【本24】ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則

フォローしている鈴木天尋さんのnoteを読んで、「あー、ビジョナリーカンパニーにも書いてあった🤭」と感じました。

(鈴木さんのnoteはこちら⬇︎)

人を変えるのではなく、「もともとがそういう人だから」という考え方。
「もともとがそういう人だから」という人たちが集まれば、最高のチームができる。

自分自身の「そういう人だから」を去年から周りに伝えるようにしてきた私。
そうすると、やはり同じ方向を向いてくれている人たちが集まるんです。
(ビジョナリーカンパニーでは「バスに乗る」という表現)

言葉は力です。

まずは自分の想いを言葉にして伝えることから始めてみませんか。


☆本の内容☆

○時代を超えた成功の法則ー良好は偉大な敵ー

飛躍した企業は、偉大になるために「なすべきこと」に関心を集中させたわけではなかった。
それと変わらぬほど、「してはならないこと」と「止めるべきこと」を重視している。

飛躍した企業は変化の管理、従業員の動機付け、力の結集にはほとんど注意を払っていなかった。
条件が整っていれば、これらの問題はほぼ消滅する。

「人材こそがもっとも重要な資産だ」という格言は間違っていた。
人材が最重要の資産なのではない。
適切な人材こそがもっとも重要な資産なのだ。

「してはならないこと」「止めるべきこと」
この禁止事項は、ネガティブな印象を与えがちですが、実は「境界線を明確にする」ということに関してはとても重要なことです。
理想の姿はなんだか抽象的になってしまい、一人一人が思い描く形が違ってしまうこともあります。
でも「してはならないこと」「止めるべきこと」は、ハッキリしています。
例えば、理想の姿が「会議の効率的な運営」というものだったとして、そのために出来ることはたくさんあるでしょう。
それこそ社員の数だけ色々なことが考えられます。
反対に「してはならないこと」については、共通認識です。
例えば「資料を当日に配布しないこと」「資料は〇枚まで」など、ハッキリと「しないこと」「止めること」の線を引きます。
そうしておくことで、みんなの行動が具体的になり、かつ良い方向へ向かえる道しるべになります。

○野心は会社のためにー第5水準のリーダーシップー

*第5水準までの段階
・第5水準  ➡︎  第5水準の経営者
個人としての謙虚と職業人としての意思の強さという矛盾した性格の組み合わせによって、偉大さを持続できる企業を作り上げる。
・第4水準  ➡︎  有能な経営者
明確で説得力のあるビジョンへの支持と、ビジョンの実現に向けた努力を生み出し、これまでより高い水準の業績を達成するよう組織に刺激を与える。
・第3水準  ➡︎  有能な管理者
人と資源を組織化し、決められた目標を効率的に効果的に追求する。
・第2水準  ➡︎  組織に寄与する個人
組織目標の達成のために自分の能力を発揮し、組織のなかで他の人たちとうまく協力する。
・第1水準  ➡︎  有能な個人
才能、知識、スキル、勤勉さによって生産的な仕事をする。
*第5水準の指導者は、自尊心の対象を自分自身にではなく、偉大な企業を作るという大きな目標に向けている。

謙虚さ  +  不屈の精神(なるべきことを実行する)  =  第5水準

*第5水準に達するかどうかは別にして、それを目指し努力する価値はある。
人間にとって最高のものについての基本的な真理がいずれもそうであるように、真理の一端を垣間見ることができた時、その方向に向かって努力すれば、自分自身の人生も、自分が関係するものも良くなっていく。

自分がどんな人で在りたいか、第5水準ではなくても、自分の目指す自分になるために参考にしたいですね。

○誰をバスに乗せるかー最初に人を選び、その後に目標を選ぶー

第1に、「何をすべきか」ではなく、「誰を選ぶか」から始めれば、環境の変化に適応しやすくなる。

第2に、適切な人たちがバスに乗っているのであれば、動機付けの問題や管理の問題はほぼなくなる。
適切な人材なら厳しく管理する必要はないし、やる気を引き出す必要もない。

