見出し画像

胃がんで見つめ直した「元気で長生き」の大切さ。


この1年間、人間ドックや健康診断など、
定期的なカラダのチェックの大切さについて、
お話ししてきました。

医師として、1人でも多くの方に
自分の身体の状態を把握してもらい、
病気の早期発見や、早期治療、
そして予防につなげてほしい。
それから、元気で長生きをしてほしい
という思いがあるからです。

そこには、
胃がんという病にかかった、
私個人としての思いもあります。

リスクがないと思っていても、胃がんになる。

胃がんには、どんな人がかかりやすいのでしょうか。
まず、シニア世代は要注意です。
昔の日本はそれほど衛生環境が良い暮らしではなかったため、
生活の中でピロリ菌に感染し、
慢性的な胃炎から、長い年月の間に
胃がんに変化することがあります。
ピロリ菌の除菌をしたとしても、
除菌をするまでは慢性的な胃炎にさらされていたため、
やはり弱っている状態ですので、注意が必要です。
喫煙や塩分、アルコール、辛い物など、
胃を刺激する食や生活習慣も気をつけるべきです。

そのような胃がんのリスクがなかったとしても、
胃がんになることはあります。

私は2年前の人間ドックで、
早期の胃がんを発見しました。
胃にピロリ菌がいないこともわかっていましたし、
煙草も吸わない、お酒も飲まない、野菜をよく食べる、
まさに健康的な生活を送っており、
リスクのなさには自信がありました。

胃がん。
とても驚きました。

健診の大切さを忘れず、元気で長生きを。

幸い、私の場合は、現在の生活に影響はありません。
それは、早い段階で発見し、
早期のうちに取り除くことができたからです。

がんは、誰もがかかる可能性があります。
生活習慣を整えるなど、予防を心がけることも大切ですが
それと同じくらい、早期に発見することが大切なのです。

まずはピロリ菌がいるのかいないのかを調べましょう。
これは比較的簡単にわかります。
採血という方法もありますし、
尿素呼気試験というものもあります。
ピロリ菌がいれば、除菌です。
薬を飲むことで除菌ができます。

それから、ピロリ菌にかかわらず、
40代からは胃がんになる確率が高くなりますので、
定期的に胃がん検診を受けてほしいと思います。
検診には、バリウムを使用するレントゲン検査と、
内視鏡検査、いわゆる「胃カメラ」があります。
オススメしたいのは、
胃の中を直接見る胃カメラです。
「胃カメラは苦しいから」
と言う方の気持ちも分かるのですが、
検査を避けてきた結果、
生活が変わってしまったり、
命を落とすようなことになってはいけません。
通常の胃カメラよりも細い管を鼻から入れたり、
麻酔を使用して寝ている間に検査するといった、
負担の少ない検査方法もありますので、
おかかりの健診施設で相談してみてください。

誰もが病にかかる可能性があること。
病を早期に発見し、早期に治療すること。
定期的に人間ドックやがん検診を受けること。

これらの一つとして、忘れていいことはありません。
春は、新たな始まりの季節です。
健康について考える習慣をつけ、
一緒に、元気で長生きを目指しましょう。

解説:相澤健康センター 副センター長 髙木健治

相澤健康センター エフエム長野oasis79.7