日経平均採用銘柄企業(日経225)一部を紹介(メーカー編)

東証上場企業は、一流企業の代名詞とされます。もちろん、東証には非上場の外資系企業やオーナー企業もありますが。

その、東証上場企業の中でも、日経平均に採用される企業225社は、日経225といわれて、超一流企業の代名詞です(もちろん、こうした企業でもリストラは実施されるので、一生安泰な企業などこの世に存在しませんが)。

その日経225のうち、一部を紹介したいと思います。

明治ホールディングス

食品メーカーの明治と、製薬企業のMeiji Seika Farmaを傘下に持つ持ち株会社です。売上高は連結で1兆円を超えており、巨大企業であると言えます。株価は3700円前後でしたが、直近ではなぜか急落しています。

サッポロホールディングス

ビールのサッポロビールや、飲料のポッカサッポロなどを傘下に持つ持ち株会社です。連結売上高は4300億円前後です。ビールはキリンやアサヒと比較して劣勢であり、微妙なポジションです。今後の戦略に期待したいです。

アサヒグループホールディングス

アサヒビール、アサヒ飲料、アサヒグループ食品などを傘下に持つ持ち株会社です。連結売上高は2兆円を超える巨大企業です。カルピスやウイスキーの会社も持っているので、それなりにポートフォリオを充実させていると言えるでしょう。

キリンホールディングス

キリンビールやキリンビバレッジを傘下に持つ持ち株会社です。ワインのメルシャンや、協和発酵(バイオ医薬品の会社)も保有します。連結売上高は1兆9000億円です。サントリーとの統合が破断になりました。

味の素

社名にもなっている味の素や、ほんだしなど、調味料やインスタント食品に強い食品メーカーです。連結売上高は1兆1000億円です。創業は明治時代にまでさかのぼります。鈴木三郎助が東京帝国大学の教授からグルタミン酸を主成分とする調味料のライセンスをもらって始めた会社です。私は川崎市にある工場を訪問したことがあります。

日本たばこ産業

その社名の通りタバコの会社です。前身は日本専売公社であり、NTTやJR、日本郵政とは兄弟のようなものです(旧三公社五現業)。タバコの世界シェアは約8%、世界ランクは3位です。連結売上高は2兆3000億円にものぼります。海外メーカーの買収に積極的です。

東レ

もともとは繊維の会社でしたが、今は化学メーカーとして知られます。炭素繊維に強く、この分野では世界首位です。炭素繊維は、鉄よりも頑丈なのに非常に軽く、航空機の素材にも使われています。連結売上高は2兆4000億円です。

旭化成

化学メーカーに分類されますが、住宅用建材など住宅分野にも強い会社です。「イヒ」のテレビCMで有名です。連結売上高は2兆円を超えています。

レゾナック・ホールディングス

旧社名は昭和電工ですが、日立グループの日立化成と合併後、この社名に変更になりました。一時期は業績が低迷していましたが、改革によってV字回復し、今は優良メーカーとなっています。電子部品材料(エレクトロニクス)に強いイメージですが、化学メーカーとしては異例のアルミニウム事業もやっているのが特徴です。電炉メーカーでは必須と言われる黒鉛電極で世界シェアトップクラスです(というか、黒鉛電極は日本メーカーの寡占です)。連結売上高は1兆4000億円です。学閥の話をすると、東大と慶應が強いイメージ。

住友化学

総合化学メーカーとして日本では三菱ケミカルに次ぐ会社です。イメージとしては農薬などに強い。連結売上高は2兆7000億円です。

日産化学

農薬に強いイメージですが、電子部品材料(エレクトロニクス)もやっています。日産と社名についていますが、日産自動車のグループではありません。連結売上高は2000億円と日経225の中では小さいほうですが、この会社は利益率が非常に高く、優等生と言えます(営業利益率は約20~25%)。

信越化学工業

国内化学メーカーとしては「最強」の存在です。それどころか、日本製造業で「最強」といっても過言ではありません。連結売上高は1兆5000億円、連結営業利益は4000億円を誇り、規模が大きいのに利益率は日産化学に匹敵します。塩化ビニル樹脂、シリコンウェーハ(半導体素材)など、数多くの分野で世界首位となっており、これが利益率を押し上げています。品質も非常に評価されているため、強気の価格設定ができます。偏見はよくないですが、トヨタ自動車よりもオススメできます。