第3に、不適切な人たちばかりであれば、正しい方向が分かり正しい方針が分かっても、偉大な企業にはなれない。
偉大な人材が揃っていなければ、偉大なビジョンがあっても意味はない。

*要点は適切な人材を集めることだけではない。
まずはじめに適切な人をバスに乗せ、不適格な人をバスから降ろし、その後にどこに行くかを決めること。
第2の要点として、偉大な企業への飛躍には人事の決定に極端なまでの厳格さが必要なことがあげられる。

*その人をどの席に割り振るかを判断する能力。
*報酬制度の目的は、不適切な人々から正しい行動を引き出すことになく、適切な人をバスに乗せ、その後もバスに乗り続けてもらうことにある。

「適切な人」というのは会社によって違いますよね。
どんな人材が「適切な人」なのかは、明確にして共有しておくことが必要かなと思います。

*適切な人材こそが最も重要な資産である。
「適切な人材」なのかを判断するにあたって、飛躍を遂げた企業は学歴や技能、専門知識、経験などより、性格を重視している。
具体的な知識や技能が重要でないというわけではない。
だが、これらは教育できるが(少なくとも学習できるが)、性格や労働観、基礎的な知能、目標達成の熱意、価値観はもっと根深いものだとみている。

*席にふさわしくない人物がいると感じても、かなりの努力を払った後にはじめて、バスに乗るべきではなかった人物が乗っているとの結論をだす。
座っている席が悪いだけなのか、それともバスから降ろすべきなのかを確認できるようになるまでには時間がかかる場合がある。
とはいえ、飛躍をもたらした指導者は人を入れ換えなければならないと分かった時、行動している。

人を入れ替えるというとネガティブに思いがちですが、行動をしなければその人が適切に活躍できる場に出会う時間を奪ってしまうことになる、というように書かれています。
たしかに、「この会社ではバスに乗るべきでは無かった」としても、自分を活かせる場は他にもある。
その場所で活躍することが、その人にとっても周りの人にとっても一番理想的なことです。

○最後には必ず勝つー厳しい現実を直視するー

状況がどうなっているかをつかもうと真摯に懸命に努力すれば、正しい決定が自明になる場合もある。
厳しい現実を直視する姿勢がない場合には、正しい判断をつぎつぎに下していくことはできない。

*真実に耳を傾ける社風をつくる。

「厳しい現実を明らかにして、どうやって人々の意欲を引き出すのか。意欲を引き出す動機付けで中心になるのは、説得力のあるビジョンではないのか」
答えは意外なことにそうではない。
ビジョンが重要でないというのではない。
従業員や幹部の動機付けに努力するのは、大部分、時間の無駄である。
適正な人たちがバスに乗るようにすれば、全員が偉大なものを築こうという意欲を持っている。

したがって、ほんとうの問題はこうなる。
「従業員の意欲をくじかないようにするにはどうすればいいのか」である。

意欲をくじかないために、なにをするべきか。

リーダーシップの要点はビジョンである。
だが、それと変わらぬほど重要な点に、真実に耳を傾ける社風、厳しい事実を直視する社風を作ることがある。
「自分の意見を言える」機会と、「上司が意見を聞く」機会との間には天地の開きがある。
偉大な企業への飛躍を導いた指導者は、この違いを理解しており、上司が意見を聞く機会、そして究極的には真実に耳を傾ける機会が十分にある企業文化を作り上げている。

「自分の意見を言える」機会と、「上司が意見を聞く」機会、どちらも大切なことだと思います。
でも、いくら自分の意見を言っても、「聞いて」もらえなければ、意欲はくじかれていきます。
「意見を聞く」「真実に耳を傾ける機会」がいかに大事かよく分かります。
これはどの人間関係にも言えることだと思います。

