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システムエンジニアの私が、Xデザイン学校ベーシックコースで学んだこと#5(2023年9月)

こんにちは、akaです。
第5回目の講義の前半では、各チームが現在検討しているビジネスモデルの概要について発表を行いました。後半には、ユーザーインタビューの内容を分析する手法の一つである「上位下位関係分析法」の実践を行いました。

【講義後の変化①】ビジネスモデルは「作っては壊す」を繰り返しながら作り上げていくものだと気づいた

私たちのチームでは、前回の講義の後、別日にオンライン上で集まってビジネスモデルの再考を行いました。そして今回の講義でビジネスモデルを発表後、先生からフィードバックをいただきました。
講評を受けて、チーム内で話し合った結果、ビジネスモデルを改めて検討し直すことになりました。このような結果に至った要因として、以下の内容が挙げられます。

  • デスクトップリサーチとビジネスインタビューで調査した結果から、必要なデータを抽出して分析する作業が手薄になっていること

  • ステークホルダーへのインタビューが足りておらず、チーム内の議論で終わらせてしまっていること

  • 多くの人に関心を持ってもらえるような魅力のあるビジネスモデルなのかどうかという観点が抜けていたこと

  • 各業界の利害関係について考慮できていなかったこと

上位下位関係分析法のグループワークでは、ユーザーインタビューの内容から、ユーザーがそのサービスを利用する動機サービスを選ぶ際の価値観を、短い文章としてカードに抽出し、各カードのグループ分けやグループごとの関連付けを行うことで、ユーザーの本質的要求価値を明らかにしていくという手法を練習しました。
しかし、結果として、ユーザーの本質的要求価値を明らかにする段階まで辿り着くことはできませんでした。上位下位関係分析法が上手くいかない要因として考えられるのは、以下の通りです。

  • ターゲットとなるユーザー像が明確でない

  • インタビューを行なったユーザーの数が少ない(最低でも3人以上は必要)

  • ユーザーインタビューで、そのサービスを利用する動機やサービスを選ぶ際の価値観を十分に聞き出せていない(インタビュアーの質問選定スキル不足

  • ユーザーインタビューの内容から、そのサービスを利用する動機やサービスを選ぶ際の価値観を抽出できていない(分析スキルの不足

  • 各カードのグループ分けや関連付けの方法が誤っている(分析スキルの不足)

私たちのチームでは、ユーザーインタビューを行う段階で、まだビジネスモデルが確立していない状態であり、ユーザー像が明確でなかったのが要因だと考えています。
しかしながら、ユーザーインタビューの結果から、新たなサービスやビジネスモデルを考えるのは御法度とされています。
手順に逆らって無理やり形を作り上げてしまうのではなく、一旦手放して、基本に立ち返る勇気を持つことが重要だと改めて感じました。失敗を繰り返すことは、成功に近づいている証拠だと思って、粘り強く課題に取り組んでいきたいです。

【講義後の変化②】ビジネスモデルを検討する際の指標を自分なりに持つようになった

講義では、先生のこれまでのご経験から考案された「ビジネスモデルを考えるのに役立つ基準」を学びました。実際に、チーム内でビジネスモデルを検討するのに活用させていただいているのですが、何となく自分の中で完全に消化しきれていないように感じていました。
そこで、これからビジネスモデルを再構築する前に、自分なりに解釈した指標を、以下の3つのフェーズに分けてまとめました。

※この内容は、新規事業の提案を実務で経験していない私が現時点で解釈したものです。今後の講義や実務経験を積む中でアップデートしていきたいと考えています。

フェーズ1.デスクトップリサーチの分析結果とのすり合わせ
社会動向や技術動向、思想動向についてのデスクトップリサーチの結果を踏まえて、以下の条件を満たしていることを確認する。

  1. そのビジネスモデルは、将来的に社会全体が抱えるであろう課題に着目しているのか?

  2. そのビジネスモデルは、時代の流れに合った思想をベースとしているか?

  3. そのビジネスモデルを実現するのに必要な技術は、既存のものか、あるいは将来的に社会実装される見込みがあるのか?

フェーズ2.ビジネスリサーチの分析結果とのすり合わせ
ビジネスインタビューの結果を踏まえて、以下の条件を満たしていることを確認する。

  1. そのビジネスモデルによって、依頼元の企業が将来なりたい理想像になれるのか?創りたい未来を実現できるのか?(ビジョン)

  2. そのビジネスモデルは、依頼元の企業が10年先も20年先も社会に必要とされる存在であり続けるための予防策になるのか?(パーパス)

  3. そのビジネスモデルにおいて、依頼元の企業が現在保有しているアセットを活かすことができるのか?負のアセットを手放すことができるのか?

  4. そのビジネスモデルにおいて、依頼元の企業が現在保有しているデータから、新たな価値を生み出すことができるのか?

フェーズ3.ユーザーリサーチの分析結果とのすり合わせ
ユーザー/ステークホルダーインタビューの結果を踏まえて、以下の条件を満たしていることを確認する。

  1. そのビジネスモデルによって、依頼元の企業の現在のステークホルダーおよび今後ステークホルダーになりうる対象が、何らかの利益を享受できるのかどうか?何らかの不利益を被ることがないかどうか?

  2. そのビジネスモデルが目指す未来像に対して、多くの人からの共感と関心を得られるのかどうか?

あとがき

今回の講義の中で、「プロダクトやサービスは、ユーザー固有の利用状況に合わせて作らないといけない」という先生の言葉が響きました。
業務上、開業医の先生にお話を伺う機会があるのですが、開業当初は設備や広告など多くの投資を行う必要があり、導入したシステムの細部までは気が回らなかったものの、運用開始から数ヶ月経って、自分の電子カルテにある便利機能に初めて気づいた、という興味深いお話がありました。
つまり、同じユーザーであっても、開業という一大イベントの前後で求められるサービスは異なってくるということに気づきました。今後、ユーザーを理解する上で、ユーザーが置かれている状況を、時系列で追うことを意識したいと思います。

#Xデザイン学校
#Xデザイン学校2023年ベーシックコース

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