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大切なカード。”ズブさ”。

この写真と文章のテーマ、とくに関係性はない。


ひとこと紹介させて頂くと、私の特技のひとつ。

「織物」を織る技術を身につけているのだ。

写真のカラフルなストライプは、私がデザインして織り上げた。


今日、官公庁の窓口で書類に「令和元年」と印字されていたのを見た。

10連休は気ままに旅をしていた。日本海に出て、遠くを眺めた。

いまさらになって、「令和元年」か……と実感している始末だ。


今日、

日本人のいったい何人が、糸と糸とを組み合わせて、

布を生産する技術を、知っていることだろう?


いや。布という物質の構造を、糸という知識を、繊維の正体を……

そういう、一連のものづくりという属性を。

もっと広くて、根深くて、想像力でとらえにくい処に居る、

そういう「概念」を。


私も、真剣に現場レベルで布を学ぶ機会を得たのは、

ほんの2年前のことだった。

とある事情から始まった物語がある。


あとで、まとめて文章化したいと思う。


* * * * * *


”ズブさ”。


「なんだよ、唐突に。」


”ズブさ”。


他人から、こういうリアクションをもらえる、そういうアクションのこと。

対人関係のシチュエーションをカードゲームに例えるならば、

そうだな――この”カード”はしばしば”ジョーカー”を代行してくれる。


”ズブさ”。


相手の気持ちだとか、この場の状況だとか、周囲の受け入れる用意だとか、

日本人が大好きな礼儀だとか、ローカルルールだとか。

あなたの”ごきげん”だとか――。


”ズブさ”。


そういうディレイ/delay(モノゴトを遅らせる要因たるもの)を、

あえて――ないし、承知の上で無視する選択肢を、所有している状態。

すなわち、”マイペース”を手札の一枚にしのばせること。


”ズブさ”。


そのカード自体に、さしたる値打ちはない。

どう考えたって、レアリティは『コモン』。ありふれている。

だが、じつはプレイヤーの多数が、持っているのに、持ち合わせていない。


”ズブさ”。


しかし、切り出す状況によって、戦局を左右するポテンシャルを備える。

どんなカードにも共通して云えるのだが、プレイヤーのプレイング次第で、

そのカードの真価が発揮される――その圧勝劇のさま、その熱狂たるや!


”ズブさ”。


なんとも不思議なカードだ。

人生の幼年期において全員配布のスターターデッキにも封入されていた。

それこそイカサマじみた数量で、封入されていたメインカードだったはず。


”ズブさ”。


その”厨”的な強さは、誰もが知っている。

きっと、使いすぎて、すり切れて、ヘヴィブレイド品になって姿を消した。

「”厨”カードにいつまでも頼るのはダサい。」なんて、自称上級者さま。


”ズブさ”。


面白いことに、大人ブロックのルールでは、なかなか見かけないものだ。

デッキにも、サイドボードにも構築させていない。

中には禁止/制限カード指定するゲームハウス/カンパニーもあるくらいだ。


”ズブさ”。


そういう、ある種のレアカードの真価を理解し、所有すること。

そういう心理的余裕。有効な手札の数は、プレイングのアドバンテージだ。

そして実際に、幾多の対抗カードに対し”メタる”、実践的なカード。


”ズブさ”。


「きみは目上の者に対して『礼儀』がなってないな。」

「すいません。”礼には礼を尽くすべし”と教わりましたもので……。」

スペルスピードの違いが、おわかりいただけるだろうか?


”ズブさ”。


大多数のプレイヤーたち、大人たちの構築するデッキは退屈。

いかに今日の社会という”現在の環境”にメタるか?――ではない。

”自分の大好きな勝ち方”、それが理論上は可能なデッキばかりを好む。


”ズブさ”。


彼ら大人はカネで収集したレアカードを限度いっぱいまで詰め込んで、

売った時に価値が出るような、いわば”コスパ”がいいカードが大好きだ。

『肩書』、『世間体』、『高級車』、『高級時計』、『高級住宅』。


”ズブさ”。


そんなプレイングコストの鈍重なカード満載のパワーデッキなんかで、

このパワー<スピード環境において、勝ちあがっていけるわけがない。

易々とプレイヤーにダイレクトアタックを通せる環境はもう終わっている。


”ズブさ”。


戦術的に説明すると、「奇襲」で、

人物的に説明すると、「破天荒」で、

叙述的に説明すると、「豪放磊落」で。


”ズブさ”。


かみ砕いて説明すると、「肝が据わっていて」、

ぶっちゃけ説明すると、「度胸と器量にすぐれて」、

陰口として説明すると、「怖いもの知らず」で。


”ズブさ”。


そのカードの価値を見抜く”知性”が必要で、

そのカードの切るタイミングを計る”直感”が必要で、

そのカードで絶対に勝ちをもぎとる状況の”決断”が必要なんだ。


”ズブさ”。


原義は【ズブい】競馬用語辞典(JRA。競馬ブック等)

競走馬用語の一。

馬自身が積極的に走るタイプではなく、騎手が補助動作(手綱をしごいたり、ステッキを入れるなど)を加えないとレースの流れについていけない馬を“ズブい馬”といっている。こういう馬は追われ通しでいてもバテないので上がりのかかるレースで突っ込んできたりする。エンジンのかかりが遅いので短距離戦向きではない。「古馬になってズブさが出てきた」などといわれることもあるが、当初、素軽い動きをしていた馬でも、レース経験を積むに連れてズブくなることはあり、必ずしも悪いことではない。馬がレースを覚えていく段階で「いい意味でのズブさが……」と使われることもある。


”ズブさ”。

その重厚な、力強さ。

本来、子供の頃にはみんな持っていた気質を、どこへやった?

馬から人に転用すると、かえって他から抜け出すスピードが得られる。


”ズブさ”。


名刺の渡し方はOK?

そのカードは、評判ほど重要じゃない。

だから、さっさと頼れる切り札を見つけるんだ。


”ズブさ”。


使いこなしてみなよ。



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