○上司が真実に耳を傾ける社風を作る 4つの基本的な方法

①答えではなく、質問によって指導する。
適切な人たちをバスに乗せると、答えではなく、質問から始める。
つねに質問を投げかけて答えを求め、調べ、刺激する方法をとる。
質問するのは、ひとつの理由、たったひとつの理由からである。
理解するためだ。
何人かの幹部や従業員を集めて、台本も議題も議論すべき行動項目もないまま話し合う。
まず、「何を考えているのか」「それについて話してくれないか」「わたしが理解できるようにしてくれないか」「心配すべき点はなんだろうか」といった質問を出す。
議題を決めない会合が、現実を浮かび上がらせる場になっている。

対話すること、相手を理解しようと努力すること。

②対話と論争を行い、強制はしない
方針を決めた後に従業員が「自分の意見を言える」機会を作り、「参加型」の形を整える。

当事者意識を育む。

③解剖を行い、非難はしない。
目立った失敗について議論するなかで、失敗の責任者が誰なのかはまったく話題にしない。
解剖を行い、非難はしないようにすれば、真実に耳を傾ける社風を作る点で、大きく前進できる。
適切な人たちがバスに乗るようにしていれば、誰かに責任を押し付ける必要はまずなくなり、理解し、学ぶことに専念できる。
解剖が大事。犯人探しをすれば事実を隠そうとする人がいる。

犯人探しは何の得にもならない。
組織の雰囲気を悪くするだけ。

人生は公平ではない。
時には有利な状況に恵まれ、ときには不利な状況に追い込まれる。
人は誰でも、人生のどこかで失望を味わい、絶望的な事態にぶつかる。
納得できる「理由」もなく、責任を追及できる相手もいない挫折を味わう。
違いをもたらすのは困難にぶつかるか、ぶつからないかではない。
人生の中で必ずぶつかる困難にどう対応するかだ。

○単純明快な戦略ー針鼠の概念ー

・狐型 ➡︎ いくつもの目標を同時に追及し、複雑な世界を複雑なものとして理解する。「力を分散させ、いくつもの動きを起こしており」、全体的な概念や統一のとれたビジョンに考えをまとめていこうとはしない。

・針鼠型 ➡︎ 複雑な世界をひとつの系統だった考え、基本原理、基本概念によって単純化し、これですべてをまとめ、すべての行動を決定している。
針鼠型の人たちは、本質を深く見抜く力をもっているために、複雑さの奥にある基本的なパターンを把握できるのだ。
本質を見抜き、本質以外の点を無視する。

本質を見抜き、力を集中させること。
分かってはいるのに、狐型が多いような気がします。

戦略の策定の基礎として、3つの主要な側面を深く理解する。
①自社が世界一になれる部分はどこか。(同様に重要な点として、世界一になれない部分はどこか。)
   ➡︎この基準は、中核的能力(コアコンピタンス)がどこにあるかよりもはるかに厳しい。中核的能力があっても、その部分で世界一になれるとは限らない。逆に、世界一になれる部分は、その時点で従事していない事業かもしれない。

②経済的原動力になるのは何か。
   ➡︎ キャッシュフローと利益を継続的に大量に生み出す最も効果的な方法を見抜くこと。具体的には、財務実績に最大の影響を与える分母をたったひとつ選んで「〇〇当たり利益」という形で目標を設定している。

③情熱を持って取り組めるのは何か。
   ➡︎ 偉大な企業は、情熱をかきたてられる事業に焦点を絞っている。どうすれば熱意を刺激できるのかではなく、どのような事業になら情熱をもっているかを見つけ出すことがカギになっている。

