見出し画像

八百屋お七と傾き

赤毛さんはバランサーですね

傾き始めたと思うやいなや
パンって反対側に跳ね上げて
水平にバランス立て直してきますよね

一緒に仕事してみて
そう思いました


言われたことがある

確かに

公平でない
水平でない
片方に比重が偏っていると
左脳が認識するやいなや

パアンと瞬時に反応して
修正すべく動き始める

突然の病気で日常を失った方が
多く利用されているから
その場で日常が保たれるよう

お元気のない方がおられれば
声を多めにかけたり
逆に他愛もない話を呼び水に始めたり
何かの端緒を捕まえて

火のないうちに煙も立てないようにと
気は配っている

でもそういうことじゃなくて
これは幼少期のトラウマみたいなものからで

父に何かに入れ込む
オリンピック2回分位の周期があって
それは職場の女性同僚だったり
ボトルシップだったり、
マンションの管理組合活動だったり

まあ凝り性なんだけど
その対象いかんによっては
一家を巻き込んだ大騒動になることもあったしで
幼心の赤毛にとっては
小さな傾きの傾向を感じ取って
早め早めに対処して置くことが
後々大事になる前に火消しに効果があると
そう思ったんだと思う

何かに傾き始めることを
不安定と認識し
それを早め早め小さければ小さいうちに
修正しておけば
我が家の暮らしはひいては子供の安寧は保たれると
幼く拙い経験則を導いたんだと思う

イジラシイなあ

でもまあ大人になってみれば
そんな理屈でヒトのココロの
メラメラなんて消せるわけもないし
大人の世界のいざこざはやっぱり大人にしか解決はできなくて
子供は小さな胸を痛めるしかない

だからdecline incline
傾きは不安の始まり
自分は心を水平に保たなくてはならない

多分そう思って
自分にマジナイをかけていた

本当に夢中になるとか
首ったけに好きになるということが殆どなく
幼少期や思春期を過ごしたのは
そのクビキのせいだったのかもしれない

今思うとだけど

好きなことは勿論あったけど
どハマリするとか
これが好きだということがなかった
趣味でも人でも

そこそこに好きで
そこそこに詳しいことだらけ

妹は同時期に光GENJIのかあくんのポスターで部屋の壁も天井も貼り尽くして
入れ込んでたけど

強いて言えば勉強くらい笑
赤毛はテストの点で学年で何位かとか
そんなことに一生懸命になっていた

それも多分褒められたいからだろうなあ
親がいい気分でいれば
喧嘩することもないだろうとか
自分に関心が向いていることを確かめてたのかも

でも三つ子の魂は消せやしなくて
大学3年位だから二十歳を過ぎて
そうだ実家を離れてその頃親戚んちに下宿してたんだよな
だからイエのことから心身ともに離れられたんだ

一気に一晩で人を好きになって
おお
恋は落ちると言うけど
赤毛は真っ逆さまやったなマジでと
振り返ると笑えるくらい
何かに傾き始めた

敢えて不安定な状況を自らブッコンで作り出していくことで
傾く分自重の分、加速がついて
その人に夢中になっていく
またはその人に夢中な自分に夢中になっていく笑
実際どっちなんだろな?
そのグイグイ引かれて惹かれていくドライブ感が
それまで自分を緊縛してた分もあってだろうな
タマラナカッタ

世界がモノクロカメラから
カラー写真で写したみたいに
極彩色、縁取られてくっきりはっきり美しく見えた

後日談で
両親は仲睦まじく少し前に金婚式を迎え
赤毛自身は十五年で離婚届に判を押し
なんや何も心配することなかったやんけ!
お前の心配してろや!
自分の子供はどないするねんと
突っ込まれたらエエトってモジモジしちゃうんだけど苦笑

仕事では傾きを修正する習性はどうやら健在だけど

プライベートではdeclineとかinclineいう単語を見るだけでtoその傾きの方向を思ってぽやんとしてくるくらい
誰かや何か
傾ける対象に出会えることは
傾きが生む移動の摩擦や熱量が
心と身体を熱くするのを知っているので

八百屋お七くらい
江戸を焼き尽くすくらいの傾きや
銀行預金から三億円引き出しちゃった傾きに
褒められはしないことだけど
人としては憧れるというか
そこまでやったら本望だよなと思う

今の赤毛なら傾きの兆候が現れたら
待っていました!と
三顧の礼でお迎えしたいくらいだ笑





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?