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#39 "五重の塔”の下には?

お寺の特別拝観時期に伺うと、”塔”とうに入ることができることがあります。”棟”ではありません。ヘンが”土”と”木”の違いで、意味が違います。 

 ずいぶん以前に、当時小学生の二人の子供を連れて、奈良のお寺を訪れたことがあります。奥さんは何か用事で、子守(こもり)で片道2時間ほどの自動車ドライブしました。今から思えば、選択がシブい!訪れた日が特別拝観日で、お坊さんのふだん聞けない解説をお聞きする機会を得ました。「お寺の塔は、お釈迦様の骨である仏舎利(ぶっしゃり)をまつったストゥーパ(卒塔婆、そとば)の意味があります。時々、見晴らしのよさそうなあの”タワー”に上りたいという海外のお客さんがいてはりますが、これはお墓の卒塔婆と同じで安らかにお眠りいただくとこですから、みんなでドンドン騒ぐところではありまへん。今日は特別に、1階部分だけぐるっと皆さんに静かに見てもらえる日です。」と言われ、へぇーと思いました。「この話をすると、皆さんウソォーと言うんですわ。そんなに仰山、仏様の骨があるんかいな?と」、まるで落語家のような”立て板に水”、プロの話芸を見に来ているようでした。「最初は骨を砕いて入れてたようなんですが、数が足りなくなって、代わりに宝石を埋めるようになったそうです。」と説明してくれはりました。(なぜか自分まで関西風?)とにかく話が旨いのなんの、かた苦しいと感じることは一切なく、時には笑いを誘い、絶妙な間合いで皆を引き込む、それはそれは本当にプロの話術でした。一緒に話を聞いていた子供から、「お父さんもあれくらい話がうまいといいなぁ~。」と言うので、「本当にそうだ。お父さんは、今からこのお寺で修行していくので、二人で三重まで帰ってね。」と言うと、ポカァンとしていました。すぐに冗談だよと言い山門をくぐりました。

 さて、ここまで読んで今回のタイトルの質問の答え、わかりましたか?ここ数回の”○○シリーズ”でわかりますよね。そう、答えは、ダイアモンドです。宝石のKing?であるダイアモンドです。日本語では、金剛石(こんごうせき)と言うそうです。「金剛○○」と言う言葉を耳にするとき、仏教関係が多いのは、仏舎利とつながっているようです。

 私の今までのnoteを読んでいる人は、”五重の棟”と間違えて書く人がいても、寛容(かんよう)の心で許してあげなアカンヨウ。 お後がよろしいようで。