世界一になれる部分、経済的原動力、情熱
この3つが揃うものは何か。

☆3つの円を素早く理解するには、企業についてではなく、自分の仕事について考えてみるといい。
以下の3つの基準に合う仕事ができると考えてみよう。
第1に、持って生まれた能力にぴったりの仕事であり、その能力を活かして、おそらくは世界でも有数の力を発揮できるようになる。(自分はこの仕事をするために生まれてきたのだと思える。)
第2に、その仕事で十分な報酬が得られる。(これをやってこんなにお金が入ってくるなんて、夢のようではないかと思える。)
第3に、自分の仕事に情熱を持っており、仕事が好きでたまらず、仕事をやっていること自体が楽しい。(毎朝、目が覚めて仕事に出掛けるのが楽しく、自分の仕事に誇りを持っている。)

私は3番目に書いてある、『情熱』の部分から探してみると良いかなと思います。
能力があって、それで報酬を受けられるとしても、情熱がなければ続けられない、頑張れないと思います。
自分が情熱を持って取り組めることは何か。

この3つの円が重なる部分を見つけ出し、それを単純で明快な概念にまとめて自分の指針にすることができれば、自分の人生を導く針鼠の概念を確立できたことになる。
針鼠の概念を完成させるには、この3つの円の全てが必要である。
大きな機会にぶつかって「ありがたいが見送りたい」と言うには、規律が必要だ。
「一生に一度の機会」であっても、3つの円が重なる部分に入っていないのであれば飛びつく理由は全くない。

判断の基準を明確にしておくこと。

○劇的な転換はゆっくり進むー弾み車と悪循環ー

飛躍は一気に達成されるものではない。
たったひとつの決定的な動き、大掛かりな取り組み、起死回生の技術革新、めったにない幸運、痛みを伴う大改革があったわけではない。
飛躍の道は小さな努力の積み重ねによって、開かれていく。

*「悪循環のパターン」

弾み車を押し続けて1回転ずつ勢いを積み重ねていくのではなく、準備段階を飛び越して一気に突破段階に入ろうとする。
そして業績が期待外れになると、右往左往して一貫した方向を維持できなくなる。

一貫性
 と  干渉性
干渉性…複数の要因が互いに強め合う。

この「小さな努力を積み重ねる」ということが、なかなか出来ないのではないかと思います。
組織であれば、すぐに目に見える何かが欲しい、と思われても仕方がない。
でもそこを堪えて、目に見える何かに飛びつかずに、じっくりと弾み車を押し続けることが、結果的に目指すべき場所への近道になる。

○ビジョナリーカンパニーへの道

永続する偉大な企業は、株主に収益を提供するだけのために事業を行なっているわけではない。
ほんとうの意味での偉大な企業にとって、利益とキャシュフローは健全な身体にとっての血と水のようなものである。
生きていくには必要不可欠なものだが、生きていく目的ではない。

どのような基本的価値観をもっているかではなく、基本的価値観をもっているのかどうか、基本的価値観が社内で知られているか、基本的価値観を組織に組み入れているか、長期にわたって基本的価値観を維持しているのかが問題である。

*基本理念を維持し、進歩を促す

維持  ➡︎  基本的価値観、基本的な目的
変化  ➡︎  文化と業務の慣行、個別の目的と戦略

自分の仕事が好きなとき、自分の仕事が大切であるとき、大上段に構えたような理由は必要としない。
重要なのは好きだという事実、大切だという事実だけだ。

自分の仕事が好きだ、大切だ、と感じるためには、会社が目指している理念と、それを実現しようと行動していることが感じられることが大切だなと思います。
素晴らしい理念を掲げていても、行動が伴っていなければ、ただの文字です。
逆に理念を掲げていなくても、行動から伝わってくるものもあります。
そういう意味で「行動」することは、色々なメッセージを周りに伝えているということになります。
いいメッセージも、悪いメッセージも。
自分の行動も振り返ってみよう。

何か偉大なものを築く動きが、自分の仕事の範囲では見当たらない場合もあるだろう。
その場合には、仕事以外の場で探せばいい。
自分がほんとうに好きだからこそ、可能な限り偉大なものにしたいと望むもの、そのような活動に関与すれば、第5水準の指導者への道を必ず歩むようになる。
人生も偉大なものになっていくだろう。



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