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音楽好き出張者の超個人的福岡ガイド(2021/3/12更新)

仕事柄しょっちゅう国内出張をしています。僕が働いている会社ではオフィスの最寄駅から100km以上移動する場合を出張と定義しているのですが、月の営業日の7割くらいが出張しているといった具合でしょうか。

出張場所は多岐に渡り20年4月末時点で出張した都道府県数は39になるのですが、2014年から九州地域が担当地域になっていることもあり福岡には最低月1回、多い時は月3回くらい出張し続けている状況です。

元々焼酎好きということもあり九州担当になった時は『ラッキー!』くらいにしか思っていなかったのですが、仕事で福岡を訪れるたびに街も人も食事も景色も好きになってしまって今ではプライベートの旅行でも訪問するようになってしまいました。

出張先の楽しみはやはり自由時間(主に夜)をどう過ごすかという点にある人も多いと思うのですが、僕の場合はその土地の音楽カルチャーを培っている場所(ライブハウスやクラブ、レコードショップ等)に遊びに行き、そこで知り合った人たちからその土地の音楽シーンを教えてもらうことがそれに当たります。福岡に出張に行くたび、天神エリアに宿泊先を確保しては夜な夜な音楽が鳴る場所に遊びに行き楽しみまくっているわけです(いや、夜まではちゃんと仕事をしていますよ 笑)。

※福岡の音楽シーンが大好きすぎて、参加をしてるプレイリストレーベル・Plutoで気になる福岡のミュージシャンをまとめた「FUKUOKA RISING」というプレイリストの更新も担当中です!

福岡の美味しいお店や観光地はガイド本やネットを見ればまとまっているのですが音楽カルチャーを感じられるお店はなかなか探しづらいこともあり、関東の友人たちからオススメの福岡音楽スポットまとめてくれと言われることがこれまでに何度かありました。

そこで普段から僕が遊びに行っている福岡の音楽カルチャーを感じられるお店をまとめてみようと思い立ちました。せっかくなので福岡出張がある音楽好きな人が自由時間の過ごし方を検討する際、少しでも助けになれれば幸いです!

※福岡の緊急事態宣言解除に伴い各店舗の状況を分かる範囲で書きました(21年3月12日更新)。
※あくまでも東京在住、福岡出張者の目線です。福岡在住の音楽好きの方には当たり前のスポットばかりかもしれませんが寛大な目で見て下さい。

1.カフェ・バー系

◇音楽談議に花が咲く警固の名店「CafeBar TresoL」

地下鉄七隈線・天神南駅から徒歩10分前後、二又に分かれた道路の先端にあるアーク警固ビルの3階にあるのが音楽酒場・TresoL(トレソル)です。

店主のkazuoさんは元レコードショップ店員、かつ福岡を中心にライブ企画やアーティストブッキングを行う「ABOUT MUSIC」の主メンバーということもありトレソルには地元の音楽好きのみならず福岡公演に訪れたミュージシャンたちも集まります。

店内にはDJブースや音響設備も備え付けられているため、ミュージシャンのアフターパーティーやシークレットライブ、DJイベントなどが行われることも多く、福岡に遊びに行く際には事前にinstargram等でスケジュールをチェックしておくと良いかも(ちなみに僕はほぼ偶然のタイミングでthe band apartの荒井・小暮コンビによるアコースティックライブに参加したこと有)。

そしてもちろん料理もお酒も最高です!特にオーロラソースとケチャップライスの相性抜群のベーコンエッグライス、宮崎県日南の焼酎・飫肥杉(おびすぎ)をジャスミンティーで割った「オビジャス」がオススメ。オビジャスはスルスル飲めてしまうので要注意です(笑)

■緊急事態宣言解除後の状況
21年2月28日における福岡県の緊急事態宣言解除を踏まえ現在の営業時間は昼12時から21時までとなっています。本日の定食(メニューはinstagramでチェック!)も始まり、ランチでも利用できるようになっているのは嬉しい限りです。店内イベントや個展開催等も徐々に再開しているので福岡の夜が再び盛り上がっていきそうですね!

