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人が嫌い

「ドンドンドンピンポンピンポンピンポン」
夜中3時過ぎ。
玄関のドアが壊れるのではないかという程の
激しい音で目が覚めた。
一瞬で恐怖に包まれ全身が震えた。
ほっておけば止むかと思ったが全く止むどころか
激しさを増してゆく。
恐る恐る廊下に行き「どなたですか?なんですか?」
「いいから!!!開けて!!!」
「こんな深夜になんなんですか?」
「深夜とか関係なくて!!!」
相手は物凄く怒っていた。
兎に角怖かった。本当に怖かった。
覗き穴を見ると白い服を来た人が3人。
「いいから開けて!!!」
開けると「下の人が灯油が上から漏れてくるって
連絡きて部屋見せて」
消防の人だったのだがそれを知ったのは割と話した後だった。
なんの断りもなく全ての部屋を見て
「あれ?漏れてないし臭くないなぁ」
「じゃぁ」
と帰って行った。
全く謝る事もなく終始怒り口調で
勝手に部屋中を見て
そそくさと帰って行った。
怒りと恐怖が混ざり泣いた。
ど平日のそんな時間。
発達障害の息子は朝はやく起きてきて
泣きながら「怖かった…」
と学校を休む事にした。
朝の8時また怒涛のピンポンとドアが壊れるようなノック。
もう無理だった。限界に精神が壊れていた。
きっと納得のいかなかった
下の階の人だろう。
そのおじさんはアル中のような人で
以前にも水が漏れてるという苦情が来たが
原因はやはりうちではなかった。
その日から私はお腹を下し、物音に過敏になり
寝不足が続いている。
本当に本当に怖かった。
誰かに刺され殺される事だけが頭をよぎっていた。
今はチャイムの配線を外している。
元々音が苦手でスマホもバイブにしかした事がなく
イヤーマフをつける事もある。
私の住んでいるところは団地なので
市役所からも電話が来た。
消防がうちが原因ではないと
言っていたのに確認しに来たいと
私は家に人を入れるのも無理だし
もう精神が崩壊していた。
電話も何度も鬼電のように分おきにかかってきたので
仕方なくでるとそういう旨を言われた。
私の家にかけてきた理由は
どうしても私の家のせいにしたいのだと思う。
そうすれば下の人の修理費用は私もちになる。
以前もそうだった。
結局何度見てもうちに非がなかった為
市役所が費用を持ったのだろう。
私は震える声で消防の方は
うちで漏れているところはなく
うちが原因ではないと言ってました。
「でも行きます」
「私はうつ病で人に会うのは病院に行く時くらいで
本当に無理なんです。消防の方も、うちではないと…」
「いやでも行きますんで!!」
「…この辛さを分かってくれるはずもない
マニュアルしか話さない冷たいその口調、昨日の恐怖
親からの虐待のフラッシュバックで泣いてしまった。
電話の向こうで笑いながら
「泣いてるんだけど 笑」
という言葉が聞こえてきた。

    辛い…
    苦しい…
    死にたい…

もう切ります。と電話を切ると
やはり役所の人は来た。
ドンドンと激しいノック。
布団に潜り、イヤーマフをつけ
帰るのを待った。

どうして、私の家に非がないと分かってもまだ
しつこくくるのか。
どうして役所の人間はこうも人の心がないのか。

本当に人が苦手だ。
本当に人が嫌いだ。

今日も眠れない。

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