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32日目:各所得の計算

32日目は、各所得の計算について学んでいきます。


1.利子所得

1️⃣利子所得とは

利子所得とは、預貯金や公社債等から得られる利子のことを指します。これは、お金を貸し出すことによって得られる収入であり、所得税の対象となります。

2️⃣利子所得の計算

利子所得の計算は、預貯金や公社債等の元本に対する利率を適用して得られます。例えば、元本が100万円で年利1%の預貯金の場合、1年間の利子所得は100万円×1% = 1万円となります。

3️⃣課税方法

1.預貯金の利子
預貯金の利子は、一定の金額(現在は200万円)までは非課税となります。それを超える部分については、20%の源泉徴収税が適用されます。

2.公社債等の利子
公社債等の利子についても、20%の源泉徴収税が適用されます。ただし、一部の公社債(例えば、地方債)は非課税となる場合もあります。

2.配当所得

1️⃣配当所得とは

配当所得とは、株式等の保有者が企業の利益分配(配当)として受け取る所得のことを指します。これは、投資として企業に資金を提供した結果として得られる収入であり、所得税の対象となります。

2️⃣配当所得の計算

配当所得の計算は、保有する株式等の数に対する配当率を適用して得られます。例えば、1株あたり100円の配当がある場合、1000株保有していれば配当所得は100円×1000株 = 10万円となります。

3️⃣課税方法

1.上場株式等の場合
上場株式等の配当については、20%の源泉徴収税が適用されます。ただし、一部の上場株式(例えば、外国株式)は非課税となる場合もあります。

2.上場株式等以外(非上場株式等)の場合
非上場株式等の配当についても、20%の源泉徴収税が適用されます。ただし、非上場株式の配当については、一部が所得控除の対象となる場合があります。

3.不動産所得

1.不動産所得とは

不動産所得とは、土地や建物などの不動産を貸し出すことによって得られる所得のことを指します。これは、賃貸料収入や、不動産の売却益(譲渡所得)などが含まれます。

2.不動産所得の計算

不動産所得の計算は、賃貸料収入から必要経費を差し引いたものとなります。必要経費には、固定資産税や修繕費、管理費などが含まれます。また、不動産の売却益は、売却価格から取得価格と各種経費を差し引いたものとなります。

3.課税方法

不動産所得は、所得税の課税対象となります。所得税は、所得の合計から各種の控除を差し引いた課税所得に対して、所得税率が適用されます。不動産所得に対する所得税率は、課税所得の金額により異なります。

4.事業所得

1️⃣事業所得とは

事業所得とは、個人が事業を営んで得た所得のことを指します。これは、商品の販売やサービスの提供などによって得られる収入から、事業に必要な経費を差し引いたものとなります。

2️⃣事業所得の計算

1.事業所得の計算
事業所得の計算は、事業の収入から事業に必要な経費を差し引いたものとなります。経費には、原価、販売費及び一般管理費などが含まれます。

2.減価償却
事業で使用する資産(建物や機械など)は、使用により価値が減少します。この価値の減少分を経費として計上することを減価償却といいます。減価償却費は、資産の取得価格を資産の耐用年数で割ったものとなります。

3.課税方法
事業所得は、所得税の課税対象となります。所得税は、所得の合計から各種の控除を差し引いた課税所得に対して、所得税率が適用されます。事業所得に対する所得税率は、課税所得の金額により異なります。

5.給与所得

1️⃣給与所得とは

給与所得とは、雇用者から労働者への報酬として支払われる所得のことを指します。これは、給料、賞与、退職金などが含まれます。

2️⃣給与所得の計算

給与所得の計算は、給与収入から給与所得控除を差し引いたものとなります。給与所得控除は、給与収入の金額により異なります。

3️⃣所得金額調整控除ー子育て・介護世帯

所得金額調整控除は、子育てや介護を行っている世帯に対する控除です。子育て世帯控除や介護世帯控除などが該当します。これらの控除は、所得税の課税所得を減らすことで、税負担を軽減します。

4️⃣課税方法

給与所得は、所得税の課税対象となります。所得税は、所得の合計から各種の控除を差し引いた課税所得に対して、所得税率が適用されます。給与所得に対する所得税率は、課税所得の金額により異なります。

6.退職所得

1️⃣退職所得とは

退職所得とは、雇用者から労働者への退職金や年金一時金など、退職に関連して支払われる所得のことを指します。

2️⃣退職所得の計算

退職所得の計算は、退職金等の受給額から退職所得控除を差し引いたものとなります。退職所得控除の額は、勤続年数や受給額により異なります。

3️⃣課税方法

1.「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合
申告書を提出した場合、退職所得は分離課税され、所得税率20%が適用されます。また、住民税は課税されません。

2.「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合
申告書を提出しなかった場合、退職所得は総合課税の対象となり、所得税と住民税が課税されます。所得税率は、課税所得の金額により異なります。

