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Startup Weekend北九州vol.10@学研都市ひびきの


はじめに

先週末の3日間、10/27-29の日程でStartup Weekend(以下、SW)北九州vol.10@学研都市ひびきのが実施され、リードオーガナイザーとして務めさせていただきました。

StartupWeekendとは?といったご説明は先だってのSWファシリテーター就任所信表明内で記載しておりますので、そちらをご覧いただければ幸いです。

また、当日の様子など、公式レポートは別途作成しますので、こちらは私目線からのレポート、裏話的に書かせていただきます。当日の様子は基本的に出てきませんので、それを期待された方はここで回れ右していただければと。

加えて、私のホームグラウンドであるSW北九州での表立ったオーガナイザーとしての活動は一区切り、ということで、開催に先立ち引退宣言の記事も書かせていただいておりますので、そちらも合わせてご覧くださいませ。(長いので、vol.10の裏話だけ読みたい人はそのままどうぞ)

【11/17追記、公式レポートが公開されていますので、イベント内容はこちらをご覧ください】

裏話①SW北九州vol.10 or SWひびきのvol.1?

SW北九州vol.9の開催は遡ること半年以上前、2023/2/24-26でした。
実はこのvol.9の開催前から、とある相談を受けていました。というのも、「学研都市ひびきのでSWを開催したい」というお話です。

学研都市ひびきのこと”北九州学術研究都市”については、(北九州の方も)ご存じない方も多いかと思いますので軽くご紹介すると、北九州市若松区ひびきのにて2001年4月に開設された、北九州市立大学・大学院(公立)、九州工業大学大学院(国立)、早稲田大学大学院(私立)、福岡大学大学院(私立)が集積しているいわゆる学研都市で、大学との共同研究を行う企業や学発ベンチャーが入居する建屋もあります。

近隣のひびきの地区は実は北九州市内でも有数の人口増加地区で、地区内にあるひびきの小学校は2017年、15年ぶりに開設された新設校として開設時すでに約1,000人、令和5年度には1,453の児童が通うマンモス校です。

この学研都市ひびきのでもアントレプレナー教育を推進したい、という想いを持つ方々は多くいらっしゃり、その中でも中心的に取り組まれている財団からSW開催の相談を受けていた、というのが背景です。

担当こそ違うものの、私の本業としてはそちらの財団にご厄介になっています。このことが今回リードを務めた一つの要因でした。
SWは地域オーガナイザー達のボランティア活動として実施しますので、会場や時期はオーガナイザー内での意思決定に依ります。ただし、一定額以上のスポンサープランにおいては、会場の指定権を含むプランがあり、今回はそのプランへお申込みいただくことを前提に開催準備を進めてきました。
(余談になりますが、時期指定権はどのプランにもありません。いくら金を積まれても有志で動くオーガナイザー達の都合がつかなければ開催できないからです)

ここで問題になったのが、この回はSW北九州vol.10なのか?それともSWひびきのvol.1なのか?という点です。
なんといっても第10回というのは、ある意味記念すべき回でもあり、その回が(表現悪いですが)ぽっと出のスポンサーの意向によってこれまで実施してきた小倉地区での開催ではなく、小倉からは同じ市内とはいえ30分以上離れた地区で開催されるのにオーガナイザーやこれまで支えて来ていただいた方々から納得がいくか?という点は、一方で、これまでのSW北九州予算のバックボーンがあったうえで余裕をもって進められるというメリットがあるにせよ、最古参のオーガナイザーでもある私自身としても非常に悩ましい問題でした。
実際のところ、オーガナイザーの中にはひびきのでの開催であればオーガナイザーとしては参加しない、という方もいらっしゃいました。(それもまた個人の自由ですし、それについては全くしこりもないです)

結論としては、SWコミュニティのルール「原則SWは各都市単位で」ということから、「SW北九州vol.10@学研都市ひびきの」として開催することとなりました。
一方で、やはりアニバーサリー的な位置づけで何かやりたい、という声もオーガナイザー内で多かったことから、あくまでもこれまで形成してきたSWコミュニティの深化という位置づけで「SW北九州交流会」を実施することとしました。

誤解のないように補足しておくと、アニバーサリーイベントだったとしても、こちらはあくまでもSW北九州vol.10に向けたプレイベントという位置づけであり、予算等はvol.10の関連経費として計上しており、単体で開催できるものではありません。(噂によると交流会だけやろうとする、あるいはやってと頼まれるケースがあるそうですが、それはSWの趣旨とは外れます)

裏話②頼もしすぎるオーガナイザー陣営

そうこうしつつ、vol.10に向けたオーガナイザー募集を進めていったところ、結果的には20名がオーガナイザーとして関わっていただくことになりました。そのうちの約半数はオーガナイザー経験者、さらに私を含めてリード経験者4名(うち1名は並行して他地域立ち上げ中)という状況で、人的リソース的には何の心配もない状況でした。
ただ、一方でvol.9の時にも発生した事象ですが、オーガナイザーが多すぎると、各人の関りしろが少なくなってしまい、コミュニティ貢献もなかなかできずに結果的に満足感も得られにくい、という事象の発生が予想されました。

