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『日経大予測2000年版』徹底検証!【政治編】

日経大予測の結果検証、続けていきます。

同じ本の検証は以下のシリーズ記事をどうぞ。
『日経大予測2000年版』徹底検証!【日本経済編】(前)
『日経大予測2000年版』徹底検証!【日本経済編】(後)
『日経大予測2000年版』徹底検証!【産業・科学技術編】(前)
『日経大予測2000年版』徹底検証!【産業・科学技術編】(後)

いよいよ政治編です。早速始めましょう。

67 政局

徐々に支持率を伸ばしてきた小渕政権だが、二期目に入り景気の行方、総選挙のタイミングなど落とし穴が待ち受ける。

小渕総理は脳梗塞で在任中の2000年5月に急死。支持率が日増しに上がって行っていたので自民党はショックだったでしょう。その後首相についたのが森喜朗。失言に次ぐ失言で約1年で退陣。その後は小泉純一郎です。小渕総理の急死というアクシデントがあったので予測検証は不可能ですね。

68 政界再編

自自公連立が次期衆院選まで続きそう。しかし、それぞれの思惑の違いから、選挙後は政界再編もありそう。

自自公連立は、自由党が分裂し保守党ができたことにより、2000年4月から自公保連立となりました。この意味は、小沢一郎が与党から抜けたということです。保守党はその後自民党に吸収されて自公連立政権となり、これは2009年まで続きます。

小沢一郎は自民党も自由党も一度解散させ、政界を一新させる意気込みでしたが小渕はこれに同意せず、以降冷遇され続けます。

大きな再編は2009年の民主党による与党奪取まで待たなければなりません。

69 自民党

派閥再編は道半ば。当面は河野グループなど少数勢力の動向が焦点。将来的には後継者のいない小渕派の動向が最大の不安定要因に。

1996年の衆院選から小選挙区比例代表並立制による選挙が行われました。これにより一つの選挙区で当選者が一人となります。つまり自民党は一つの選挙区に一人しか立候補させません。今までは同じ自民党から複数人の候補者が出馬し、派閥からの応援を背景に選挙戦を戦いましたがそれがなくなったのです。そのため派閥の存在意義自体が薄れてきました。この流れに拍車をかけたのが2001年に総理になった小泉純一郎。派閥推薦で閣僚を決める慣習を完全に否定しました。

日経さんの予測は△ですかね。これも小渕氏急死のアクシデントから予測不能の事態になりました。

70 ニューリーダー

小渕政権にとっては次の衆院選がカギ。自民党が政権の中枢を担うか担わないかで自民党内外から様々な人物が登場。

この本が書かれた時点では小泉純一郎は奇人扱いされていたと思われます。しかしその後一気に国民的人気を博し総理大臣に駆け上がります。その後も国民からの人気は続き、それは息子の小泉進次郎に引き継がれています。

ある意味ニューリーダーが誕生したと言ってもいいでしょうかね。

71 日米関係

当面は良好。米国経済が下降局面に入り、日本経済が上昇局面になるような事態になれば、波風が立つことも。

日本経済はバブル崩壊の傷跡が少しずつ癒始めた時期ではありますが、日米関係に緊張が走るレベルではありませんでした。

米国の言うことを聞く政権である限り日米関係が捩れる事はないでしょう。例えば民主党の鳩山由紀夫のように対米盲従を転換しようとすると政治的に消されます。

72 日ロ関係

ロシア政局の行方がはっきりしないため、北方領土問題、日ロ平和条約交渉の大きな進展は望めない。

エリツィンはある程度前向きだったとされますが、そのあとのプーチンが振り出しに戻しました。一応日経さんの予測は○。

とりわけ北方領土問題はロシアからすると重要な対日交渉カードなのでそう簡単に進展はしないでしょう。おそらく100年レベルで進捗しないのではないでしょうか。

73 北東アジア情勢

北朝鮮はミサイル開発党軍事路線を突き進み、半島情勢は一段と不透明に。

北朝鮮はバンバンミサイルを打ち込み続けます。2011年に金正日が死去し、息子の金正恩が後を継ぎますが、彼もまたトランプからロケットマンと言われる始末。半島情勢の不透明感は増すばかり。というか危険度が増すばかりです。

