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やっぱり音楽は楽しいって


チューリップの垂れて見つめる鍵盤で人差し指のド・ド・ラ・ソラ



先週の木曜日、次男をピアノの体験教室に連れて行きました。

その帰り道、車の後部座席に座った次男が「やっぱり音楽は楽しいな。」と言いました。


🍒


この春に中学2年生になった次男は、軽度知的障害があります。小学校の高学年からはてんかんの発作が出るようになったので、現在薬でコントロール中です。それでも、まだ数か月に一度は発作の出ることがあります。


春休みに入る前、支援学級の最後の懇談会で、担任の先生から

「次男さんは、この1年でいろいろなことができるようになりましたね。家での手伝いを増やしたり、何か習い事をしてみるのはどうでしょう。」

と言われました。
次男は部活に入っておらず、2年生でも入らないと言うので

「そうですね。」

と、私はさわやかな笑顔を先生に返したのですが。が。ががががが。


心の中では、、

「次男が習い事したほうがいいことなんてずっと前から知ってるーー。
先生だってさっき次男のこと、中身は8歳くらいですねって言ったとこやに。次男に手伝いさせることも習い事を探すのも(私が)かなり大変なんだよぅ!」

って、弁解やら開き直りやら、いろーんな私の泣き言がぐるぐる渦巻いていました。



でもね、、アイアンダースタンなのよ。

あーー。そろそろもう一回やらないとって私も思ってたとこさ。次こそはうまくいくかもしれないんだから。


次男が保育園からやってきた(やってみた)習い事は、体操教室、エレクトーン、スイミング、絵、ダンス、合気道あたりです。もう忘却の彼方へ追いやった習い事もあったような。

次男が習い事の時間中ずっと、壁とだけ向かいあって一言も発しなかった、というのが一番私が冷や汗をかいた出来事で(これは体験だけで通わなかった)、次男の習い事はだいたい半年くらいで終わりになります。
スイミングだけは3年くらい続けられたかな。
(強制的に習い事へ連れて行ったことはいないです。状況を見て、ある程度の誘い掛けや促しなどはしましたが、、)

次男は、とてもゆっくり理解していくことや、筋道だてて話すことが苦手、体を使うのに不器用さがあることを習い事の先生に説明して、さらに、小学校中学年までは排尿コントロールも不安定だったので、そのあたりも先生に理解していただく必要がありました。それでも次男の習い事は予期せぬことが起こるので目が離せなくて・・私のハラハラは続くわけで・・

思いもよらず叱られてしまったり、育児指導?を受けたり、生活改善のアドバイスをいただいたり。

・・OOh!アタシ思い出すだけで疲れちゃう!!
(↑この辺りは私の過去への愚痴と弱気な心の発露です。読みぐるしくてごめんなさい。すっきりしたくて書いてしまった!(*ノωノ)ミンナ‐ゴメンネ)


この程度のことでへたれていてどうするのってことなのだけど、わかっているけど!次男の習い事って、私がけっこうエネルギーを使うので。最近はてんかんのことも気を使っているしさ。迷惑かけたり指導されたり、正直言うと気が重くてさ。。

でもでも、これらはすべて『これまでの次男は』という話だからね。


さあ、とにかく!

今の次男を理解してもらえる塾を探そう、という気持ちをかき集め、ネットを眺めたり人に聞いたり、しばらくして、良さそうな個人レッスンの音楽教室を見つけました。これは次男が学校で習った合唱曲を家でも楽しそうに歌っていたことや、学校でも合唱練習を張り切っていますという担任の先生のお話から選びました。

次男に習い事を提案すると「僕は家でゆっくりしたい」「ピアノなんて弾けないよ」と言いましたが、私と夫の説得?熱い応援により、しぶしぶ「じゃあ行ってみる」と言ってくれました。

「僕できないよ。どんな先生?その塾に他の子はいない?(他の子がいると緊張してしまうから)」と何度も言う次男の気持ちに、私は切なくなってしまったのだけど、だからこそやらねばならないのだ!と自分の気持ちを再度奮い立てて、チャレンジする。


あらかじめ電話で事情を説明して体験教室へ。三者初対面。
先生は、長い間小学校の先生をしていたという、ハツラツとした女性の方でした。

次男を上手に誘導してくれて、ドがどこにあるかもわからなかったはずが、30分もすると、右手の人差し指だけで、鬼滅の刃の主題歌2小節ほどを弾いていました!(ものすごくたどたどしく、やたらと一音一音に力の入った演奏が好感度激高でした)


途中、次男がピアノから顔を上げて、「クラスの子に、僕ピアノの練習をしてるって言うよ。」と満面の笑みで言ったので、先生が「お!いいねー!」と言っていました。
終わりがけに「先生、僕来週も来ます!」と次男が自分で決めました。

その帰り道、車の後部座席に座る次男が「僕、やっぱり音楽が好きやな」と言ったのです。

私は、体験教室の間、次男がメロディのようなものを弾くだけで、積極的に先生に習おうとしている姿を見ただけで、もう涙ぐんでしまっていたのだけど、その言葉を聞いたら、いよいよ泣きそうな気持ちになりました。


🍒


次男の世界が広がること、好きなことが増えること(今はゲームとテレビアニメが好きみたい)家族以外の誰かとのつながりをもってくれること。

私が勝手に、次男の将来(親がいなくなった後)を心配している分、次男に起きた前向きな変化は、ささいなことでも強烈に嬉しいです。
このままうまくいってほしい、といつも強めに願ってしまって、それから、多くを求めるな、期待しすぎてはだめ、とブレーキを踏みます。


次男は意外とまじめな性格なので、あれから毎日自主的にピアノに向かっています。「今日は5回弾いた!いやもっと弾いたと思う!」なんて誇らしそうに言ってくれるので、なんだか今回の習い事はうまくいきそうで、私はホクホクしています。
(久しぶりに短歌を作れたところに私の嬉しいが溢れているでしょう・・)


読んでいただき、ありがとうございました!

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