと、映画制作について、ソーシャルメディアではたくさん書いていましたが、noteに残せていませんでした。
各所にバラバラと投稿していたもの、こちらのページにまとめます。

2023年の春、『スローフード宣言〜食べることは生きること』の出版1周年を記念して、アリスが来日することが決まりました。半世紀もの間、世界中の料理人や教育者に影響を与え続けた「オーガニックの母」も、79歳。日本に来るのは、もしかしたらこれが最後になるかもしれない、アリスが日本各地でスローフードな取り組みと出会う様子は、関わる少人数の中にとどめておくのがもったいない、どうにかこれを、映像化することはできないか…? 

そんな思いからクラウドファウンディングを立ち上げ、映画の制作資金を募りました。予想をはるかに上まわる592人もの皆さまから、11,207,500円をご支援いただきました。おかげさまで来日ツアーへの同行取材が実現し、その様子を映画に残すことができました。

映画制作を担ったのは、JAMの Junya Tanaka。皆様のご支援のおかげで、20代の若い監督に、10日間ずっとアリスの横で声を聞いてもらい、バークレーへの追加取材を行うこともできました。JunyaくんはZ世代らしい感性で、大事なエッセンスを美しくテンポの良い作品として昇華させてくれました。アリス・ウォータースを次世代につなぐこと、次世代の力で発信することを応援してくださった皆様には、感謝の気持ちで一杯です。

改めて、心から御礼を申し上げます。

現在、クラウドファンディングを支えてくださった皆さまにより、全国50ヶ所で自主上映会や対話の場、マルシェなどが行われています。開催場所や映画についてなど、詳しくは、出版社「海士の風」のnoteにありますので是非ご覧ください。


さて、アリス来日ツアーについても、出版社「海士の風」のnoteに記事を掲載してきました。珠玉の言葉に溢れた10日間の様子、以下の記事にて、ぜひご一読ください!


Day 1-2 海士町

日本で最も美しい島のひとつである海士町に、アリスをお迎えしました。
人口は2,300人弱、コンビニやスーパーのない、本物のスローフードの島です。島の人口の半数以上が食料自給率40%以上の家庭で暮らし、学校給食の食材の80%以上が地産地消。食べるものの多くにストーリーがあり、共有意識と近所付き合いが強く残っています。『スローフード宣言』は、この小さな島の出版社である「海士の風(あまのかぜ)」から出版されました。


Day 2-3 石見銀山 / 他郷阿部家

大森の歴史的な集落である曲がりくねった山道沿いにある「他郷阿部家」。築228年の古民家を、オーナーの松場登美さんが修復し、日本の田舎の暮らしの美しさと豊かさを表現するために、完全な世界を作り上げました。洗練された日本の家庭料理と温かいおもてなしをアリスに味わっていただきました。登美さんとアリスが意気投合し、お互いを「Sister!」と呼び合っていたのも印象的でした。


Day 4-7 京都
 
「ファスト(速い)経済から、スロー(長く続く)文化づくりを牽引する
ビジネスのイノベーションを起こしていけないだろうか?」という問いを起点に生まれたビジネスリーダー向けプログラム。歴史や文化が奥深く根付く京都にて、収穫し、調理し、共に食卓も囲みながら、五感に響く学びと新たな事業構想を練る時間を作りました。草喰なかひがしさんのご案内で、京都の台所を支える生産地、大原を訪ねました。

プログラムの合間、大原の野菜を使ったランチを用意しながらアリスが日本のビジネスリーダーたちに語った言葉。


Day 7 滋賀県 / 立命館大学 食マネジメント学部

イタリア・ブラにある「食科学大学」、通称スローフード大学の日本版とも言われる立命館大学の食マネジメント学部。アリスはここで講演を行いました。「大学の空き地は全部、食べ物を植えたらいいのに。ほら、あそこにも、ここにも、耕す隙間があるじゃない」と石田教授に言いながら歩いたのが印象的でした。

Day 8 亀岡市
京都市郊外の亀岡市は、肥沃な大地と豊富な水に支えられた農業の歴史があります。そこで作られる野菜は「京野菜」と総称され、高級ブランドとして世界中の一流シェフに愛用されています。また、「日本の有機の里55選」にも選ばれた亀岡市は令和5年2月12日にオーガニックビレッジ宣言を出しました。今後数年間の目標は、地元のオーガニック農家の育成と支援(年間60トンのオーガニック米の栽培を目指す)、そして市内の全児童への地元産オーガニック給食と食育の提供だというこの町で、食育に携わるプレイヤーたちと語り合いました。

道中、日本の「道の駅」に寄った時のこと。
アリスは「とても悲しい。ただ、悲しい」と言いました。とても印象に残ったので、こちらに残しました:

▼産直市場は、空の下で!
https://www.instagram.com/p/CzAyEPtvC3o/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==


Day 8-9 徳島県神山市

フードハブが主催した「ファーマーズ・ミーティング」、そして
NPOまちの食農教育が主催した「スクールフード・フォーラム」に参加。

アリスは、フードハブが手がける「まるごと高専」の地産地消給食のことを「世界一の給食」と讃え、「ファーマーズ・ミーティング」の夜のことは「人生で数本の指に入る、素晴らしい夜だった」と語りました。その様子はあまりに濃かったので、まだレポートが書けていません。

詳しくはぜひ、映画『We Are What We Eat - 未来につなぐおいしい解決策』でご覧ください。

まるごと高専の給食


そんな盛りだくさんな10日間の日本ツアーに加え、カリフォルニア州バークレーでの追加取材を行い、完成した映画が『We Are What We Eat - 未来につなぐおいしい解決策』です。

各地での上映情報、自主上映開催のお申し込みは、以下でご覧ください。


最後に、アリスが各地で出会う人々に提案していたことを共有します。

それは、「年に一度くらい、世界中で、農家さんと学校の先生に感謝しましょう。アースデイに、畑にしつらえた美味しい食卓に彼らを招待するのが世界で同時多発的に起こったら、きっと楽しいのではないかしら」ということ。アリスはすでに去年、250人の農家さんをロングテーブルに招待したそうです。

▼Farm-to-School: アースデイへの提案 https://www.instagram.com/p/Cy2n1VaPg6q/?img_index=1

母の日があり、父の日があるなら、私たちの食べ物を作ってくれる生産者さんに感謝をする日があってもいい。"Farmers First(農家さんが一番)" や感謝の気持ちを世界の当たり前にできたらいい。

アリスの発想はいつもシンプルで、がゆえにハッとします。
生産者さんと学校の先生を祝福し、感謝する時間。
三浦半島でも、できたらいいな。

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