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#28 イタリア語 事始め(7) ”口頭”教育

外国語の勉強のオモシロさは,コトバを知るほかに、自分とは違う文化・生活を知ることだと思います。ドイツ語をはじめて学んだ時、会話文の中で「洗濯機はヒーターがついている」「昼休みは銀行やお店が休み」と知った”19歳の衝撃”たるや。日本とは違う世界がある!?と思ったことは、ドイツ語をほとんど?忘れた今でも心に突き刺さっています。と言うことで、今回はイタリア語入門を始めて2カ月の”54歳の自分”の心に突き刺さった”口頭”教育の段,始りまぁーすぅ。

 5月号テキストの会話は、日本の大学を訪れたイタリア人学生が、学生食堂(mensa)に行き注文をするという内容でした。ここで講師の方が、日本とイタリアの大学教育の違いを紹介してくれました。一番驚いたのは、試験が筆記式ではなく、一対一の口頭試問(口頭試験)であること。このスタイルは、イタリアの小学生のころから広く行われているので、イタリア人にとっては”普通のこと”とのこと。

 これは、まるでドイツの洗濯機にヒータがあるのが”普通”だというのと同じ。海外の水に関するこういう違いは、おそらく日本とは違いミネラル豊富な硬水が原因で、むしろ海外では”普通”なんだと思います。以前学会発表でスペインを訪れた時にも、みんなが大きな飲料水のペットボトルをお店で買って持ち帰る姿を見て驚いたことがあります。ヨーロッパの国々では、場所によってはお水の方が、コーラやワインより高いことがあります。昔見た「母を訪ねて三千里」でも南米アルゼンチンの主人公マルコ少年がワインを飲んでいてびっくりしました。(そりゃ、アルコールに強くなるわけだ。)

 また話をイタリアに戻すと、イタリアでは大学の入学は簡単でも卒業が難しいとのことでした。口頭試問の結果に不満があるときには、数か月後にもう一度再試験が受験可能でも、合格は簡単ではなく、何年も留年する学生がいるとのこと。オーゥ、先生方、自分の評価に絶大な自身があるとお見受けします。スゴイ。

 ”教育の質保証”と言う言葉をよく耳にするけれど、結局は”教員の質保証”だと個人的に思います。1)教育のやりがい、2)自分の創意工夫を行う時間的・体力的”余裕”、3)教員への待遇(給与と社会的位置付け)の条件が良ければ、”憧れの職業”になること間違いなし。教員が良ければ、学生が良くなるのは明らかです。社会も教員に一目置くので、”口頭”教育で留年を小・中学生に対して指導しても誰も文句を言わない。”当たり前のこと”ができているイタリアすごい。と思いました。Bravissimo!

  【写真】は、ドイツの大学に出張時、学生食堂(mensa)で食べた”カリーヴルスト”です。スプーンも大きいので、実物のデカさが伝わらないと思います。ドイツの主食?フライドポテトとデカいソーセージ、日本人では食べきれないと思います。(普段は残さない私も、ポテトは少し残しました。午後からの仕事ができなくなります。)イタリアでも学生食堂は、mensaです。もともとは、ラテン語の「長いテーブル」を意味するのだそうですから、むしろイタリアからカエサルによってガリアの地にも伝えられたというべきでしょう。ちなみに、ドイツの大学でも”口頭”教育(口頭試験)、よく行われているとのことのようです。(イタリアほど盛んかは、わかりません。)

 写真を見ていたら、mensaでよく見たあの大男のドイツ人学生の集団を思い出しました。ドイツ・オランダは、アメリカの大男たちとはなんか違う気がします。なんとなく、体の比率(プロポーション)が違うような、遠くから見るとデカいと気づきません。まるで”カリーヴルスト”です。一方、私はイタリア人のかたとは今まで直接お会いしてお話したことがないのでわかりませんが、俳優アルパチーノを見る限り背は高くなさそうな、そしてメキシコほどではないにしても暖かい国の方々は、横方向?にデカい人が多い気が、、。同じ「長いテーブル」で食事をしていても、お国柄はきっとあると思います。いつか、イタリアの「長いテーブル」に自分が座れる日が来ますように。その時までに、イタリア語会話の基礎ぐらいできるように、毎日コツコツイタリア語の勉強続けます。

前回に続き、今回も”口頭”な話題が続きました。お後がよろしいようで。

(写真 本文中に説明記載) 

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