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一座建立 いちざこんりゅう (茶道)

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タイトルの「一座建立(いちざこんりゅう)」は茶道で出会ったことばです。茶道に触れる中で、学んだこと、感じたことを記します。
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#和の意匠

和の意匠06 《麻の葉》 | お茶を通じて学べること

久しぶりの和の意匠です。 麻の葉 こちらはよくご覧になる意匠ではないでしょか? 和の雰囲気を出しつつ、モダンな印象もあるので、飲食店の内装、間仕切りなどにもよく使われていますし、和小物、和雑貨でもよく見かけます。 麻の葉は、三角形があつまった六角形の幾何学文様で、平安時代から仏像の装飾などに使われてきた柄です。 三角形の模様は、鱗文(うろこもん)といい、呪いや魔除けの力を持つとされています。脱皮する蛇から「厄を落として更正する」という意味もあるそうです。 後にこの模様

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和の意匠06 取扱注意!《つぼつぼ》 | お茶を通じて学べること 番外編

日本人は「もふもふ」とか「ふかふか」とか「ほわほわ」とか、繰り返しの擬態語が好きですよね。 「ぺこぺこ」 「ふわふわ」 「るんるん」 「しとしと」 などなどいくらでもでも。 ご先祖さまも同じようです。 つぼつぼ最初にみたときは、目が文字を正確に捉えられずに、「ぶつぶつ」と読んでしまい、仏像の螺髪のようなものかしらと想像しました。 つぼつぼ、こんな図柄です。 なんの意匠でしょう? 小さな食器だとか、おもちゃだとかいわれています。 さて、このつぼつぼですが、配置が流派に

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和の意匠05 《唐草》 | お茶を通じて学べること

先日は、血液検査で採血だったのですが、そういう類が苦手な私は、 気を紛らわすため、頭の中でお点前の手順を追っていました。 多少は効果があったかしら? 唐草(からくさ) 泥棒さんが背負っている風呂敷、緑に白の模様、あれも唐草模様です。 唐「草」とあるように、植物の葉や茎、蔓(つる)が伸びたり絡んだりした形が図案化されています。世界中に同様の模様があり、日本には、シルクロードを通じて伝わったそうです。 どこまでも伸びていく茎や蔓(つる)の様子は、生命力の象徴。一族の繁栄や

和の意匠04 亀甲 | お茶を通じて学べること

今住んでいる家の近くの歩道脇には、アジサイが多く植えられています。 少しずつ色づいてきましたね。楽しみです。 亀甲(きっこう) 亀甲(きっこう)、読んで字のごとく、亀の甲羅がもととなっている意匠です。 『鶴は千年、亀は万年』。 亀といえば、長寿吉兆の象徴です。 亀甲文様の歴史は古く、正倉院宝物裂にも亀甲模様のものがあるそうですよ。 ページトップの画像も、亀甲の一種。三色の重ね亀甲です。

和の意匠03 網代 | お茶を通じて学べること

ゴールデンウイークも終盤ですね。 近所の回るお寿司屋さんに行ったら、青海波や千鳥、麻の葉など、和の文様がPOPに使われており、和の雰囲気づくりに一役買っていました。 白ベースにパステル調(薄い色のピンクとかブルーとか)で 文様が描かれていたので、明るい、現代的なかわいらしい和という印象でした。 網代(あじろ) 網代(あじろ)と聞いて、私がまず思い浮かぶのは天井の仕上げです。 お茶室でも使われる天井仕上げです。 こんな感じの天井をご覧になったことはありませんか? 網代

和の意匠02 七宝 | お茶を通じて学べること

和の意匠には、願いが込められています。 前回の青海波では、海の恵みと、ずっと続く波の様子から、平穏や幸せが途切れることなく続くようにという願いが込められていると紹介しました。 模様や意匠に願いを込めることは、日本に限ったことではなく あらゆる国で、ずっと行われてきたことなんでしょうね。 例えば、東欧の民族衣装に施されるカラフルな刺繍にも、魔除け等の意味があると聞いたことがあります。 七宝(しっぽう) 七宝は、重なった円が永遠に続く模様です。 元々の七宝は、七種の宝物を指

和の意匠01 青海波 | お茶を通じて学べること

茶道を通じて、日本文化が一通り学べると言われています。 お茶碗などの道具についての問答を主客(亭主と客)で、行うこともあり 和の意匠についても知識が得られます。 (立派なお茶会などでは、茶碗の作家やいわれについて答えるのだと思いますが、常のお稽古では、そういった高価な作家さんの作品は使わないことが多く、お茶碗の産地や文様について答えます) 青海波(せいがいは) 青海波は、海の波を表した文様です。 名前からも図柄からもわかりやすい文様ですね。 古代ペルシャで考案され、 シ