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たくさん笑ったから許す

2020/01/11 08:49

  元旦は、娘の誕生日です。2020年の今年は、17歳のお祝いをしました。



 アメリカでは16歳の誕生日をsweet 16と呼んで特別盛大にする風習がありますが、私は個人的に、17歳という年齢の方が思い入れがあります。というのも、私が初めて聴いた洋楽、ABBAの『ダンシングクイーン』に、

🎶 Dancing Queen

Young and sweet

Only seventeen 🎶

という歌詞があるのです。



 中学生になって定期券を持って電車通学をしている私。

 ウォークマンを持って歩く私。

 歌謡曲じゃなくて洋楽を聴いている私。

 そんなはち切れんばかりの自意識に17歳という言葉はとりわけ素敵に響き、実際に17歳になった日は、この曲を脳内でリピート再生しながら踊りまくりたいような心境だったのを今でも思い出します。



 そういうわけで、娘の17歳の誕生日を素敵に演出してあげようと、17という数字がデザインされたパーティー用ティアラとミスコン風のピンクのサッシュをネットでオーダーしておき、元旦の朝、娘が部屋から出てくるのを見計らってダンシングクイーンをスマホで流し、ティアラとサッシェで迎えたのでした。



 娘は大手アイスクリームチェーンのミントチョコアイスが好きで、誕生ケーキは毎年ここからオーダーするアイスクリームケーキと決まっています。大きさや形、デコレーションのオプションは無数にあるので、オンラインカタログからデザインと中のアイスクリームとケーキの種類を選び、オーダー予約しておきます。


 今年選んだのはこれ。娘が小さい頃あんまりおてんばなので、「サルみたい」なんてからかったものです。



 大晦日の午後、私はおせち作りで忙しいので、いつものように夫が受け取りに行きました。元旦の午後。いつものように、そろそろお腹のおせちとお雑煮がこなれたか?という頃、ガレージの冷蔵庫に隠しておいたケーキをこそこそと出してきました。箱を開けてご対面したケーキに、どこか違和感が。





 雑!なんという素人仕事!

 こんなにブサイクなものオーダーしたっけ?と思いながらも、アイスクリームなので解けないよう、手際よく儀式を進めます。




 食べきれなかった分は、プラスチック容器に入れて冷凍庫へ。




 翌日、おやつに頂こうとしたら、カチカチに固まってて歯が立ちません。




 「なんか可愛くない」という心の声を読まれ復讐されているかのように、どんどんホラー化してきました。包丁に抗うその様に寒気さえ覚えたのは、更年期で自律神経が不安定とはいえ、気のせいではありません。





 数人がかりでなんとか切り分け、大急ぎで腹の中に収めた時には、妙な達成感と征服感に満たされました。





 17歳のバースデーケーキ、素敵な演出からはだいぶかけ離れてしまいましたが、家族でたくさん笑ったので、良しとします。

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