店名:CafeBar TresoL
住所:福岡市中央区警固1-13-1 ARK KEGO 3F
時間:18時~翌5時(月1回程度の不定休)


◇4000枚のレコードと看板猫・さんまに会いに行きたい「como es」

天神のメイン通りのひとつ・国体道路から路地に入りしばらく進んだところにある木造白塗りの一軒家が「como es Imaizumi(コモエス)」です。

「音楽と人、多様な文化が調和する場」をテーマに1Fにはカフェバー、2Fにはソファ席やイベントスペースが準備されています。元々店主さんがオーディオ機器関係のお仕事をされていたりレコード屋をやっていたこともあるそうで配線からこだわった素晴らしいスピーカーから流れる音楽をBGMに、おいしいお酒やコーヒー、九州産素材のドーナツをはじめとする食事が楽しめます(店主さんコレクションのレコード4000枚が並べられたカウンター奥も絶対見るべき!)

そしてもうひとつ、猫好きな僕がたまらないのが看板猫・さんまちゃんです。お店の外で昼寝をしていたり時にはお酒を飲んでいるカウンター横でくつろいでくれたりと毎回さんまちゃんに会いたくて通ってしまっているかもしれません・・・(笑)

コモエスはスタッフの皆さんもとても気さくに話しかけてくれるので一人でいっても全然寂しくないんですよね。ちなみに音楽談議で盛り上がったスタッフの男の子が先日メジャーデビューしたバンドのメンバーだったりしてびっくりしたこともあります。

写真や絵の展示会、店内でのDJやライブイベント、映画鑑賞会など2018年末オープンながら既に面白いコミュニティを形成しているコモエス。仕事がてらお茶をしたりゆっくりお酒を飲みに行ったりするにもオススメです!

■緊急事態宣言解除後の状況
10:00~19:00の短縮営業中。店内が徐々に再開されたり、配信形式で新しい企画も積極的に行われています。各イベントの詳細はinstagramにて要チェックです。

店名:como es(コモエス今泉)
住所:福岡県福岡市中央区今泉2丁目1−75
時間:水〜土 11時〜23時半 / 日・月 11時〜18時(火曜定休)

◇グッドミュージックと美味しいコーヒーで仕事が捗る「STEREO COFFEE」

大抵の場合、出張時における僕のスケジュールは”宿泊先ホテルでAM7時半頃に起床→レンタカーで移動しながら複数取引先訪問→ホテルに戻って報告書作成→自由時間”となっています。

運転時に眠くならないようコーヒーを買ってから車に乗り込むのですが、毎回コンビニでも味気ないので近くにコーヒースタンドでもないかなぁと思い立って見つけたのが「STEREO COFFEE」でした。

一軒家をリノベーションした店内は1Fが注文カウンターとイートインスペース、2Fがギャラリーになっています。イートインスペースは木の香りとコーヒーの香りがマッチし、大きな木製スピーカーから流れるアナログレコードの音が落ち着いた気持ちにさせてくれます。

最近はこの空間が気に入ってしまい、テイクアウトでコーヒーを買うよりもホテルに車を置いた後、イートインスペースでの報告書作りの際にもっぱら利用するようになってしまいました。

ちなみに店舗から徒歩5分程度離れたところに不定期営業のレコード店・LIVING STEREOもありますので(instagramで営業時間をチェックしつつ)音楽好きの方はぜひ足を運んでみて下さい!

天神周辺は本当に沢山のカフェやコーヒースタンドがあるのですが、音楽好きな方にはぜひ一度は足を運んでもらいたい、そんな場所です。

■緊急事態宣言解除後の状況
21年3月14日までは12時から20時までの変則営業中(その後は状況を見つつという感じだと思います)。2階での個展やポップアップショップ開催も再開しています。今どんなイベント開催中かはinstagramをチェック!

店名:STEREO COFFEE
住所:福岡県福岡市中央区渡辺通3丁目8−3
時間: 8時~22時(水曜定休)

2.レコードショップ系

◇豊富な品揃えで欲しかったレコードにも出会える「TICRO MARKET」

天神・大名エリアはファッションやカフェ 、飲食店などが立ち並びふらっと歩き回るだけでも楽しいエリア。その中心付近にある老舗のレコードショップが「TICRO MARKET(チクロマーケット)」です。

HYSTERIC GLAMOURのパティ・スミス風なイラストが大きく書かれた赤煉瓦造りの横のビルを2階に上がり扉を開ければ大量のレコードが・・・。

洋楽・邦楽、新譜・中古問わず様々なジャンルのレコードが並んでおり棚を1つずつ見ているだけでもあっという間に時間が過ぎてしまいます(1枚1枚に付いているレコード説明のポップを読むのも楽しい)。

