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"空想日記"⚡️⚡️⚡️no.114

幸杜『初、大丈夫か?』

初 『はい!なんとか…』

幸杜『本番は黄泉道に着いてからだぞ。
   頑張ってついて来い!』

必死に私達の後にくらいつく初。
堕鬼との遭遇率が高い場所へ
息子を連れて行くのは
今回が初めてである…
危険な場所に連れて行くのは
父親として心苦しいが
現状、1人でも多くの人手が必要だ。
もちろん彼の実力を認めての事…
なにより
堕鬼という生物を
実際に目の当たりにする
機会はあまり多くはない。
初にとってもいい経験になるだろう。

幸杜『そうだ爽一、なき頭を見つけた経緯を
   教えてくれ。』

爽一『はい!
   誠剛さんと共に
   朝一番で、《参の穴》の採掘作業に
   取り掛かろうとしていた所に
   問屋《雪月花》の湯吉さんが
   血相を変えてやって来たんです。

   なんでも、《焔打山》(ひうちやま)の麓に
   青麻を取りに行こうとしていたそうで
   その道中に
   大男の亡骸が転がっていると…
           腰に名刀【阿修羅】を
   帯刀していた事もあり
   亡骸に首は無いものの
   すぐにそれが"極刀匠 廉造"だと
   気付き、慌てて引き返したそうです。
   そして、
   私達を見つけ
   その事を知らせてくれました。
   事が事だけに
   誠剛さんは信じられない様子でしたが
   [すぐに幸杜を呼んでこい。]と頼まれて
           今に至ります。』

幸杜『そうか…。』

誠剛の気持ちはわかる。
私もこの目で確認するまで
にわかには信じ難い。


幸杜『この事を十造には…
   知らせたのか?』

爽一『いいえ…。
   …片腕を失ってしまったこともありますし
   ましてや、廉造様は十造さんの
   父親です。事実確認が取れるまでは
   安易に伝えられないと勝手に
   判断しました…。
           すいません。』

幸杜『いや…
           …それでいい。』





   

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