見出し画像

月の砂で植物を栽培する実験が進められています

月面の砂を利用した面白い植物栽培実験についてのニュースをお届けします

1. 月の砂でシロイヌナズナの栽培に成功

月から持ち帰った砂(レゴリス)で植物の栽培に初めて成功したというものです。栽培する植物にはシロイヌナズナを使い、種をまいてから2日後、月の砂を含むすべての容器から発芽したが、月の砂では成長は緩やかで、根も途中で伸びるのをやめたということです。

ニュース

元論文

2. 月の模擬砂を用いた小松菜栽培に成功

大林組とTOWINGが、月の模擬砂を用いた植物栽培実験を実施して小松菜の栽培に成功したというニュースです。月の模擬砂をマイクロ波で加熱焼成して多孔体を製造、この多孔体に土壌微生物を固定化し、有機質肥料を植物の吸収しやすい無機養分に分解できるようにする「土壌化」を行うことで、植物栽培ができる土壌を作ったということです。

ニュース

3. リン溶解菌を使ってベンサミアナタバコの成長を促進

リン溶解菌のBacillus mucilaginosus、Bacillus megaterium、Pseudomonas fluorescensの3 種類の細菌を月の模擬砂に添加すると、土壌中の不溶性リン酸塩含有の鉱物が溶解して、リン酸が放出され、植物が利用できるようになり、ベンサミアナタバコの成長が促進されたというニュースです。

ニュース

元論文

4. 月の模擬砂でヒヨコ豆の栽培に成功

アーバスキュラー菌根菌 (AMF) とミミズ堆肥 (VC) を使ってヒヨコ豆の栽培に成功したというニュースです。月の砂には重金属等の有毒物質を含みますが、地球の微生物による土壌再生メカニズムを活用したものです。

アーバスキュラー菌根菌 (AMF)には、土壌の中の有毒物質を隔離および結合して、植物に取り込みにくくします。また、真菌が植物の根に取り込まれた有毒物質を捕捉して、植物や種子に取り込まれる有毒物質の量を少なくします。

ニュース

元論文

考察

月の砂を使った植物栽培の一連の実験は、地球外環境での生命維持システムの開発に向けた重要な一歩を示しています。これらの成果は、遠い宇宙空間での農業の可能性を探るだけでなく、地球上での農業技術の発展にも深い示唆を与えてくれていると思います。

人間が土壌を改良しなくても、微生物を活用して土壌改良や有毒物質の処理ができることを示唆しています。限られた資源の中で持続可能な生活を送るための知恵と解決策を私たちに提供し、未来への希望を与えてくれていると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?