FF15 AI本の感想のようなもの

FINAL FANTASY XVの人工知能-ゲームAIから見える未来-を読みました。

意気揚々と書き始めたものの、まとまった文章を書くということが死ぬほど苦手です。ダイマを挟みつつ思うままに書いていきたいと思います。

※本編のネタバレを多少含みます


▼全体の感想

世界そのものへの没入感、キャラクターの「生きている感」は、FF15の魅力として挙げられることが多いですよね。

私自身もFF15は「体験」をくれる、まさしくロールプレイングゲームなんや〜とかエモーショナルRPGなんや〜 みたいな思いの丈をツイートしたことがあったようななかったような気がします。

それらの感覚を得られる仕組みは本当に色々な要素で構成されていて、このAI本はそれをわかりやすく解説してくれています。帯にある通り、レシピです。

これを読むと今後ノクトたちをAIと思ってしまうのでは…とご心配の方もいるかと思います。私もどちらかというとそうでしたが、読み終わった今でも彼らは変わらず私の旅の仲間であり友人です。(個人差はあると思います)

読み終わった時に「買ってよかった」と思わせてくれる一冊でした。AIどころかゲーム制作に関する知識にも全く明るくない自分でも(だからこその可能性もあるけど)満足感が限界突破しています。

FF15を愛する全ての人にぜひ読んでほしいです。


▼内容について

私が特になるほどと思ったのは何気ない「振る舞い(しぐさ)」。

会話相手のいる方向に頭だけを向けたり、ライトを向けたら眩しがったりする等の本当に何気なすぎるモーションの数々。もし現実で目の前にいる人間や街中ですれ違う人たちがしても注目することはまずもって無いような、なんなら「ゲーム」上だけで言えば本当に無駄な動作。

だけど「FF15」においてそれは決して無駄に留まるものではなく、このようなAIを利用した細かい要素の積み重ねこそがノクトや仲間たちの息づかいを現実にほど近いものにしてくれます。グラフィックのリアルさだけでは決して表現しきれない領域だと思います。

(余談ですが、「すべきことしかしないのは最も人間らしくない」と太字で書かれていた一文が個人的にはかなり印象に残っています。)


「言われてみれば」レベルのことばかりでも、自分の癖に自分で気づきにくいように、当たり前をメタ的に認知するってそんな簡単なことじゃないんですよね。

それらをきちんと理屈として紐解いて、さらにAIを組んでゲーム上に出力するっていうんだから、ボヘ〜っと生きてる私からしたらほげぇ…って感じですよ。なんぼリスペクトしてもし足りない。

勿論リアルさを構成するものは動作だけではなく、歩く時の距離感だったりNPCの配置だったりその他諸々、本当にあらゆるものがAIで制御されているんですが、全部を事細かに引用するわけにもいかないので買って読んでくださいね。


余談その2。

仲間AIのチョコボジャンプのくだり。これはわりと最近身に覚えがあります。

15コラボをやるためにFF14を一から始めた折、FATEで死にそうになっているのを通りすがりのヒカセンが助けてくれたことがあって。お礼のチャットが打てたらよかったんだけど、MMOとかほとんどやらないぼっ…ソロゲーマーなもんですから、咄嗟にできた意思表示って仰る通りジャンプなんですよね。

あまり人とゲームの話を共有しないので、これあるあるなんだ〜と思ってほくそ笑んでました。一人で。


▼以下、読みながら殴り書きしてたメモ(の一部)とクソ雑感想

・イリスはノクトが気になるのでずっとフレンドターゲット ←システム上のこととはいえかわいい

・メタAIによる制御がないとノクトがピンチになった時みんなして駆け寄ってきてバカっぽくなる ←これはこれでかわいい

・魔導アーマーは本体やミサイル、機銃などパーツごとに別々の動きができる ←ハイテク

・コストもハードルも上がり続ける中お金労力人材がクオリティと比例して必要になる ←当たり前なことだけど忘れられがち

・汎用性高いAIがあればコスト削減できてゲーム自体の「おもしろさ」に注力できる ←AIは未来のゲーム開発の希望なんだなあ  みつを

・Smart Locationすげえ ←本当にすげえ

・NPCの行動設計 初期段階はレスタルムで400人を生成/制御 ←ヤバ

・延々と技術との追いかけっこ ←確かに

・独り言以上会話未満 ←なるほど

・会話の質と量のバランスの取り方←頭いい (頭悪そうな感想)

・子モルボルが逃げていくように見せかけて実は距離をとってノクトについていこうとしてる(フォローモードの応用) ←かわいい

・写真や食べ物はもともとあまり計画していなかった ←マジか


NPCの行動設計だとかプちゃんがシャッターを切るトリガーだとか舞台裏的なところを知ることができてめちゃくちゃ楽しいし、AIの汎用だとかインタラクティブ・ストーリーテリングに関してはこの先どんなゲームが生まれてくるんだろうというワクワクでいっぱいになります。

そして何より「挑戦」の姿勢。伝統は大事なものですが、何においても新しい風が吹かなければ廃れるものです。現状に甘んじず未来を見据える姿勢に携わった方々のゲーム愛を勝手に感じて胸が熱くなりました。ゲーム愛のある人大好き。


想像通りざっくり&ごちゃごちゃした感想になりましたが、本っっっっ当におすすめしたい一冊です。ぜひ買って読んでください。大事なことなので何度でも言います。

買って読んでください。

違法なルートで読んだりしたらプティウォス遺跡クリア目前で電源が落ちる呪いをかけます。


小説の電子書籍版買ったのでそれ読んだらまた感想書きたいと思います。紙の方も特典付きのを予約で買ったんですけど指紋つけたくなくていまだに開けられない。

おわり


(2019/12/20 少し書き足して編集しました)

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