青空に映える
蒼々眩い
ソメイヨシノの並木道を
ウキウキ散歩

乾いた黒豆大の
サクランボが
かくれんぼ

ふっくら炊けた黒豆煮みたいに
艶々の漆黒のは甘そう

紅の実は可愛らしい

スマホを高く掲げて近寄ると

下ろしたての靴底に
懐かしい感触が　。。。

ウッ、と足を上げると
ビヨーンと伸びた。

ウンのつく方でなくて
運がついてた。


道にガムを吐く愚かな人よ

たまには空と緑を見上げて
歩いてごらんよ

靴底とアスファルトから
何とかガムをはがして
リュックのポケットに収め

今度はわたしが
下を見て歩く

あちらにポトリ
こちらにポトリ

舗装したての黒い道
漆黒のサクランボ
かくれんぼ

所々、人に踏まれて潰れてる

やわらかく瑞々しい
黒い実を拾い
「鳥さん、お食べ」と
白い路肩に置いてトボトボ
散歩はおしまい

さあ、そろそろ帰って
発酵あんこを混ぜてあげよう