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カメラのファインダーについて



ファインダーについて何か語るとすればまずライカM3について触れる必要がある。

幸せのファインダー ライカM3

こういう見出しをつけると宗教じみてしまうが、こうとしか表現できない。ファインダーが現実よりも美しい。一体どういうカラクリなのか分からないが若い頃の自分は言葉を失った。
以前に田中長徳氏のそういう趣旨の言説に触れていたが「そこまでのことはあるまい」と思っていた。しかし実際に覗くとそれはあっさりと粉砕された。
そういう経験があったので「倍率1倍」を謳った安原一式を購入してがっかりしたり、フィルムの一眼レフではキヤノンFー1とNikon F2という、今思うとどちらも出来の良いファインダーを常用したことで、自分の中でファインダーの基準的なものができていた。

見てくれは良かったのだけど…

デジタル一眼レフのファインダー

2009年についにというか漸くNikon D300というデジタルカメラを入手する。一時期はこれにD300sの2台が我が家に存在していた。
2台ともすでに手放してしまったのだが、DXフラッグシップとしてカメラの出来は良かった。ファインダーもそれなりに良かったのだけど、やはりAPSということで「小さい」とは感じはしていた。あとはそれまでフィルムだったので画角とボケが今までと違っていて気持ち悪いと感じた。
そのうちボケの違うにも慣れてくるとま普通に使えるファインダーだった。
それから2013年になってD800Eを相当無理して購入してファインダーはこんなものかと。コシナの85mmやAi180mmなどMFレンズも多用しているのだが大きなな不満はない。


コシナの85mmを装着したD800E

ただ、たまにF2のファインダーを覗くと光学的には余計な仕組みが入って無いことを痛感する。

ファインダーの光学的には余計なものがないF2アイレベルファインダー

最初のミラーレス一眼のファインダー

ミラーレス一眼の最初の一台はRicoh GXRになる。レンズユニットごと交換となる奇特なシステムのカメラだが、自分はMマウントユニットが当初の目当てだった。ライカレンズはないけれどアダプター遠噛ませてキヤノンFDがデジタルで使える。それに合わせて外付けEVFを購入した。このファインダーはお世辞にもきれいな像が見えるわけでもなかったのだが、撮影には困らなかった。気になっていたタイムラグもあまり感じずピントは中央部拡大で合わせられた。
この組み合わせは本当に好きで、出張などで世界各地に持っていった。画像がきれいなことが撮影しやすいファインダーにとって必須ではないことを教えてくれた。
ただこの組み合わせのGXRは昨年、酔った帰りに電車に置き忘れるという痛恨の出来事があり今はもうない。(GXR自体はもう一台持っていたので別のレンズユニットは使えるのだが)

この組み合わせ(GXR マウントユニット マウントアダプター ニッコール50mm)で置き忘れ

NikonのEVF

そして今のNikonZ6に至るのだが、その前に一瞬だが一番売れてると思われるメーカーのミラーレス一眼に心が動いたことがある。ただヨドバシカメラでファインダーを覗くとそこでは明確に液晶画像にしか見えない画像があった。それと比べればNikonのEVFはかなり自然に見えた。そんなわけで今のメイン機がZ6となってはや2年。
もちろんF2ではなくD800Eと比べても「液晶」なのだけど、ミラーレスの中ではニコンは見え方が自然だと感じている。

見てくれはあまり魅力はないがファインダーは比較的自然なZ6

今後について

こんな文を書きたくなったのは、最近妙に光学式のファインダーで撮りたい、と感じるようになったからかもしれない。
5月連休でも意図的にD800Eを持ち出したり、先日はラグビーの試合にも持って行ったりした。
で最後はライカM3とかにたどりつければこの駄文も収まりが良いのだけど、今の到達点はこれ。
映るんですのファインダーを流用した外付けファインダー。これを生き残っているGXRに装着して、画角とか細かいことを言わずに素通しはスッキリだなと呟きながら撮影している。

ファインダーが素晴らしいから良い写真が撮れるわけではないのだけど、でも昔からの人間には、やはり気になる。(終わり)

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