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システムエンジニアの私が、Xデザイン学校ベーシックコースで学んだこと#1(2023年5月)

自己紹介

初めまして。akaと申します。
私は、3年前にシステムエンジニアとして医療機器メーカーに入社して以来、医療業界向け業務支援システムの開発に携わっています。
開発職にとどまらず、キャリアの幅を広げたいと考え、今年の春からXデザイン学校ベーシックコースの受講生となりました。
これから、定期的に講義での学びや気づきを投稿していこうと思います。

Xデザイン学校で学ぼうと思ったきっかけ

現在所属している事業部では、製品やサービスの品質向上のために、定期的にお客様から要望のヒアリングを行っています。
あるアンケートの集計結果で、こんな意見が記載されていました。

「御社のシステムは、使っていて楽しくない」

私はハッとさせられました。
それまでは、「お客様の業務効率を向上するためにどのような機能が必要なのか」ということを第一に考えて開発に取り組んできました。
この時初めて、

「お客様が実際に製品を使っていて日々どのように感じているか」

という視点が自分に欠けていることに気づいたのです。
そこから、書籍や動画を通して、UXに関する知識を学ぶようになりました。

振り返ってみると、私たちの身の回りにはユーザー体験(UX)が溢れています。
例えば、インターネットで商品を買う時、こんなレビューを見かけることがあります。

  • 「梱包が甘くて商品に傷がついていた」

  • 「商品の組み立て方法が分かりづらく、時間がかかってしまった」

  • 「商品の不具合についてカスタマーサービスに問い合わせたが、電話がつながらない」

こういった口コミを観察する中で、

ユーザーの満足度を決めるのは商品自体の品質だけでなく、商品を使い始める前の段階や使い始めてからの体験が、深く関わっているのではないか

と気づきました。
そして、今度は知識を身につけるだけでなく、実際に既存商品にUXデザインを取り入れるためのノウハウを身につけるにはどうしたら良いか模索する中で、Xデザイン学校に出会いました。
5月の連休最終日に、全コース共通で開催されたプレ講座では、

「人は当たり前品質と魅力的品質の二つの要素を足し引きして、ヒトやモノに対する評価を決めている」

という話がありました。自分がこれまでモヤモヤしていたことを言語化してもらったような気がして、とても腑に落ちました。

講義後の変化①サービスデザインへの関心が高まった


第1回講義を受ける前までは、既存商品の品質をより良くするために、画期的なUIを導入すれば良いのではないかという仮説を持っていました。そのため、

「ユーザーは全く新しいUIに変わることを望んでいない」

という先生のお話は、新たな発見でした。
これまでの経験を振り返ってみると、システムの仕様を刷新したタイミングで、ユーザーから「以前の仕様に戻してほしい」という問い合わせが増えることが多かったように思います。
既存商品に改良を加える際、できるだけ現状の運用を維持することを考慮しながら、前例に則ってUI設計を行なっていたのは、これが理由だったのかと納得しました。

また、新商品の設計に携わった経験から、一度決めた基本的な仕様は、メンテナンスの観点からむやみに変更しない方がいいという感覚があります。
そこで、システムを構築する最初の段階で、最終的に目指しているシステムの全体像をイメージしながら、将来的な機能拡張も含めて慎重に設計する必要があります。
さらに、業務支援システムの仕様を決める上で、業務に関係するすべてのユーザーの動線や、システムの導入からメンテナンスまでの一連の流れを想定しておくことも必要になってきます。
プレ講座の中で紹介されていたコンビニATMの例で、

「商品に直接関わるターゲットユーザーと、それ以外の間接的なユーザーでは、提供するユーザビリティのレベルが異なる」

という話は、目から鱗でした。
ユーザー体験をより良くするためには、

目の前のユーザーのためのUI改善ではなく、その周りにいる広義のユーザーも視野に入れて、社会におけるサービスの存在意義を再定義する

ことが重要なのではないかと感じました。
さらに、以前からUIデザインの仕事に関心を抱いていた私にとって、

「UIデザインは、ある程度フォーマットが決まっているため参入障壁が低く、AIで代替される可能性が高い仕事である」

という先生のお話は衝撃的でした。
誰でもAIを使いこなせる時代において、価値ある人材となるために、UIよりもさらに上流のサービス全体をデザインするノウハウを身につけていきたいと思うようになりました。

講義後の変化②自分が実現したい未来について考えるようになった


以前、お客様先に訪問して商品に関する要望のヒアリングを行う機会があり、その結果を職場の上司に報告したところ、こんなフィードバックを受けました。

「ユーザーの言うことを聞くだけでは、良い商品は作れないからね〜」

当時は、この言葉の意味がよく理解できていませんでした。ユーザーの声に耳を傾け、今抱えている問題を解決することが、開発の醍醐味だとまで思っていたからです。
しかし、今回の講義で、そういった考えではやがてイノベーションのジレンマに陥ることが分かりました。
昔は「お客様のために解決すべき課題」を出発点とした新規ビジネスが上手くいっていたところが、技術革新のスピードが加速している中で、過去の成功事例の賞味期限がどんどん短くなってきているのだと気づきました。

サービスデザインリサーチのプロセスの上流において、

「お客様の課題解決のために尽力するのではなく、自分が実現したい未来と現状とのギャップを発見し、賛同してくれる仲間を集めて世の中に広げること」

が重要だということを学びました。
日常の中で感じるちょっとした違和感や、どんなに些細なアイディアであっても、それらを突き詰めていくことで、最終的に自分が目指すビジョンにつながっていくのだと思います。小さなビジョンの種を拾い上げて、文字に書き起こしてみたり、周りの人に発信したりすることによって、大切に育てていきたいと思います。

#Xデザイン学校
#Xデザイン学校2023年ベーシックコース

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