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#156 「ゆっくり進む人は、無事に遠くまで行ける」 イタリア語 事始め(17)

明けまして、おめでとうございます。
 さて、新年を迎えて「今年は〇〇をスルゾォ!!」と目標を掲げる”儀式”を自分に向けて今年もしました。目標の一つは、「イタリア語の勉強をコツコツと続ける。」

”Chi va piano va sano e va lontano.”

 「ゆっくり歩む者が、着実に遠くまで行く」

 先週今年度の講座が一区切りで終わりを迎えたNHKのイタリア語基礎講座で、講師の高田先生が紹介してくれたイタリアの諺(ことわざ)です。
 この放送では、毎回”piano piano”(コツコツと)と基本フレーズをゆっくり学びながら、イタリアの生活や、イタリア人から見た日本の生活など、語学+文化を楽しむことができて楽しかったです。

入門編(月曜~水曜)「ゆっくりじっくりイタリア語 Benvenuti in Giappone!」

「学ぶこと」の楽しさ

 去年の4月、新型コロナ感染症の影響で遠隔授業が始まることになり、「学ぶこと」について教員の自分自身も考えてみようと思い、以前から興味があったイタリア語についてNHKラジオをインターネットで毎日15分の2セットを聴いています。熱心に復習をせず、ただ単に聞き流していることがほとんどです。週に3回の放送内容を繰り返し聴いていると、なんとなくわかった気にはなりました。ただし、いざ読み書きや、ましてや話すとなるとサッパリです。

習慣

 「習慣」というのは面白いもので、夜寝る前や歯磨き中、ちょっとした空き時間に、BlueToothイヤホンでスマホから15分の放送の一部部分でも少しずつ聴くことを繰り返していたら、初めの頃に比べて「楽に聴ける」ようになりました。気軽に繰り返し、コツコツと続けるのがコツのようです。「学ぶ」というと机の前での勉強を連想しがちですが、特に語学のような学習は、子供が生活の中で色々習得していくような技能・スキルに近いものがある気がします。

「わかる楽しさ」

 イタリア語に関して、まだ十分には分かっていないのですが,イタリア語の世界をなんとなく感じることで、日本語との違いと共通点が分かり、文化や歴史とのつながりに想いを馳せることができ、その楽しみは他では得難い”別格”な感じがします。

映画「ゴッドファーザ」

 コッポラ監督のシチリア出身のイタリア人がアメリカでマフィアとしての家族の歴史を描いた三部作、今年も年末に観ました。時間は長いし、内容は重いし、痛そうだし、観るのをやめようかと思いましたが、有名な”愛のテーマ”の音楽を聴きながら、イタリア語のリスニングになるかと思いじっくりと観ました。

 半年イタリア語の基礎を毎日聞いていて、今まで気づいていなかった事に「なるほど」と思えることが増え、嬉しかったです。イタリア語と英語の違いが今まで以上にわかることができ、イタリア人同士の場面や、気持ちが混乱した時に、イタリア語が多く使われている気がしました。多分、シチリア訛りもかなりあるのだと想像します。(私の耳はイタリア語か英語かの区別はできても、イタリア語の意味はとてもとても分かりません。)ローマ法王の選挙の時の票数の数ぐらいは、流石に分かりましたが、、、(これがわかっただけでも、結構嬉しかったです。笑)

口琴

 NHK Eテレで以前放送していた「旅するイタリア語」でシチリア島が紹介されていたので、再度映画を観ると違う楽しみ方がありました。例えば、パーティの席上で演奏されていた地元の民族楽器 マランザーノ(marranzan)という”口琴”の音色は、Eテレの番組で俳優の小関裕太くんが鳴らそうとしても難しかったものでした。シチリアでの場面転換でのBGMにも確かあの音色が使われていて、”異国情緒”を醸し出していました。

 フェルミ

 映画の中で「古くはクリストファー・コロンブスの時代から、エンリコ・フェルミの時代を経て、現在の今日までイタリア系市民は建国のパイオニアとして国に尽くしてきました。彼らは地の塩であり、わが国の屋台骨なのであります。 」というセリフがありました。半導体物理でよく用いる電子の存在確率分布を表す「フェルミ分布」で有名な、あの物理学者のフェルミがコロンブスと並んで、イタリア人のアメリカで活躍として例に挙げられているのに驚きました。アインシュタインやオッペンハイマーなどと同様に、マンハッタン計画に固体物理学者が力を発揮した少し後の時代背景があるんだろうなと想像します。他にも色々細かなところで気づいて面白かったところがあるのですが、それは観てのお楽しみということでネタバラシは避けておきます。

 さて今年も、”piano piano” そして、  ”Chi va piano va sano e va lontano.”

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