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偉大なる世界🌍

※閲覧注意

どうも、藍郎です。

この記事は自分の恥を晒す様で随分と迷ったのですが勇気を出して書く事にしました。南アに来るうえでの参考にしていただけたら幸いです。

その日は土曜日だったので私は特にやることも無かったので散歩していました。時刻は16時ぐらい。
近くのスーパーにて買い物をして下宿先に戻ったのですが買い物の中にワインを買っていたのがバレて没収されてしまいました🥲
下宿先は留学生が多いので風紀に厳しいのです🍷🍺🙅🏿🙅🏿‍♀️

ふてた私は仕方なく下宿先から徒歩1分くらいの安居酒屋に入り、ワインを飲みながらブログの執筆をしていました📝
この店はグリーンマーケットといって各国のツーリストや地元の人達に愛されているであろう場所に何軒もある店の一つ。私の通学路でもあります。

こんな感じの店。

この日はクリケットの中継かなにかをやっていたのか店内は混み気味。
ブログ執筆中にさらに混んできたのでテラスに移動。
いつもそうですがバーや喫茶店のみならずエレベーターの中でも買い物の列にならんでいても南ア人はしゃべりかけてきます。私の人徳でしょうか?

この日もそうでした。
座ったテラスでは東洋人が珍しいのか白人のツーリストが話しかけてきます。白人は三人組で楽しそうに談笑しています。
例によって話の内容は分かりませんが楽しい時間を過ごしました。日も暮れてしまったのでそろそろ帰ろうとすると白人の一人が

「もう一杯行かないかい?」

とかって言っています。

普段なら夕方以降は出歩かない事にしているのですが、ほんの何日か前にガイドと喧嘩別れしていた私は、

これで日が沈んでから安全に外出する手段がなくなってしまったなぁ…、

と少し寂しく感じていた所だったので誘いに応じてしまったのでした。

三人組について行くこと徒歩五分…、場所はロングストリートという場所にあるバー。

道中で私は正直言って少し怖くなっていました。というのも徒歩5分というのは私にしてみれば結構遠くさらに時刻は20時かそこら。中々に遅い時間。
加えて不思議な事に三人組の内の二人は道中で居なくなり私と残った男一人になる(仮にこの男をジャスティンと呼ぼう)。
いなくなった二人の事をジャスティンに聞いてみるも要領をえません。
ジャスティンと入った店はバーに行ってみて割と健全そうな店だったので少し安心。

こんな店。

ここで何杯か飲んでジャスティンには夜遅くなると不味いからと私は席を立ちました。
夜のロングストリートを帰路に着いていましたが、どういう訳かジャスティンは着いてきます。
私を心配してついて来てくれているのかもですがなにぶん私の英語力はミニマム。やはり要領を得ません。

時刻は21時過ぎ。ついさっき知り合った男と二人で世界有数の危険な街を歩いている…。かなり不穏な空気がしています。
ただ、このジャスティンは柔和で小柄。いざとなれば大声で助けを求める事も逃げ出す事も容易。最悪の場合でも私の魔貫光殺砲で何とかならないこともないので着いてくるに任せています。

ジャスティンが何やら話しかけてきます。
どうやら、

大麻を持っているから一緒に吸わないか?

と言っている様です。悪いけど冗談ではない…。

この辺りから私はジャスティンに対して不穏な空気をはっきり感じていました。

どっかに行って欲しくて100ランド渡しましたが何を勘違いしたか路上で大麻を買ってくる始末。

私は帰路を急いでいました。しかしピッタリと後ろを付いてくるジャスティン。

そして、この時の私のメンタリティなのですが、どうも調子がおかしいのであります。
夜のケープタウンで得体の知れない男につけられている…。
率直に言って危険な状況なのに適切な対応が出来ない…。思いつかない…。思考が上手く組み立てられない…。

ただ下宿先に戻らなきゃいけない、その思いがあるだけでした。
不思議なくらいに下宿先が遠く感じます。そしてジャスティンは変わらずぴったりと後を付いてきます。

しかし下宿先に着いてしまいさえすれば大丈夫。
ケープタウンの目抜通りにあるこのホテルはセキュリティが強く常時二人以上の屈強なフロントマンがいて私はフロントマン全員と仲が良い(まぁ、そのフロントマンにワイン没収されたんだが)。
ホテルに着けば彼等が私を守ってくれる…。
ぼんやりする頭で私はそう思っていました。

しかし、どうしたわけか目論見ははずれてしまいジャスティンはあっさりフロントを通過!!


