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#192 ラジオ語学講座 番組の工夫

「さて,この写真の花は?何の花でしょう?答えは,この文章の最後に.最後まで読んでくださいね.」

”まいにちイタリア語 入門編” @NHKラジオ らじる らじる 

 昨年の新型コロナによる遠隔授業導入時,学生のみなさんの”学び”について考えるために,自分も何か挑戦しようと思いNHKラジオのイタリア語基礎を,インターネット(らじる らじる)で聴き始めました.以前から古代ローマ帝国,イタリアの絵画・音楽・建築に興味があったので,”ゆっくりコツコツ”(piano piano)と,イタリア語を今も勉強しています.

 毎日スマホで聴いているのですが,実際には,番組は週3日が基礎編,2かが応用編で,私の実力では基礎編で”十分”難しいので実質3日間の放送内容を繰り返し聞いています.3か月放送があると,次の3か月は同じ内容を再放送されているので,実質一年といっても内容は半年分で,一週間のうち3日分しかありません.という事は,実際には約3か月分の内容を4倍の時間をかけて聞いていることになります.とてもゆっくりです.これが私にはちょうど良いので,今でも続けられています.

何故,飽きないのか?

 理由は幾つも思い浮かびます.自分自身がイタリアに興味があるから.いつまでに,どこまでのレベルに達するかという「締め切り」が与えられていないから.「試験」がないから.他人と比べて「出来ていない」と思うことがないから.

 でも,よく考えたら,最も基本的なことに気づきました.それは,番組がとてもよく構成されていること.飽きさせない「工夫」がなされていることです.当たり前といえば,当たり前なのですが,これが実はとても難しいと思います.

繰り返しの工夫

 覚えたつもりのフレーズでも,使わないと忘れます.今までの内容を,少しずつ織り交ぜて,過去の復習が自然とできるように番組内容ができています.忘れても構いません.テストがないのですから.忘れてから,もう一度覚えて,それを繰り返していると,いつか忘れることができなくなります.という事は,覚えたことになります.考えてみれば,新生児が繰り返し”会話の真似”をしているうちに,言葉を覚えていく過程はまさにこれだと思います.飽きさせないように繰り返しをする.相手に気づかれないように繰り返す.これが「極意ナリ」と思います.

Goal Imageの提供

 初心者が聞き始めている番組であるにもかかわらず,基本フレーズの合間のイタリア人講師の間の会話は”容赦”ありません.「普通の短い会話」をしてくれます.初心者にとっては,最初はチンプンカンプンです.でも,でも,,,「イタリア語を話せるようになると,こんなリズムで会話ができるんだろうぅなぁ―.」という自分なりの目標(Goal Image)を持つことができます.3か月後に,もう一度番組が再放送になるので,最初の時には分からなかったnative speakerの会話も,「少しわかった気」になります.すると,比較する相手は,過去の自分で,(おぉ,俺って出来るじゃぁーん.)と独りで喜ぶことができます.クラス内の良くできる子が相手ではありません.自分自身なので,3か月一日2,3回,ほぼ毎日15分番組を繰り返し聞いていれば,簡単なことだけであれば”何となく”覚えた気になれます.

話題と音楽

 音楽や映画,土地の名物や料理などなど,興味があったことの「こぼれ話」を,適度な量でちりばめてもらうと,ついつい聞きたくなります.例えば,「サンタクロースのモデルと言われる聖人は?」なんて,この講座を聞くまで知りませんでした.内容の変わり目に入る効果音(音楽)も,イタリアのバロック?を意識したような曲がかかります.エンディングのテーマ曲も心地よい.となれば,音楽を聴くつもりでついつい講座も聴きたくなります.(まんまと,番組構成作家様の手のひらで私は楽しみながら泳いでいます.笑)

「答えは番組の最後で.最後まで聞いてくださいね.」

 というフレーズで質問が番組冒頭でされると,「答え」が知りたくなります.つい最後まで聞かずにいられません.こんな「古典的な手段」に載ってしまうとは,,,我ながら笑えてきますが,「古典的」という事は,今でもその効果があって生き続け居ているので「古典的」という名前を付けて読んでいるんだと思います.私は,古典にコテンと載せられる「古典的な人」です.音楽も,古典音楽(Clasic クラッシク)も好きです.

 という事で,このNote記事の冒頭は,この番組の手法を真似ました.「答えは,,,,,,檸檬 lemonでした.」柑橘類の花,どれも見た目が同じかもしれません.私は,この檸檬の木以外で、ミカンの花はまだ見たことがありません.未観(みかん)です(笑).