【エッセイ】自分探しと来世の約束
ランボルギーニに乗ってレース場を300km/hで駆け抜ける
これは、日頃イラストレーターや執筆をし
ぼーっとひとり森に出向き鳥の巣を見つけては覗き込むのが好きな私の来世の夢だ
飛行機のパイロットや、アドレナリンをだくだく出しながらステージの上で熱唱するボーカリストにも憧れる
でも、やっぱり山道をいつもより少々早いスピードで駆け抜けている時には
私は来世は絶対にレーサーになるんだと固く誓うのだ
こんな取るに足らない些細な事が私には気づきになった
それは、数年間に渡り続いてきた自分探しの道の果てに見つけた今世の自分の生き方が定まったと言うサインだった
生まれ変わり
人類の集合的無意識の中には
きっと今現在の時代の気まぐれの産物の様なものや
誰かの最もらしい意見を採用し受け継がれているだけの物も混ざっていると私は思っている
だから、来世や生まれ変わりを本気で信じている訳ではないけど
こうして生きていると、時に自分のルーツとなるもののカケラを感じる事がある
興味の対象や、自分でも意図することのないシンクロなんかで
もしかしたら自分の前世のルーツはここにあったのではないか?と感じるのだ
もしも、この私のランボルギーニに乗ってレース場を300km/hで駆け抜けたいと言う願望と
山道を走る感覚なんかが自分の体が朽ち果てた先にも残っているとしたら…
それが、私の来世の人物のルーツになったりするのだろうか?
そう考えると生まれ変わりと言う概念もどこか否定はできない
自分探し
自分探しをしてきた当人が自分探しという物を一言で語るのなら
外界によって作られてきた自己意識からの卒業だと思う
私は幼少期に優しい子だと言われてきて自分もそうだと思い込んできたけど、本当にそうなのか?とずっと疑問だった
そう言われたから、優しくいようとしていただけで本当は優しくなんてないのかも知れないと
もしくは、自分が優しい子の方が誰かにとってメリットがあったから?
そんな、誰かに作られた物を胸に問いかけ続け
本当はこうだったんだと知ることが自分探しなのではないかと
これら一つ一つの謎を解く様に
長い期間を掛けて自分の声に耳を傾けて来た孤独な歳月の果てに過去を振り返ると
過去も、未来も
そして、来世までもがガラリと変わってしまった
それは本当はこうだったんだを知り
自分には到底出来ない事や、逆に自分には出来る事
自分だからできる事
そして、自分に合った物を知れたからだと思っている
自分を作る小さくて些細な物たち
私には好きな言葉があり
この言葉を聞くと本当にそうだなうん、うん。と
首を縦に振りたくなる
それはブルーハーツのナビゲーターと言う曲の歌詞の一部
このシンプルなフレーズ
自分探しをする上でこれ以上の言葉は本当はいらないのかも知れないとさえ思う
引っかかりやモヤモヤ、心地よさや高揚感
それらをただ、感じて
感覚を言葉にする
そして、解剖する様に紐解いて行く
もしくは、どこから来たのかと思うほど素直な言葉が自分の中から浮かび上がって来た時に
その言葉を受け止めてみる
自分探しの材料は本当に小さくて些細な物の数々
それは、私の来世の約束の様に取るに足らない言葉の数々
akaiki×shiroimi
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