74 日中関係

歴史認識、尖閣諸島問題など課題も多いが、朱首相の来日で日本の対中イメージが好転、転機を迎える可能性も。

朱鎔基は比較的日本やアメリカに対して近い印象でしたが、2002年に政界を引退しています。その結果もあってか日中関係は、殊更政治に関しては変わる事はありませんでした。あくまでも私感ですが。

75 地方分権

地方分権一括法の施行で分権実行元年に。自治体は教育、福祉などの分野で独自の条例・規制作りが可能に。

1999年に地方分権一括法が成立しました。バブル崩壊後、財政状況の悪い地方がどんどん増えてきました。そうした現状を受けて、官から民へ、国から地方へという考えのもと、地方分権が進められるようになりました。平成30年までに第9次地方分権一括法が施行されています。地方分権の土壌が整いつつあったのは事実ですが、あくまでも段階的ですね。

ただし一言で地方と言っても、過疎地域もあれば観光地もあれば地方都市もあります。とりわけ過疎地域に関しては、スマートシティ構想を進めていくなど、地方の手腕期待されるところもあります。

地方分権の結果はまだ2000年時点では検証できないですね。

76 石原新都政

最大の課題である財政再建を初年度から軌道に乗せるには都職員がどれだけ真摯に取り組めるかがカギになる。

1999年に誕生し、国政復帰をした2011年(平成23年)まで続いた石原都知事。排気ガス規制など、独自の取り組みが注目されました。

東京都議連にはドンと言われる内田茂氏がおり、絶大な力を持っていたことがその後の小池都知事誕生の時に話題になりました。当然内田氏は石原都知時代にも力を持っており、一時民主党が与党となった時に都議会議員落選をしましたが、なおその力は続いたと言います。

財政については下のグラフを見るとよく分かりますが、石原都知事時代は平成19年、20年あたりは好調でしたが、その後また悪化しています。このあたりはリーマンショックの影響などもありそうです。

東京都財政

出所:東京都の財政

77 高齢化と介護保険

2000年4月からの保険制度の導入で、介護事業は福祉ビジネスに。本格的に「サービス業」化できるか、戸惑いや懸念の声多い。

高齢化社会に本格的に突入していく中で、病院の一貫サービスだった介護が、別のサービスとして切り離されました。私の祖父母もこうしたサービスがあれば、晩年をもう少し楽しく過ごせたかもしれません。

さて、介護サービスですが、保険から成り立つ事業であるために帰省でがんじがらめになっています。最近では街にも老人ホームなどの介護施設がたくさんあると思いますが、実はいろいろな業態があります。

2000年から始まるサービスですから、戸惑いや懸念の声は多い一方で、ベンチャー企業なども熱い視線を送っています。

日経さんの予測は具体的なことを言っているわけではないので評価できないですね。

ちなみに介護ビジネスに関しては、下記の資料に非常によく纏まっているのでぜひご覧ください。

まとめ

以上で政治編は終わりです。経済関連と比べると、数値的な予測があるわけではないので予測検証という視点では難しい記事執筆でした。

2019年から振り返ると、1999年からの20年間で自民党が政権を失った時期がありました。対米隷従や官僚機構の破壊を主張した鳩山由紀夫率いる民主党政権です。しかし鳩山由紀夫が主張した内容は既得権益者にとってあまりにも都合が悪かったのか、ほとんど実現せずに終わりました。そして2012年には自民党が政権に返り咲きました。過去の政権の評価は歴史が行うとして、今を生きる私たちには日本の政治は実にまどろっこしいシロモノです。

以上、長文にお付き合いいただきまして誠にありがとうございました。

引き続きよろしくお願いします。


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