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会津身しらず柿の1年

会津のブランド柿「会津身しらず柿」雪深い冬場と夏場の太陽の光をいっぱいに受けた肥沃な畑で育った
甘くて栄養たっぷりの柿がどのように育っていくのかを1年間追いました。

まだ雪が残る中、剪定作業は始まります。

まだ雪が消え切っていない3月上旬、今シーズンの作業が始まります。まだ寒さが残る中、枝の剪定作業が始まります。この時期でも最低気温はまだマイナスになるときもあります。雪の重みで折れてしまった枝や、枯れてしまった枝、将来的に大きな実をつけるときに邪魔になりそうな枝を払い落していきます。上に伸びている細めの枝が昨年伸びた分。これ以上上に伸びないように切り落としていきます。
農家さんによって剪定のクセも出てくるようです。
まだまだ雪解けで畑の土もぬかるみだらけ。雪も残っています。足元の悪い中防寒と長靴で対策をしながら、1本1本剪定をしていきます。

柿の花。なんとなくヘタになりそうな緑も鮮やか

6月になりました。柿の花も咲いてきます。会津の春は遅く、GW明けくらいからだんだんと霜が降りなくなり田植えが始まり、種まきが始まります。木々が芽吹くのもちょうどそのころからです。
最近は異常気象もあり、暖かくなって桜が早く咲いたと思えば遅霜があったりと、農家さんの頭を悩ませることが次々と起こっているそう。
そして花が咲き始めてきたら、摘花作業が入ります。実を大きくするために分かれた先に1つだけ残して摘んでいきます。将来的に実が大きくなった時、日がよくあたるか、枝にぶつからないかなど考えながら摘花していきます。
画像は摘花前のものです。

傷一つなくすべすべつやつやなお肌。うらやましい

7月になりました。実もだんだんと大きくなってきています。まだまだ青いですが、肌がつやつやでとても美しいです。この段階でも見回りを行い、最終的に4L~5Lになった時に他の実にぶつからないか、枝に当たらないかをイメージしながら剪定や摘果の微調整を行います。

少しづつ色づいてきます。

9月に入りました。このころは気候も安定しているので、太陽の光をいっぱいに浴びて少しずつ色づいています。同じ集落の柿農家さん達と協力しながら、肥料散布などを持ち回りで行っていきます。

葉っぱは地面についてる木もあります。

10月下旬、いよいよ収穫作業です。名前の由来になっている通り、「親の枝をも折りそうなくらいの身の程知らずな大きな柿」に育ってきました。中には地面すれすれまで重さで垂れ下がっている枝もあります。後述しますが身しらず柿は渋柿で2週間くらいかけて渋抜きをしていきます。夏過ぎ位から発注が相次いでくるため、納品日に合わせて逆算しながら収穫をしていきます。

ずいぶん大きくなったのが手の大きさを見てもわかります。

色づきや大きさを見ながら、一つ一つヘタの先まできれいなオレンジ色まで色づいているか?確認しながら収穫をしていきます。柿は傷つきやすい果物なので、軍手をはめて優しく丁寧に背中に担いだかごに入れていきます。

この時期になるとスーパーでも売られます。

会津には柿農家さんご用達の「渋抜き用ホワトリカー」が販売されています。これも会津で長い歴史を持つ「花春酒造」さんのホワイトリカーです。「うちでは昔からこれで渋抜きをしているんだ」と話されていました。まずは専用のはかりでサイズ分けをし、コンテナに敷いた新聞紙の中にきれいに並べていきます。段ボールに新聞紙を敷いて柿を入れるところもありますが、この方が通気性があってうまく渋が抜けて長持ちするのだそうです。

そこに、花春酒造の焼酎を回しかけ、新聞紙のみで蓋をします。
お酒をもらって輝きを増す柿たち

この状態で2週間ほどかけて渋を抜いていきます。この時の湿度と温度管理も大切です。いろいろと試行錯誤した結果、母屋のリビングが一番適していたとのことで、この時期はリビングにコンテナが高く積み上げられているそうです。「コンテナを後ろに夕食食べてます」とお話しされ笑っていました。
2週間たち渋が抜けたら開封し、一つ一つ検品をして箱に詰めて発送します。そのため到着後すぐに美味しい柿が食べられるのがここの農家さんの特徴であるといえます。黒くできたスジが焼酎で甘く渋抜きされた証拠でもあります。

丁寧に検品されて発送されます。お楽しみに!
種無しの甘い柿です

みなさんもぜひ機会があれば食べてみてくださいね!

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