7.山林所得

1️⃣山林所得とは

山林所得とは、山林の伐採や販売などによって得られる所得のことを指します。これは、木材の販売収入や、山林の売却益(譲渡所得)などが含まれます。

2️⃣山林所得の計算

山林所得の計算は、山林の販売収入から必要経費を差し引いたものとなります。必要経費には、伐採費や運搬費、管理費などが含まれます。また、山林の売却益は、売却価格から取得価格と各種経費を差し引いたものとなります。

3️⃣課税方法

山林所得は、所得税の課税対象となります。所得税は、所得の合計から各種の控除を差し引いた課税所得に対して、所得税率が適用されます。山林所得に対する所得税率は、課税所得の金額により異なります。

8.譲渡所得

1️⃣譲渡所得とは

譲渡所得とは、資産(例えば、不動産や株式)を売却した際に得られる所得のことを指します。これは、売却価格から資産の取得費や譲渡にかかった費用を差し引いたものとなります。

2️⃣譲渡所得の計算

1.譲渡所得の計算
譲渡所得の計算は、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いたものとなります。

2.特別控除額
一定の条件を満たす場合、譲渡所得から特別控除が適用されます。例えば、自宅の売却による所得には3000万円までの特別控除が適用されます。

3.取得費と譲渡費用
取得費は、資産を取得するために支払った金額のことを指します。譲渡費用は、資産を売却する際にかかった費用のことを指します。これらは譲渡所得の計算において差し引かれます。

3️⃣課税方法

譲渡所得は、所得税の課税対象となります。所得税は、所得の合計から各種の控除を差し引いた課税所得に対して、所得税率が適用されます。譲渡所得に対する所得税率は、課税所得の金額により異なります。

9.一時所得

1️⃣一時所得とは

一時所得とは、一度にまとまった金額を受け取ることによって得られる所得のことを指します。これは、退職金や年金の一時金、保険金の一時受け取りなどが含まれます。

2️⃣一時所得の計算

一時所得の計算は、一時所得となる金額から一時所得控除を差し引いたものとなります。一時所得控除の額は、受給額や受給者の年齢により異なります。

3️⃣課税方法

一時所得は、所得税の課税対象となります。所得税は、所得の合計から各種の控除を差し引いた課税所得に対して、所得税率が適用されます。一時所得に対する所得税率は、課税所得の金額により異なります。

10.雑所得

1️⃣雑所得とは

雑所得とは、他の所得区分に該当しない所得のことを指します。これは、賞金、ロイヤルティ、年金などが含まれます。

2️⃣雑所得の計算

雑所得の計算は、雑所得となる金額から必要経費を差し引いたものとなります。必要経費は、雑所得を得るために必要な経費で、具体的な内容は収入の性質によります。

3️⃣課税方法

雑所得は、所得税の課税対象となります。所得税は、所得の合計から各種の控除を差し引いた課税所得に対して、所得税率が適用されます。雑所得に対する所得税率は、課税所得の金額により異なります。

※FP3級試験練習問題

以下に試験問題とその回答を作成しました。

問題1:各所得の計算

  1. 利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、一時所得、雑所得のそれぞれの計算方法を説明してください。

回答1:

  1. 利子所得の計算は、預貯金や公社債等の元本に対する利率を適用して得られます。

  2. 配当所得の計算は、保有する株式等の数に対する配当率を適用して得られます。

  3. 不動産所得の計算は、賃貸料収入から必要経費を差し引いたものとなります。

  4. 事業所得の計算は、事業の収入から事業に必要な経費を差し引いたものとなります。

  5. 給与所得の計算は、給与収入から給与所得控除を差し引いたものとなります。

  6. 退職所得の計算は、退職金等の受給額から退職所得控除を差し引いたものとなります。

  7. 山林所得の計算は、山林の販売収入から必要経費を差し引いたものとなります。

  8. 一時所得の計算は、一時所得となる金額から一時所得控除を差し引いたものとなります。

  9. 雑所得の計算は、雑所得となる金額から必要経費を差し引いたものとなります。

問題2:各所得の課税方法

  1. 利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、一時所得、雑所得のそれぞれの課税方法を説明してください。

回答2:

  1. 利子所得は、一定の金額(現在は200万円)までは非課税となります。それを超える部分については、20%の源泉徴収税が適用されます。

  2. 配当所得は、20%の源泉徴収税が適用されます。ただし、一部の上場株式(例えば、外国株式)は非課税となる場合もあります。

  3. 不動産所得は、所得税の課税対象となります。所得税率は、課税所得の金額により異なります。

  4. 事業所得は、所得税の課税対象となります。所得税率は、課税所得の金額により異なります。

  5. 給与所得は、所得税の課税対象となります。所得税率は、課税所得の金額により異なります。

  6. 退職所得は、所得税の課税対象となります。所得税率は、課税所得の金額により異なります。

  7. 山林所得は、所得税の課税対象となります。所得税率は、課税所得の金額により異なります。

  8. 一時所得は、所得税の課税対象となります。所得税率は、課税所得の金額により異なります。

  9. 雑所得は、所得税の課税対象となります。所得税率は、課税所得の金額により異なります。

以上が試験問題とその回答です。
これらの問題と回答がFP3級の試験対策に役立つことを願っています。

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