(当たり前のことですが)スタッフさんはみんな音楽が大好きで詳しい人たちばかりなのでお邪魔にならない程度に音楽談義を楽しませてもらうことも・・・。

ちなみに同じビルの3Fにはアウトレットレコードが並ぶ「DIGRO MARKET」もあるので時間があるときはこちらでDIGるのもオススメです。

■緊急事態宣言解除後の状況
21年2月28日の福岡県内緊急事態宣言解除に伴い通常営業開始しています。時間をあまり気にせずにゆっくりとレコードをディグれるのは嬉しいですね。

店名:TICRO MARKET
住所:福岡市中央区大名1-15-30 2・3F
時間: 11時〜22時

◇福岡のIHP HOPシーンをチェック!「DARAHA BEATS」

元々は天神を代表する繁華街・親不孝通りにあった店舗が天神南駅のすぐ近くに移転(ちなみに「TICRO MARKET」から徒歩10分くらい)。HIP HOPをメインにクラブミュージックに関する音源を多く取り扱っているお店が「DARAHA BEATS」です。

ビックカメラ正面、オレンジ色が特徴的なビルの4階に上がるとたくさんのフライヤーやステッカー、ポスターが貼られた店舗が見えてきます(余談ですがライブハウスやレコードショップの壁に大量に貼ってあるポスターの雰囲気、なんかとても好きです)。

店内はHIP HOPを中心にしてレコードやCD、カセットテープなど様々なフォーマットの音源が取り揃えられています。特に注目すべきは地元・福岡のHIP HOPシーンを盛り上げるアーティストのMIX TAPEが多く並べられていること。店長さんに自分の好きなミュージシャンをいくつか伝えると、福岡で活躍するミュージシャンの中からオススメを紹介してくれたりもします。

店内のフライヤーやポスターから面白そうなイベントをチェックして行ってみる、なんていうことも出来たりもしますし特定ジャンルに強いレコードショップは新しい情報を得るための強力な味方ですので定期的に訪問しているお店です。

■緊急事態宣言解除後の状況
店舗は通常営業中。

店名:DARAHA BEATS
住所:福岡県福岡市中央区今泉1丁目23−4 REMIX天神4F
時間: 12時〜20時 ※木曜定休

3.ライブハウス・クラブ系

◇親不孝通りにある福岡の音楽シーン中心地「KIETH FLACK」

親不孝通りといえば天神エリアの中でも多くのライブハウスやクラブが位置する通りであり、福岡の音楽シーンの最重要地域のひとつです。そんな通りの路地裏を進んでいくと見えてくるのがガウディ建築のような、派手なのでどこか温もりを感じてしまう佇まいのマジックスクエアビル。

その1Fと2Fにあるのが「Kieth Flack(キースフラック)」です。2FはライブやDJイベントが可能なメインフロアとなっており、1Fは常設のDJブースで音楽を楽しみつつ美味しいお酒が飲めるラウンジエリアになっています。

長年親不孝エリアの音楽シーンを支えてきたことからこの場所をベースにした多くの有名パーティーが存在しており、両フロア共にほぼ毎日なんらかのイベントが行われています。しかも1Fのパーティーはエントランスフリーの場合も少なくないので、仕事関係の飲みの後に1人でふらっと立ち寄ってお酒を片手に音楽を楽しむことができてしまうようなグッドプレイスです。

この場所に行って思うのは、Kieth Flackが大好きゆえに普通の飲み屋に行く感覚でこの場所に集う人たちが多いということ。そしてスタッフもお客さんも1人でふらっと立ち寄った客にも本当に温かいので、自然とコミュニティーに迎え入れてもらえる素晴らしい場所だということです。

実はKieth Flackとの出会いはとても縁深いものがあります。2013年、九州担当になって2回目の福岡は初めての1人出張でした。東京の音楽友達から前述のTresoLを勧められていたので早速訪問。店主のkazuoさんからその日の深夜にDJ出演予定のあるパーティーへのお誘いをもらって行くことに。そこでゲストDJを行っていたのが大好きな福岡のバンド・STEP LIGHTLYのVo.SHOWYさんでした。その後、SHOWYさんと話をしてみると近くにあるKieth Flackというライブハウスの店長もしているとの話を聞き翌日の夜に早速訪問。即Kieth Flackの魅力にやられて今に至るわけです(笑)。

