見出し画像

「美しい」の研究報告(7月)

見たり、触れたり、味わったり。日常の中で感じた「美しい」を掬い上げ、それについて研究した内容を綴る、日記に近い研究報告です。「美しい」ってなんだろう?そんな曖昧な感覚について深く考えてゆきます。


Taste

ほぐれる、を味わう

お酒弱いのでクラフトコーラ、美味しかった

7月の休日。友人と共に鎌倉にある「enso」へ行った。ensoはOSAJIが展開する食と香りを体験できる場。真夏の鎌倉にひっそりと佇むこの場所は、時の流れがゆったりと流れ、優しい木の匂いが空間を包む。そこで味わう地元・鎌倉の食材をふんだんに使ったお料理たち。一つ一つ口に運ぶたびに笑みが溢れ、自分の中の凝り固まったものがゆっくりとほぐれていく。自然と会話も穏やかになる。美しい食体験は、料理だけでなくそれが出される空間の質によって左右されるのだ、と改めて感じた。(ランチコースおすすめなので是非)

☑ enso

enso-osaji | 鎌倉・小町通りの裏路地にある、元芸者置屋をリノベーションした「enso(エンソウ)」は、OSAJI初となるレストランを中心に、2021年夏に蔵前にオープンした、ホームフレグランス調香専門店「kako-家香-」の新たな体験の場として、30種類以上のシングルエッセンシャルオイルの調香に特化した「kako-a scent-」や、OSAJIのセレクトアイテム他、「enso」オリジナルのグロッサリーが揃うショップも併設。”食”や”香り”の体験を通し、心身の”調律”を行い、日常生活に心地よい循環を生み出すことを目指した複合型ショップです。 鎌倉・小町通りの裏路地にある、元芸者置屋をリノベーションした「enso(エンソウ)」は、OSAJI初となるレストランを中心 www.enso-osaji.net




Place

DDD hotel (東京・東日本橋)

窓から覗く緑が美しいなあと撮影した写真

久しぶりにわがままなホテルステイをしたいと思い立ち、東京・東日本橋にある「DDD hotel」に宿泊した。もともと30年以上ビジネスホテルとして使われていた建物を全面改装して作られたホテル。客室だけでなく、カフェ&バー、アートギャラリーも併設されている。いつも出張の目的でホテルを予約すると何のこだわりなくもなくビジネスホテルを選んでしまうが、たまにはこうやって自分のためにこだわって選び、自分一人の時間のためにホテルに投資すると、せっかくなんだからその時間や空間に集中しよう意識が高まりより有意義な時間を過ごせるように感じる。自分のためにと意識を高める時間は長時間ゆるい瞑想をしている感覚にも似ている。ホテルから見える景色をぼーっと見つめるのもよかった。真夏の光りに照らされる東京の街、そこで揺れる青々とした植物たち、日陰を選んで前へ前へと歩くビジネスマンの様子。日常の自分を空の上から眺めている気分で、そんな景色を眺めていると必死で生きすぎている自分に気付く。ふっと肩の力が抜けていき、かけていたメガネの曇に気付き目の前の美しさが光りだす。特別な日でもなく、誰のためでもなく、何かの目的でもなく、ふらっと自分のためにホテルステイ。これからも続けていきたい。

☑ DDD hotel




Time

大事なものを手放すこと

何もない箱に住んでたんだと気付いた瞬間

7月は気に入って住んでいた大好きな家を引っ越した。入居して1年半程、大切に築き上げた大切で心地よい大好きな空間だった。お気に入りのインテリアや雑貨に囲まれ、大切な人との時間を過ごし、中学生の頃からの憧れていた町での暮らし。賃貸としては好条件ではない西向きの部屋だったけど、毎日の夕空が美しかった、そんな場所。引っ越しを決意した時、「そんなに大事にしてたのに何故?」と聞かれるがその大切な空間がいつの間にか自分の挑戦への足取りを引っ張っているように感じたから。自分の純粋な好奇心に素直に、手放すことにした。決意が思いのほか潔くできたわりに、引越し作業はとても寂しい気持ちになった。大切なものたちが次から次へと消えていき、代わりに味気ないダンボールたちが大切だった空間を埋めていく。それでも、この場所を越えた先に更に心躍る経験が待っているから、と荷造りの手を動かす。この先どうなっていくのだろうかと不安の中、寂しさと希望を行ったり来たりして、希望の光りを静かに見つめる。そんな儚い時間がたまらなく切なくて美しいと思った。




Book

愛するということ

2年前に初めて読んで撮った、本の写真

何度読んでも、何度でも読みたい。私にとって、この本は読むたびにそんな気持ちにさせてくれる本。最近、昔のように愛を注ぐということができなくなっているなと薄々感じていた。他者に、物に、経験に。7月中、その事実に確信する出来事があり慌ててこの本を再読していた。「愛とは技術である」その前提をもとに語られる愛に纏わるお話。初めてこの本を読んだとき、読む年齢によって感じることが違うだろうなと思ったからあえて線を引かなかったけど、今度は未来の自分へのメッセージとして薄く線を引きながら読み進めた。もしかしたら、他者への愛の前に自分を愛することに怠惰になっていたのかもしれない。そんな気付きを与えてくれた7月の本。

☑ 愛するということ




Other

体調不良は身体のデトックス

数年ぶりに高熱を出し1週間ほど寝込んでいた7月。健康体が取り柄な私にとって突然の体調不良は、衝撃的なことで。健康がこんなにも惜しく感じるのか、体調不良なときはこんなにも優しさが沁みるのか、働けないことがこんなにも悔しいものか、、といろいろと考えては体調を崩したことに落ち込んでしまっていた。そんなときコーチの方にこんなことを言われた「体調不良は身体からのSOSのサイン。体調不良はそんなサインに気付き、休ませることができるデトックス期間でもある。」それを聞いて知らぬ間に自らを縛っている変なこだわりに気付いた。ちょっと立ち止まって、ゆっくり考えて、決断を急がずに、一つ一つ整理して行って…いつもの自分ならばそのスピード感が許せないけど、あえて勇気を持って立ち止まってみた、そんな7月。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?