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捕らぬ狸の皮算用

一番近い映画館のある街まで
地下鉄で2駅分次女と川沿いの遊歩道を歩く。

途中の不動産屋さんの間取り図をふたり眺める。

ーママ?一人暮らしの普通ってこの位の広さ?家賃もこの位なの?

ーウーン。エリアと物件、築浅とかによるから、一概には言えない。
因みにママが一人暮らししてたアパートは、2Kトイレ風呂別洗濯機は室内で53000円だったよ。因みにパパと最初に住んだ中央線高架脇阿佐ヶ谷のボロアパートは73000円だったかな笑

ーそれって参考にしていい話?(疑い)

ースルドイ汗。レアケースです笑
この辺だったらワンルーム相場は8万位じゃないかな。

ー高いの?

ーいや、考えてごらんよ。アルバイト非正規雇用で時給は最賃ギリギリ1150円だとして1日8時間週に5日、1か月に20日働いたとして1150×8×20=184000円。ここから雇用保険とか住民税とか所得税とか健康保険料引かれたら手取りはザックリ15万としよう。

そこから家賃に8万円。共益費は別。携帯通信料、食費、水光熱費、洋服代、交通費移動費を引いたら、自分が遊ぶために自由に使えるお金はいくら残るでしょう。
もしかしたら、大学の学費を奨学金借りてたら、その弁済に月に2万ローン組んでるかもね。

ー(顔に青い縦線入りながら)地方から出て来て一人暮らししてる人は、そんな風に生活してるってこと?

ー全員そうだとは言ってない。正社員で働いてるとか、会社で寮に入ってるとか、人により状況は違うから。
ママも会社勤めしてた時は寮に入ってたよ。食費光熱費込みで2万しなかったと思う。門限破り新入社員ホヤホヤでして前代未聞って先輩寮長に正座で説教くらったけど笑。(トイレの窓から侵入しようとしてバレた)懐かしいなあ。

ー東京に生まれるって、恵まれてる、ラッキーなんだね。

ーそうだね。実家暮らしってスゴイアドバンテージだよね。手取額15万でも、全部遊びに使えたら全然違うよね。

ーなんか、お金のこと、少し分かった気がする。

以前はお金の話をしてもピンとこない様子だった次女も、自分で稼いで生きることを彼女なりに真剣に考えるようになったんだと思う。

頷く真剣さが違ってきた。

我が家の家訓。いくら旦那の財布に金が唸っていても、ブラックカードを持っていても、自分に使ってくれるかを旦那に委ねなくてはいけない不確定さ不安定さより、小さくても自分で好きに使えるガマグチ財布を持って生きる人生を選ぼう!その方が自由だ!

あ、勿論独身のススメではありません。結婚もしてもしなくてもよい、でもチャンスがあれば、できたらしてみた方がよい。ただ、自分で自分のお財布を持つことは自立の一歩だと思うのです。



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