ちとせ　ゆた

懺悔、追悼、後悔

ちとせ　ゆた

懺悔、追悼、後悔

冬季鬱

夏は仄暗くて狭い冷たい場所が心地よかったけれど冬になると人のいない日はずっと人の体温を探して明るい場所に出たくなる 寒いし暗いしお腹すいたし誰もいない部屋に1人だし昨日まであった人の体温がないしで寝られなくて鬱になってきた こういう時どうすればいいんだろう 泣いて布団の中でうずくまる事しかできない情けなさで余計に泣けてくる人肌恋しい季節 冬よはやく通り過ぎてくれ 弱い私を許して 寒い暗い怖い 自責の念に駆られて希死念慮が顔を出す季節が今年も来てしまった、もう嫌だ

ちとせ　ゆた

    • 抜けない毒は負の連鎖を引き寄せる

      片田舎の狭いコミュニティに生まれた私は大学に入るまで自分の家の異常に気が付かなかった 井の中の蛙大海を知らずとはこのことで、狭い井戸から外に出たことがなかった私は大学生になって自分の無知さを思い知った 毒親という言葉があるのを知ったのが大学1年生の中頃で、それと同時に自分の親が毒親だということを知った 幼少期から手を上げられて育った私は、暴力と暴言を躾だと認識していた 殴られるのは、蹴られるのは全て自分が悪い子だからだとずっと思っていたが、どうやらこれを世間では虐待と言う

      ちとせ　ゆた

      • 思い出

        思い出にしたくない indigo la Endの邦画を聴くたびに思う 写真や動画に残したっていつかは切なささえも消えるのか 正直まだ彼女が亡くなったという現実を受け止めきれていない 彼女は私の顔が誰かに似ていて好きだったらしく、タバコのソフトケースに絵を描いている私をよく動画や写真におさめていた 思い出だと言って、見返していた 私はそれが気に食わなかった 私はここにいるのに彼女は画面の中にいる私に夢中になっている 「私はここにいる」のに 今の私を見て欲しいのに 私と

        ちとせ　ゆた

        • 呪い

          コーヒーが飲みたい マルボロを吸いたい 会いたい indigo la End好きだったよね、あなたにすすめられて私の方が好きになったよ 先週末にライブに行ってきたんだ、ほんとはあなたの分の席も取りたかったけれど、LINEの既読は数年前からついていないからやめたよ 未だに夜になると、邦楽を聴くと、タバコの煙を見るとあなたの部屋の匂いを思い出すよ お葬式はいつ、どこで、誰が参列していたの？ お墓はどこにあるの？ どこにいるの？ どこに住んでたの？ もう会えないんだなと

          ちとせ　ゆた

        冬季鬱

        ちとせ　ゆた

        マガジン

        • タバコ
          4本

        記事

          タバコと時間

          お気に入りのジッポと缶ピースの空き缶が窓際にあるのを確認して、置いてある椅子に腰掛ける。 元彼と同棲していた頃は家の外に出てタバコを吸っていた。揺れるカーテンと窓越しに見えるジッポの火をいつも眺めていた。カーテンが揺れるたびに私のことを思い出しているのだろうか。 寿命は煙と共に口から吐き出され、また煙と共に空に消えてゆく。 タバコを吸う度に奪われる時間と時間。今と残りの時間を二重に奪われる感覚が好きなのでタバコはやめられない。 刻々と私の時間を溶かしていくライターの火は

          ちとせ　ゆた

          タバコと時間

          ちとせ　ゆた

          コーヒーと赤いマルボロ

          私が一番初めに吸ったタバコは、コーヒーの匂いがして少し湿気を吸った赤いマルボロだった。 2022年9月27日、友人が死んだ。この日から私はタバコが手放せなくなった。 高校3年の一学期、ゲームセンターで声をかけられたことをきっかけに仲良くなった。私が17歳で彼女は22歳、学校終わり家に上がらせてもらってお菓子を食べたりゲームをしたり、私が代わりに家事をしたりとお世話になっていた友人だった。その頃から彼女は赤いマルボロを吸っていて、よくタバコのソフトケースに私が絵を描いていた

          ちとせ　ゆた

          コーヒーと赤いマルボロ

          ちとせ　ゆた