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また君に会いたい

此度は『春うらら』と銘打ってのサクラ大戦アコースティック音楽会でした。開花予報に連れ添うように、満を辞して桜の季節に開催。秋だったり、クリスマスだったり、折に触れては時節を盛り込んだ公演内容だった音楽会も、タイトル回収とばかりに桜/春の要素をふんだんに取り入れたものとなった。

二日間の全4公演。その日ごとの昼夜とゲストさんに応じて変わる”一度きりのセットリスト”ということもあり、どれか一回しか観られなかった方も、続けて観られた方も、どこを切り取っても特別感に溢れている。
演奏する側としても、地続きではないので良い意味で”こなれていかない”。この緊張感が恋しかった。

愛しくて、楽しくて、幸せで、たまらなかった。

ご来場いただきました皆々様、画面の向こうで楽しんでくださった視聴者の皆々様、関係各位に心より感謝御礼申し上げます。

今回、今までと大きく違ったのは『声出しの解禁』。ファンにとっては”お馴染みの合いの手”だ。最初はおずおずと様子を伺いつつ、少しずつ少しずつ熱が高まっていくような客席の様子/空気も、未曾有の大混乱で奪われてしまっていた”日常”が帰ってきた実感を改めて肌で感じられて、感動はひとしおだった。
泣きながら歌っている人、踊っている人、満面の笑顔、感慨深いような表情、たくさんの感情が満ちて、溢れて、郷愁のようなものを感じたりもした。

恥ずかしながら、本当に恥ずかしながら、僕は毎年泣いている。

初日ゲストは折笠愛さんと伊倉一恵さん。
二日目は渕崎ゆり子さんと伊倉一恵さん。
大好きな帝都浪漫楽団 with ゲストの向井志門さんと!

アコースティックの枠を飛び越えて電子機器をふんだんに用いたりもしているのだけれど、その辺りはご愛嬌。ファンの方々にとって耳馴染み深い『あの曲のあのフレーズ』たちを再現するために、ああでもないこうでもないと長い時間をかけて創り上げていく。リハーサル初日を迎えるもっと前、選曲打ち合わせの日から、僕たちの音楽会は始まっていて。
それぞれのアイディアや技術で、偉大過ぎる名曲たちと歴史に立ち向かっていく、その研鑽の日々、重ねた苦労も丸ごと報われた二日間でした。

本番が近づいてきてサクラモードに没入すると寝ている時でも頭の中で曲が流れていたりする。加山が言うところの「幸せだなあ…夢の中までお前と会えるなんて…」というやつ。君あるがためネタ。

改めて。

はじめましての方は、はじめまして。
帝都浪漫楽団・打楽器担当のAkht.(あくと)です。

96年9月27日に産声を挙げた原典『サクラ大戦』から、新サクラ、サクラ革命に至るまで、現役ファンの一人でもあります(※重度のゲーマー&SEGAファンでもあります)

既に僕を知ってくれている人は、SEGAのソニック・ザ・ヘッジホッグシリーズの主題歌やサントラを演奏しているバンド、Crush 40やSONIC ADVENTURE MUSIC EXPERIENCEから、の人が多いのかな。
ほか、チェインクロニクルやぷよぷよ、PSOシリーズなどでもドラムを叩いていたりします。
一緒に育ってきた自分の血肉も同然の作品たちに仕事として関わるようになり、自分がプレイしてるゲームから自分の音が流れてくるという、望外の人生を歩ませてもらっています。

2000年のTVアニメ版『サクラ大戦』から24年経過した今もなお「夢見ていよう」をはじめとした各楽曲を聴き続けている者でもあります。聴き過ぎだろ
浪漫楽団に参加する頃にはキャリアも2桁を超えていたので、流石に「わ、わ、わ!!本物!!!」みたいなミーハー丸出しなことにはならなかったのだけれど。冷静に振り返ってみると夢のつづきが過ぎる人生だ。ご縁に感謝。

桜の季節なのでバスドラムのヘッドをアレンジしてみた。
バックバンドの一員、黒子のような存在とはいえ、携える楽器もまた舞台装置の一つであると思いますれば。

ちなみに今回のセットリスト、個人的には過去最高難易度。そも、公平先生の楽曲で難しくないものは存在しないんじゃなかろうか。ニュアンスや表現力は常に突き詰めたい課題として付き纏う部分ではあるのだけれど、単純にドラマーとして要求される技術値が高い&ドラムセットとパッドの組み合わせが今まで以上に必要、という部分で、それはもうやりごたえ満載であった…けれど、自分にできることは全力で最大限やり尽くしたと思えるので良し。
お客様に楽しんでいただけたら何よりであります。

曲を準備するにあたって僕がやっていることは、リズム譜の採譜だけでなく
・他のパートのフレーズ/アクセントを書き込む
・歌詞を書き込む(なるべく歌いながら叩く)
・当該曲が収録された歌謡ショウ/映像作品を見直す
・前回の音楽会を見直す
などなど。
この準備期間もまた楽しい。
必要に応じてパッドの音色、即した音色の楽器/ヘッド/シンバル、パーカッション類も組み上げていく。スティックだけじゃなくロッドやブラシ、マレットも使うのでそれらも準備。

舞台上での配置の都合上、歌っている人越しに、曲を口ずさんだり譜面を睨んでいたり周りを見渡していたりする僕が見切れてしまっていて「視聴の邪魔になってないかなぁ」と少し心配していたりもする…単純に恥ずかしい。


運命の悪戯で此処に僕がいなければ、客席に居たんだろうなぁ、なんて考えたりする。一緒に歌ったり、踊ったり、感慨深くなって泣いたりして、サクラスタの一人としてオフ会に行ったりしていたかも知れないな、なんて。

ゲキテイのソロコーナーで毎回のように叫んでいるのは

「僕もあなたたちと同じで」
「サクラ大戦が大好きだよ」
「一緒に育ってきたんだよ」

という気持ちを、誰か一人にでも拾ってもらえたら嬉しい、と思っているからなのかも知れないなぁ。
ネタに事欠いているだけという可能性も微レ存。ドラムソロって苦手。。


配信は4/6日まで視聴可能なようなので、まだの方は是非!


「来てよかった」
「観られてよかった」

と思ってもらえる一助となれていたら何より。音楽家冥利に尽きる本懐です。僕もまた同じように、素敵な時間を共有できたことで明日への元気をもらっています。
浪漫楽団のみんなと一緒に過ごす時間、演奏する時間、智佐さんをはじめとするトップスタァの方々に背中を任せていただく誉れ。
足を運んでくださった方々、配信を視聴してくださった方々から頂戴する声、何もかもに、感謝の念が尽きません。

幸せでした。
ありがとうございました。


毎回終わると1週間〜1ヶ月ぐらいは”音楽会ロス”に陥るのだけれど、今年は良いんだか悪いんだか翌日からもずっとバタバタしていて余韻に浸る暇があまりなく。
けれど確かな「ああ、楽しかったなぁ」という哀惜と郷愁は、胸の内に灯っていて。

またいつか、この舞台に帰って来られる日を心待ちに、明日も明後日もがんばりますよー!というところでひとつ。


らぶらぶ、です。

読んでくれてありがとう。




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