三菱ケミカルグループ

持ち株会社であり、化学・製薬などを傘下に持ち、連結売上高は約4兆円です。化学メーカーとして規模では日本一となります。

花王

おそらく日本人ならば誰でも知っている企業です。洗剤、石鹸、化粧品などで世界でも大きなシェアを占めます。旧カネボウの化粧品事業(カネボウ化粧品)を買収し、化粧品でも存在感があります。連結売上高は1兆5000億円です。ただし、世界トップのP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)は約800億ドル(12兆円)なので、相当に引き離されています。化粧品ではロレアルが世界トップです(約380億ユーロ、6兆円)。

富士フイルムホールディングス

旧富士写真フイルムと旧富士ゼロックス(富士フイルムビジネスイノベーション)を傘下に持つ持ち株会社です。この会社はかつて写真フィルムで世界トップでしたが、「いずれはデジカメの時代になる」ことを見越して改革を行い、無事に荒波を乗り越えることに成功した企業です。米ゼロックスと提携し、複合機事業をやっておりましたが、米ゼロックスと喧嘩別れして独立しました。連結売上高は2兆2000億円です。複合機は斜陽ビジネスなので、どうやって複合機以外のソリューションも増やしていくかが課題です。

武田薬品工業

世界でもトップクラスの製薬企業です。シャイアーという製薬企業を巨費を投じて買収し、世界トップ10入りしました。連結売上高は3兆2000億円です。製薬企業は新薬の研究開発費用が巨額になるため、ある程度の規模がないと新薬を生み出せない課題があります。そのため、ポートフォリオを増やすためにシャイアーを買収したのではないかと思います。この会社は、外資系企業のようなカルチャーです。今後の課題は、シャイアー買収で増えた債務の返済や、特許切れに伴う新しい稼ぎ頭をつくることだと思います。

中外製薬

スイスの医薬品メーカーのロシュと提携し、現在はロシュグループです。そのため、半分は外資系企業と思ってよいでしょう。直近の決算は非常に好調で、先行きが明るいです。連結売上高は約1兆円です。

ブリヂストン

世界トップのタイヤメーカーです。おそらく自動車に乗る人はほとんどの人が知っている会社だと思います。売上高に占める日本の割合は25%しかなく、世界で稼げる企業です。連結売上高は4兆1000億円です。タイヤ以外だと、自転車やゴルフ用品事業もあります。

AGC

世界トップのガラス製造業です。その用途は住宅、オフィス、自動車、電子機器など非常に幅広いです。ガラス以外でも電子部品材料や化学品も扱っています。連結売上高は1兆7000億円です。

SUMCO

半導体用シリコンウェーハのメーカーです。信越化学がそれ以外もやっているのに対して、こちらは専業です。信越化学とSUMCOで合わせて世界シェアは50%を超えており、日本企業が極めて強い分野となっています。珍しい組合せですが、実は三菱グループと住友グループの企業が合併してできた会社です。三井と住友はよくありますが、ここは三菱と住友の組合せです。

住友金属鉱山

日本で最も歴史のある企業の一つで、住友グループ(旧住友財閥)の源流とされる企業です。住友財閥は江戸時代に、愛媛県の別子銅山から始まりました。そこから発展して、現在は世界中で鉱山開発、金属の精錬、電子部品材料の製造などを行っています。EV(電気自動車)関連銘柄としても注目です。連結売上高は9300億円です。

住友電気工業

自動車のワイヤーハーネスや、光ファイバーなど「電線」に強い企業です。住友グループ最強企業は三井住友銀行か住友商事、あるいはNEC(日本電気)だとお考えの人が多いようですが、この会社も住友グループでトップクラスの規模を誇ります。連結売上高は4兆円です。

SMC

空気圧制御機器メーカーとして有名で、工場の自動化のための空気圧制御機器では世界トップシェアを誇ります。連結売上高は8200億円、連結営業利益は2500億円と、信越化学に匹敵するほどの利益率であり、日本の製造業としては最高クラスに優秀な企業です。知名度はそこまでないので、就活生には「超オススメ」の企業です。

