業務の全体整理できていますか?

こんにちは!AIトラベルの藤本です。今日は色々な方からリクエストがあったシステム導入や業務改善を行う上で「これをやると失敗リスクがあるよ」という何かがあれば教えてほしい、ということについて書いていければと思います。

第1弾は「業務の全体整理」について考えていきたいと思います。

業務の全体整理とは

業務の全体整理は、「業務全体の棚卸」とも置き換えることができます。
つまり、対象とする業務で以下を把握することです。
「誰が」やっているのか
「どんな業務を」やっているのか
「どれくらい時間を」かけてやっているのか
・それらの業務が「どこに影響」するのか
・最終的に「どのようなデータ・資料」になっていくのか
「なぜ現状の業務フロー」になっているのか

これらの情報を持たないまま、業務改善やシステム導入はできません。なぜかというと、業務改善やシステム導入は、従来の業務フローから新しい業務フローの変更を行うため、全体の情報を把握してないと、本当にその変更が従来より良くなるのかが分からないからです。

経費精算でのしくじりポイント

例えば経理部員が経費精算を効率化したいと考えます。

経費精算業務は、事前稟議作成・承認→立替する従業員などの発生→経費精算申請入力→承認→仕訳作成→支払という業務をたどります。

その時に自分の業務しか知らないとどうなるでしょうか?
経費精算で経理が担当するのは主に後工程のチェック・承認→仕訳化→支払の部分です。しかも、この経理業務でも細分化されます。承認する人、仕訳を切る人、支払いをする人で分かれるケースすらあります。

ここで仕訳を切る仕事のみをしている人がシステム導入を仮に単独で行った場合、間違いなくこのプロジェクトは失敗するでしょう。


なぜなら、仕訳だけ切っている人は、経費精算入力者のオペレーションはもちろん、その後の上長承認や経理チェック、仕訳を切った後の支払いの業務を知らないので、自分のところだけよければすべてオッケーとしてしまうからです。良かれと思ってシステムリプレイスしたけど、経費精算入力者が入力しにくくなったり、承認フローがめちゃくちゃになってしまったり、会計連携がうまくいかなくなったなど不都合が後になってわかり、結局新しく入れたシステムが使われない…なんてことになると笑えません。

業務俯瞰の重要性


業務改善・システム導入の際は関係者からきちんとヒアリングして、最初から最後までどういう人が関わって、どういうオペレーションが必要で、どういうアウトプットが使われているのか、また現在組まれているフローの背景まできっちり把握しましょう。もしかしたらあなたの考えている業務改善は過去にも検討されたかもしれません。そして、現状採用されていないのには何か理由があるかもしれません。

全体業務を把握・整理せずに業務改善は無駄な工数をかけるだけでなく、業務改悪になりかねません。一部分だけならいいだろ?と思うかもしれませんが、その一部分、本当に他に影響ないですか?自分だけで完結する業務ならいいですけど、なかなか自分だけで完結する業務ってないですよ?

また何も考えない部分最適の業務改善はなかなかうまくいきません。部分最適で行くのであれば、全体を把握したうえで、ファーストステップ的な位置づけで始めましょう。ちゃんと改善ゴールまで見越したうえでやりましょう。

整理した後にすること

整理した後は後は改善方法の検討です。
とはいえ、初めて改善業務に携わる人は切り口が分からないと思いますので、古典的ですが有用な方法を紹介したいと思います。
私もブレストの時によく使っているECRSの原則です。

E:業務をなくす
C:複数業務を一緒におこなう
R:順番を変える
S:単純化する

当たり前ですが、不要な業務はなくしてしまうのが一番効率的ですので、まず業務を少しでも減らせないのかを検討します。それが終わったら、複数業務をくっつけられないのか、順番を変えて効率化できないかを検討したのち、最後に業務の単純化の検討です。

迷ったときはここに立ち返ると意外とすんなりはまるケースがあるのでおススメです。費用対効果の算出は大事でどのみち必ずやることになりますが、最初からその路線で考えてしまうと前に進みにくくなる場合もありますので注意しましょう。

最後に

何か改善したい場合は、必ず業務フロー書いてくださいね。今はmiroとかいいお絵描きツールあるのでいくらでも書きなぐれます。
業務改善の基本は人を巻き込むことです。まず、誰を巻き込むべきなのかを把握するためにも全体業務の把握をお願いいたします。


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