Kieth Flackは音楽好きなら必ず恋をしてしまうであろう本当にステキな場所ですし、多くの人たちから福岡の音楽シーンには無くてならない重要な場所として愛されているのだと思います。その証拠に緊急事態宣言後のライブハウスを取り巻く厳しい環境を生き抜くために行われたクラウドファンディングでは初日で目標を達成、最終的には当初目標の約3倍の支援金を集めています。

Kieth Flackは音楽好きな人もお酒が好きな人も満足させてくれる場所なので福岡出張がある人は是非一度訪問してもらいたいです。

■緊急事態宣言解除後の状況
緊急事態宣言解除後は段階的に営業を再開中。イベントの多くが開始時間を早めて(13時や15時、16時が多い)終了時間を21時前に設定しながら開催されています。またオンラインショップでは福岡在住のイラストレーター・Toyameg氏デザインのグッズもGetできます。

店名:Kieth Flack
住所:福岡県福岡市中央区舞鶴1-8-28 マジックスクエアビル 1F.2F

◇隠れ家的に福岡の音楽シーンを楽しめる「UTERO」

次に紹介したいのが清川にある「UTERO(ユーテロ)」です。これまで紹介してきたお店は全て天神駅近くに位置していたのですが、「UTERO」は少し離れており地下鉄七隈線・渡辺通駅が最寄りになります。

「オルタナティヴ~型にはまっていない、主流とは別の形の」がテーマとなっていることだけあり、僕の中では福岡のアンダーグラウンドシーンの熱量を肌で感じられる場所です。

建物自体は3階建てになっており、3Fはレコーディングスタジオ(リハスタ機能有)、恵比寿のLIQUIDROOMのように階段を登り2Fから入って1Fのライブスペース(キャパ100名強)に降りるという構造になっています。

2Fにあるバーのお酒が充実しているうえに常設の大型スクリーンに1Fで行われているライブが中継されているため、気になるアーティストがいればその場でお金を払ってライブスペースに見に行けるという海外のような仕組みも面白いです(バーはエントランスフリー)。

■緊急事態宣言解除後の状況
緊急事態宣言解除後は3月21日まで収容人数50%以下にしつつ21時までの営業もしくは無観客配信ライブで営業実施中です。

店名:UTERO
住所:福岡市中央区清川2丁目6-34-2F

◇コロナ禍中にオープンした新ライブハウス「天国と秘密」

最後にまだ訪問できていないものの今後絶対行きたい新スポットを紹介します。それがおしゃれなショップが立ち並ぶ大名エリアに2020年11月18日に新オープンした「天国と秘密」です。

カフェ&バー形式の「天国」と200人キャパのライブハウス「秘密」が一体になった施設で、音楽レーベルやライブハウス、飲食店も経営するLD&Kが九州エリアの音楽シーンやストリートカルチャー発展を目指してオープンさせたとのことです。

LD&Kの大谷社長はコロナ禍においてごく初期から音楽業界を支えるために様々な活動を行っていましたが、ライブがほぼ出来ない状況にあった昨年秋にライブハウスをオープンさせたことには非常に驚きましたし、経営を超えた想いみたいなものを強く感じました(もちろんビジネス的勝算もあるとは思いますが)。

また、instagramで見ていると「天国」も「秘密」も特徴的で魅力的な内装をしており、遊びに行きたいという気持ちが日に日に高まっています。

福岡カルチャーの新しい発信地、状況が落ち着いて福岡を訪問する際にはぜひ行ってみようと思います。

■緊急事態宣言解除後の状況
2021年3月12日現在、カフェ&バー「天国」は休業中。ライブハウス「秘密」は収容人数を大きく制限して営業中です。

店名:天国と秘密
住所:福岡県福岡市中央区大名1-3-29 DAIMYO582 1F


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以上、僕が大好きな7店舗+1店舗を紹介させてもらいました。福岡に出張する機会のある音楽好きの方に、少しでも参考にしてもらえたら嬉しく思います。また、福岡在住の方で『まだまだこんな面白い店あるぞ!』って方いたらコメントでもメールでも、SNSからでもいいので是非教えてください!

基本的に全文無料で公開していますが面白かったと思って頂きましたらお願いします。書籍や音源購入、子供や猫たちのグッズ購入に使用させて頂きます。