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イメージと違う

2022/09/16

 絵本や何かのお話に出てきて、わぁ美味しそう!と思うのだけれども、実際に食べてみたら、あれ?こんな味だったかなぁ、想像の中のアレと違うな……と思う食べ物があります。そのひとつが、ハチミツです。



 見た目も黄金色でトロリといかにも美味しそうなハチミツ。『ゆうちゃんのみきさーしゃ』や『くまくんのはちみつブンブンケーキ』などを読むと、ハチミツが食べたくて居ても立っても居られなくなるのですが、いざハチミツを舐めると、私が求めてるハチミツはこうじゃない、という気がしてしまいます。



 ところが今年の春ごろ、私が思い描いていたのはこれだ!というハチミツに出会いました。高級食材を扱うスーパーでたまに見かけるあれ、ハニーコームです。娘が「友達とお金を出し合って買って一口ずつ食べてみたらすごく美味しかった」と言うので、私も買って食べてみたのです。




 繊細な和菓子のようにナイフで食べやすい大きさに切ってそうっと噛むと、じゅわっと蜜が流れ出て、くどくない爽やかな甘さが口いっぱいに広がります。これ、これ!と思って、プレゼントやお土産用に常備しておこうと、たくさん買いました。



 「気にはなっていたけど食べたことがなかった!」という人が多くて、この贈り物は大正解でした。



 アリゾナに旅行した際、現地の養蜂場直売といういかにも美味しそうなハニーコームを買いました。家に帰ってからいただいてみると、どうしたわけか、あのハチミツ独特の臭みを感じます。結局、メーカーによって例外はあっても、たいがいのハチミツとはやっぱりこういうものなのではないか?と思います。



 ちなみに、私がこの世で一番好きだった“蜜”は、子供の頃、お留守番の時にこっそり舐めた、シロップ状の浅田飴です。



 要するに、私が好きなのはお砂糖なのではないか?という気もします。







 もうひとつ、幻を追い求めてきた食べ物が、チーズです。食べる度、イメージと違う、もうちょっと美味しいのがあるんじゃないか?と思ってしまいます。



 私世代には多いと思いますが、イメージの根源は、ハイジのアルム爺さんが溶かしてパンに落としてくれたあのチーズです。これまでたくさんのチーズを食べて、カマンベールやブリーなど白カビ系にはまった時期もありましたが、基本的に私はチーズが好きではないんだろうと諦めていました。



 ところが先日、イタリアに行った際、これは!!と思わずメニューをメモるほど好きなチーズに出会いました。Burrata(ブッラータ)というフレッシュ系のチーズです。丸いお豆腐のようなモッツァレラの中にクリームが詰まっていて、ナイフで切ってトロリと流れ出たところを生ハムやメロンに絡めて食します。アメリカに帰ってきてから、いつも行くスーパーのチーズの棚をあらためて見たら、ありました。ドレッシング代わりに野菜に添えて、オリーブオイルと塩コショウをかけていただくのが定番になりました。





 ただ、これはチーズというよりも生クリームなのではないか?チーズ好きはブッラータをチーズとは認めないのではないか?という気がしなくもありません。



 もっとチーズらしい、チーズ好きに胸を張って言えるいわゆるセミハード系チーズで私が好きなのは、Havarti(ハヴァティ)という名前のチーズです。これもチーズの中ではとくにマイルドでクリーミーな味なので、結局、私が好きなのは生クリームなのかもしれません。

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