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大人になってからの友人と2ヶ月間ヨーロッパを巡ってみたら

大人になると、友だちが作りにくいなんて言うけれど。わたしは大人になってからの友だちの方が圧倒的に多い。

人見知りで内向的だった学生時代のわたしは、「親友がひとりいれば充分」と思っており、その考え方通り小学校でひとり、中高でひとりの親友としかほぼ話さなかった。

わざわざ自分の考えを他者に伝えるということを怠っていたわたしだが、大学生の頃、インターネット上で文章を書くということを覚えてから、自分の考えや体験したことを誰かと「共有」するようになり、そこから徐々にわたし(もしくはその考えや経験)に興味を持ってくれる人が増えて、繋がりもできていった。

今年の夏、一緒に2ヶ月間ヨーロッパを旅した友だち(作家・ライターのゆぴちゃん)は、まさに大人になってからの友だちで、仲良くなったのは1年半ほど前。

仲良くなりたてで沖縄へ。話が尽きず朝まで眠れなかった(笑)

広報の仕事について、ゆぴちゃんにインタビューしてもらう機会があり、それをきっかけに、これまで一緒に遊んだり、旅をしたり、仕事もする仲になった。

そんなゆぴちゃんと今年はたくさん旅をしよう!と、2023年1月にバリとタイに行き、3月に韓国に行き、6月には片道チケットでエストニアに飛んだ。

韓国での1枚

ふたりで長期間、旅行をしていることを話すと、「喧嘩しないの?」と聞かれることが多い。

さて、2ヶ月間の旅を終えて、どうだっただろうか。

大人になってからの友だちとヨーロッパを巡ってみたら。その2ヶ月で、得たこと、気づいたことを振り返ってみたいと思う。

「すき」がたくさん増えた

「趣味は?」と聞かれると、わたしは昔から答えに詰まってしまう。

旅、本、クラフトビール。どれも好きだけど、その「愛」が足りているのか不安になってしまう。

でも、ゆぴちゃんは違う。「趣味は?」と聞くと、「サウナ、漫画、小説、文章を書くこと…」たくさんの好きなものを教えてくれる。

そして、わたしの好みも聞いたうえで、たくさんおすすめしてくれるのだ。

「この小説好きだと思う!」「この漫画、おもしろいよ」そんな風におすすめしてくれたものをたくさん読んだ。

ゆぴちゃんのおかげで大充実したわたしのKindle

そしたらどうだろう。どれもとてもおもしろくて、たのしくて、自分の世界が広がっていく感覚がした。

そして、旅先ですきなものがたくさん見つかっていった。

湖に飛び込むフィンランドのエクストリームなサウナ体験で、すっかりサウナの虜に。
スープ好きなゆぴちゃんに影響されて各国のスープを食べた。

ひとり旅でも、きっと好きなものは見つかったと思うけれど、友だちの「すき」にたくさん触れたことで、わたしの「すき」も育まれた気がする。

「幸せ」の選択肢に気がつけた

いつの日か、わたしは自分の幸せを定義してしまった瞬間がある。

それはたぶん大学生の頃。初めて自分から好きになった人と両思いになったとき、信じられないくらい幸せで、「好きな人と一緒にいる」ことこそ幸せだと決めつけてしまった。

その時間はもちろん幸せだけれど、同時にそうでない時間が幸せでないと定義づけることになるとは気が付かずに。

けれど、友人と大好きな海外で一緒に過ごして、毎日とてもたのしくて、なんだ今も幸せじゃん!というあまりに身近で見落としていた事実を認識することができた。

そして、それはゆぴちゃんが恋人だけでなく、ひとりや友だちとのたのしい時間の過ごし方をたくさん知っていることが大きかったように思う。

幸せダラダラタイム

一緒に恋愛バラエティを観たり、お互いに好きな小説を読んだり、それは日本でもできるようなことが多かったけれど、「予定をつくって会う」ことが前提だとしたら、なかなか実現しなかった時間の過ごし方である。

毎日ダラダラする時間も含めて一緒にいることで、同世代の友人がどんな風にひとり時間を過ごしているのかを知ることができた。ひとりでも、友だちとも、もっと自由に幸せになれる(というか、いまこの瞬間ってとっても幸せ!)と気がつけたことはとても大きい。

ごはんが好きになった

わたしは定期的にごはんを食べるのがめんどうくさくなる。

仕事が忙しいとき、ダイエットをしていて食べれるものが限られるとき、料理がめんどうなとき。

そういうとき、日本だったら納豆ごはん、海外だったらシリアルばかりを食べて、食の冒険をしなくなってしまう。

今回もひとり旅だったら、早々にシリアルモードになっていたと思う。(海外のチョコシリアルが大好き)

でも、友人と一緒にいたことで、ここの名物料理を食べよう!と1食1食を大切にできた気がする。お腹が空いていないときはスキップしたり、物価が高いところではスーパーのお惣菜なんていう日もあったけれど、それでもその土地のおいしいものを一緒に探すことが多かった。