これに対するため、vol.9から試験的に実施したサブチーム制をさらに見直し、①渉外、②広報、③デザイン、④プレイベント、⑤SW交流会、⑥飲食、⑦レポートというチームを作り、各々「最低二つ」のチームに所属していただくこととしました。(⑤は今回特殊なチーム、またこの他に会計担当を設定したのと、会場関連のやり取りをするチームを作ってました)
※このチーム種別についてはTechStarsのWebサイトを参考にしました。(意外と複数回経験しているオーガナイザーでもこのサイトは見ていないことが多かったりするので、心当たりのある方はご一読いただくと新たな発見があるかもしれません)

もちろん、このWebサイトに記載されているまま、というわけではなく、これまでの運営実績からの区分けにしましたし、実際運営してみてもう少し変えたほうが良かったかもな、という点はあります(が、ここでは書きません。次のリード等が自分の頭で考えていただくのが大事と思いますし)。

それぞれのチームのリーダーには過去オーガナイザー経験がある方がついていただき(一部除く)、原則的にはそれぞれの担当内の事項はそのチームのリーダーに決めていただく、という事にしました。
結果的には、各チーム4~10名となり、この人数であれば何とかチーム内でコミュニケーションも取れるようになるだろうと。
全体ミーティングではほぼチーム間の状況把握の場として私が一方的にしゃべるような場にしかできないので、正直苦肉の策でしたが、終盤では私がチーム内MTGに入らずとも回っており、胸をなでおろしました。

ただ、反省点としてはリーダーに任せきれず、途中からマイクロマネジメントになってしまった部分もあったことや、チーム間の狭間に落ちそうな点に急に思い至り、突然対応を依頼したこともあったりしました。
また、さすがにメンバー一人一人とは個別の時間を設けることもできず、世の中の経営者の方々の悩みの一端に触れた感覚でした。(給与を支払っているわけでもないし、プライベートの時間にしか活動できないので、一般的な雇用よりも逆に制限も大きいといえば大きいのですが…)
SWオーガナイザーの資格要件として、「3日間のSWイベント参加経験」があるのも改めて納得でした。あの場の共通価値体験がなければ、どうしても細かいところでの場の創造に向けた共通認識が持てなかったでしょうし。

裏話③オーガナイザー≠イベントスタッフ

ここ最近のSW北九州の課題として、オーガナイザーの人数が多かったことにより、イベント当日の運営スタッフ的な役回りの方々が傍観者的になってしまっている点がありました。
これはその方々に責任があるというよりは、そのようなオペレーションにしてしまっていた側の責任として反省しているところです。

SW当日は、原則的には3日間の見学は(たとえお金を積まれようが)お断りしています。これは、せっかく(一般的な同種のプログラム参加費と比べると安価とはいえ)参加費を払って、本気で熱中している方々に対して、それを外側から眺めて学ぶ、というようなスタンスは、敢えて表現悪く言うと動物園の行動展示として眺められているのと変わらないためです。誰も猿山の猿になりたくて参加しているのではありません。

原則的には、と書いているのは、コーチの方にはご自由に見学してください、と言ったり、参加者として申し込んだもののチームとして参加したいところが見つからず3日間を会場で過ごす、というケースも存在するからです(3日間の参加費は食費なので、チームに加わる義務はなかったりします)。

その様な環境において、オーガナイザーが単なるスタッフとしてその場に存在したら、参加者からはどう映るでしょう?傍観者とまではいかないまでも場にとっては必ずしもプラスとは言えないかもしれません(もちろん、スタッフとして動く部分は大いにプラスです)。

こうしたことから、SW北九州vol.10では、運営にまわるのは最小限の人数にして、他のオーガナイザーは積極的にイベントに参加していただくこととしました。(最小限の人数での回しにご協力いただいたオーガナイザーには改めて感謝)

その結果として、各チームには概ね1~2名のオーガナイザー経験者が入ることとなり、プログラム運営の観点だけでなく、各チームの参加体験にもかなりプラスに働いたのではないかと感じています。
オーガナイザーである前にイベント参加経験者なので、3日間の過ごし方がよりブラッシュアップされたのではないかと思います。
この方式(積極的に参加者にまわっていただく)は今回だけでなく一般的にしていきたいですね。

おわりに

色々書いていたら4千字を越えたのでいったんここまでに。
今回はSW北九州vol.10の裏話として書かせていただきましたが、当然のことながら、SWの運営としてこれが正解、という事を言いたいわけではありません。
その時々の状況に応じて何が最善かは変わるでしょうし、何より重要なのは、自ら考えて実施すること。「あのコミュニティではこうしていたから」といって目の前にいる方々を無視してマネしても上手く行くはずがありません。
今回、50名の方々にご参加いただき場を創れたのは、何よりオーガナイザーの皆さんのおかげです。ぜひSW北九州をさらに盛り上げていっていただければ幸いです。
SW北九州オーガナイザーとしては一区切りですが、相談いただければお答えしますので。あとは振り返りイベントもありますので、またお会いできることを楽しみにしています。


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