ついに彼は私の下宿先に潜入する事に成功。
恐らくフロントマンは私と連れ立って(そう見えたのだろう)きた事で私の学生友達だと誤認した可能性が大きい。加えて私は何も言わない(言えない)。
むしろフロントが通したのだからジャスティンは私が思う様な危険人物ではないのかも知れない、なんて思ったり…。

ここまで読めば分かるだろう。そう…。

ジャスティンは私が飲んだアルコールに薬物を入れていたのだ。

そうでなければ説明がつかない。

いくら寛容な私でも知り合って数時間の見ず知らずの男を下宿に招き入れる様な愚かな事は絶対しない。酒が入っても断じて絶対しない。それがたとえ日本人でも学友でも。ここは危険な国の危険な時間である。シラフでそんな事をしたら私の危機管理はどうかしている。

部屋に向かうまでの数分間がやたらに長く感じて、いよいよ体調もおかしい。具体的には吐き気と便意がする。
アルコールとは全く別種の感覚。意識は混濁。集中や注意が全く出来ず私は自室に着くまで彼と一緒だという事を忘れていた。自室に着いてようやくジャスティンもいる事に気づく始末。

ってなわけで、いよいよ自室に侵入されてしまった。
その時の私のメンタリティは、
「やれやれコイツ本当に来ちゃったよ。参ったなぁ…。でも仕方ないか…。」
程度の危機感である。
ちっとも仕方なくない。極めて危険な状況である。

私は暫くはジャスティンを監視していたが吐き気と便意が我慢出来ずトイレに入る。

そして嘔吐。嘔吐。嘔吐🤮🤮🤮
続いて下痢、下痢、下痢💩💩💩
便器にうんこ座りして嘔吐🤮下痢💩嘔吐🤮下痢💩

私は違法な薬物はもちろんやった事はないが凄まじいインパクトである。その時に私が観たものは…

世界が何百個にも分裂して私を睨んでいる
とか
私の身体がバラバラになって粒子状に世界中に拡散されていく様子
とか


である。映画や書籍で覚醒剤の禁断症状なんかの描写をみかけるが恐らくあれ。

こんな感じ。

率直に言えば地獄。私は死を予感しました。今これ書いていても背筋が凍る。
私は嘔吐を何十回🤮下痢便を何十回💩も繰り返しようやく落ち着いたが、便器から一歩も動けない。

正に井上さんの状態である。
本当に本当に怖かった…。
いくら言っても言い足りない。本当に怖かった…。

どれぐらい時間が経っただろう?

いくらか元気になってきた私は汚物まみれの自分の身体をシャワーで洗う事にしました🚿🧼
洗っている最中に顔見知りのフロントマンが血相変えて部屋に飛び込んできた!

フロント・ジャリー「おい藍郎、大丈夫か!?」
私「ああ…ジャリーか。慌ててどうしたんだ?」
ジャリー「お前のパソコンやスマホやらは持っているか?」
私「ありゃ?(部屋を見渡し)ないねー。どこいったんだろう?」
ジャリー「やっぱりか!すぐにフロントに来てくれ。急げ!!」

慌てて服を着て二人して駆けつける。
そこには、やはりもう一人のフロントマン(女性)と共に私の上着や靴を着用したジャスティンが立っていた。

ジャスティン氏。
手には手錠がかけられている。

彼は私の上着やジャージ、靴を履いてパソコン、スマホ、クレジットカード2枚、現金等はもちろん能面まで持って出て行ったのである。

そこからが大変で控えめに言って大騒ぎである。フロントは速攻で警察に連絡、直ぐに来てくれたが残念ながら説明できる英語力がない🔤
なんとか詳しい説明をしている時に留学生で唯一の日本人、Yさん(女性)が最高のタイミングで帰宅。彼女とは挨拶するくらいの仲でしたが唯ならぬ空気を察して…、

どうしたんですか!?

と声をかけてくれた。私はボンヤリする頭であらましを説明。
これは素晴らしくラッキーなのだが彼女の英会話能力は凄まじく極めて高い精度で警察に通訳をしてくれた。
結果ジャスティンは現行犯逮捕。上の写真は逮捕直後の彼。

その後も色々あったがYちゃんと共に警察にいく。

Yちゃんと私

取り調べでもYちゃんの英会話能力は遺憾なく発揮されて無事に立件。一件落着となり奪われたものは殆ど帰ってきた(現金2000ランドとクレカ一枚は何故か帰ってこず)😀😄
警察は行きも帰りもおくってくれたのでお礼に能面をプレゼント🎁

警察車両の中。
さらば能面。

本当に大変な一日であった🫀🫁🧠

ふぅ…。

私は思う。
今回の事件は私の愚かさとフロントの誤認が巻き起こし、無事に解決したのはフロントの勇気とYちゃんの英語力、警察の迅速な対応であった。
吐き気を催す邪悪な悪意と私を守ろうとしてくれた多くの人の勇気…。
南アの光と闇、同時に見ることが出来た。とても複雑な気分である。

この一件で南アに対して偏見を持つのはどうかやめて欲しい。上手く言語化出来ないが問題も多いが魅力的な国である。
問題の一つは失業率の高さと、それに伴う犯罪率であるが最も傷付いているのは他でもない南ア人である。
彼等こそが人を愛し国を愛し生活を愛している。犯罪を憎み浮浪者に心を痛め、どうにかして改善しようとしている。
来て一ヶ月余りだが私はそう感じさせる人と沢山会ってきた。

偉大なる世界に、偉大なるアフリカに幸の多い事を祈る🙏🤞

ただ酒と独り歩きはもうやめよう…。危なすぎるぜ。

そんじゃーね〜😎


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