住友重機械工業

住友グループ(旧住友財閥)の企業で、源流は別子銅山の開発に必要な機械を製造していた会社です。そのため、愛媛県に巨大な工場を持ちます。明治時代からの伝統ある企業ですが、戦後に浦賀重工業と合併し、重工業部門もポートフォリオに含めました。ドイツの射出成形機メーカーのDEMAGを買収するなど、積極的に海外進出している企業です。ただ、重工メーカーでは四番手と、知名度は芳しくありません。京都大学の学閥の色が濃い企業です。

荏原製作所

ポンプ、タービンなどを製造する優良企業です。その技術力は世界トップクラスとされます。半導体製造に必要な機械も製造しており、これから伸びることが期待できます(ただし、投資は自己責任でお願いします)。上水道や下水道関連施設や、廃棄物処理プラントなども扱っており、社会のインフラに必要不可欠な会社です。花王やLIXILで活躍したカリスマCIOをヘッドハントしており、これからIT改革にも力を入れるもようです。

日本精工

ベアリングで世界3位を誇るメーカーです。ベアリングとは、軸受のことで、回転運動をなめらかにする役割があります。競合はスウェーデンのSKF、ドイツのシェフラー、日本のNTNなどです。

ジェイテクト

トヨタ自動車のグループ会社で、1兆5000億円もの規模を誇ります。ステアリング、ベアリング、工作機械など幅広い製品群を持っており、どれかが失敗しても安定して経営できるのが強みです。

日立造船

環境プラントが主力製品のメーカーです。名前がおかしくて「日立でも、造船でもない」企業です。そのため、社名変更を検討しているようです。

ミネベアミツミ

ベアリングや電子部品を扱うメーカーです。変わったところだと、銃など防衛関連の事業も行っています。日立のパワー半導体事業を買収するなど、近年は非常に積極的なM&Aの姿勢を見せており、成長に期待できます。B2Bメーカーとしては異例ですが、東京都港区に体験型ショールームを開設しました。

ルネサスエレクトロニクス

日本の半導体メーカーとしては、キオクシア(旧東芝メモリ)と並んでトップクラスの規模を誇ります。2010年代に何度もリストラを繰り返しており、産業革新機構から資本注入を受けました。一時は倒産も噂されるほど危機的な状況でしたが、現在は活力を取り戻し、海外メーカーの買収を行っています。車載マイコンに強く、トヨタ自動車やデンソーと密接な関係があります。

TDK

電子部品に強いメーカーです。連結売上高は2兆1800億円です。営業利益率も高く、かなりの優良メーカーだと言えます。知名度がそこまでないので、この会社も就活生には「オススメ」だと言えます。

アルプスアルパイン

電子部品のアルプス電気と、車載機械のアルパインが合併してできた企業です。連結売上高は9300億円です。営業利益率が高くないことが課題です。

横河電機

工業用計器、プロセス制御のメーカーで、世界トップクラスのシェアを誇る企業です。売上高の70%を海外が占めており、グローバル企業だと言えます。若干、慶應閥の色がある企業です。

レーザーテック

半導体関連装置を主力とするメーカーです。本社は新横浜にあります。連結売上高は400億円と日経225では小さいものの、この会社は株価が非常に高いのが特徴です。2023年11月現在、29000円の株価であり、しかも上昇傾向にあります。株価が高いということは、市場から将来性を高く評価されているということです。なので、この会社も就活生には「超オススメ」となります。

村田製作所

京都府に本社がある電子部品メーカーです。京都は電子部品メーカーが非常に多く、ニデックや京セラなどとともに、この村田製作所も超優良メーカーです。村田製作所の主力製品の世界シェアは驚くべきものです。
積層セラミックコンデンサ 世界シェア35%  世界1位
SAWフィルタ 世界シェア45%  世界1位
wi-fiモジュール 世界シェア60%  世界1位
EMIフィルタ 世界シェア35%  世界1位
ショックセンサ 世界シェア95%  世界1位
この会社も、就活生には「超オススメ」と言えるでしょう。シェアが高いので、倒産やリストラのリスクは非常に低いと考えます。



























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