絶品ハンガリー料理

そうして過ごすうちに、ごはんを食べるのがたのしくなって、いつもの旅よりもおいしいものにたくさん出会えた。

わたしはベッドの上で、永遠とダラダラしてしまうタイプだけど、ゆぴちゃんは必ず夜寝る前にストレッチをする。だから旅行中は一緒にYouTubeを観ながら、ストレッチや筋トレをしていた。

このルーティーンのおかげで罪悪感なく、お腹いっぱいまでごはんを食べられた気がする。

デザートも欠かしません🍨

時間の使い方を見直した

わたしはもともと仕事が好きで、暇だなと思うと、仕事をしてしまうときがある。

自分の関心のあることや得意なことと仕事が一致しているので、仕事をするのは趣味の延長のような感覚なのだ。

ただ今回のヨーロッパ旅は平均3日に1回は国を移動する、結構ハードなスケジュールだったので、それなりに仕事をセーブする必要があった。

基本的には日本が稼働時間の午前中はMTGやタスクを進め、午後は移動や観光ができるようにスケジュールを組んだ。

その中で最初のうちは、リモートでもちゃんと働かなきゃ!というマインドが強く、毎日早起きをして、午後に差し掛かった後も仕事をしていることが多かった。

ハンガリーの温泉でリフレッシュ

けれど、旅の後半は、その日の仕事が終わったら、切り替えて今その時間に集中するようになっていた。

これはゆぴちゃんがそのスタイルだったことが大きい。

効率的に仕事を進めて、余白の時間は自由に過ごすということを徹底している。そして、自分の執筆活動はその自由時間に含めていて、めちゃくちゃな量をアウトプットする。

私がゆぴちゃんと別れるまで1本も記事を更新していなかった間に、彼女は50本以上(!)の記事を公開していた。

もちろん仕事は好きでやっていたけれど、「〜〜しなきゃ」という無意識の固定概念やプレッシャーもあったと気が付くことができた。そして、もっと自分の好きに忠実に仕事をすることもできるのだと、考え方が柔軟になった。

自分のやりたいことにいっぱい時間を使うと、人生がもっと面白くなる。それを実践することは難しいように思うけれど、思い切って時間の使い方を変えてみると、案外実現できたりするものだったりする。

自分のことを客観的に知ることができた

旅の初日に決めたこと。それは、この旅行期間中に毎日ふたりでラジオを録ることだ。

なにか感情の“記録”ができたらいいなと思って提案してみたら、ソッコーでOKしてくれた。

▼ふたり(たまにゲストを呼んで3人)だと深い話もできるよね、ということで「サシ呑み」というコンセプトに。

船の上で電波がなかったり、移動で疲れてしまったり、結果毎日は録れなかったけど、ほぼ毎日(2日に1回くらい)というゆるいペースで続けることができた。

ラジオでは「友情観」や「恋愛観」「仕事観」「人生観」など、価値観に踏み込んだテーマがたびたび話題にのぼり、その度に新しい価値観を知るとともに、自分が持っている固定概念や思考の癖に気が付くこともできた。

ラジオ以外のオフレコ(ただの日常会話)で印象に残っているのは「お互いの良いところ」をお互いに言い合ったこと。

予想の2〜3倍くらいいいところを言ってくれて、めちゃくちゃ嬉しかったので全部メモをとった。

恥ずかしいけれど、載せてみる

プロのインタビュライターということもあって、観察力も質問力も優れているゆぴちゃんの意見や問いから、自分を改めて見つめ直すことができて毎日発見が多かった。

✈️

ゆぴちゃんのバースデーのお祝い

ここまでに書いたこと以外にも得られたことはたくさんある。

・(準備や予約を分担したことで)いろいろな場所を巡ることができた
・(ギリシャ神話にハマった友人のおかげで)ギリシャの遺跡や博物館がより面白くなった
・(読書家の友人に影響されて)読書週間が復活した
・(ミニマリストな友人に影響されて)バックパックひとつで身軽に旅ができるようになった
・(美容に詳しい友人に影響されて)美意識が高まった
などなど…

わたしは人間関係において、自分から声をかけたり、自分の心を開示したりせずに、その1歩を踏みとどまって、距離を置いてしまうことが多い。

大人になると子どもの頃よりももっと距離を縮めることが怖くなることもあると思う。

いやな一面が目に入ってしまうんじゃないか。
もしかしたら、嫌われてしまうかも。

その可能性がゼロになることは今も昔もないけれど。同時にもっともっと好きになったり、仲良くなる可能性も存在するのだ。

こんなに長く旅をする人はそう多くないと思うけれど、大人になってからの友人ともぜひ旅を。旅は人との距離を近づけるだけでなく、どこかではぐれてしまった自分の好きなものや、大切な価値観も気が付かせてくれるはずだから。

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