見出し画像

"空想日記"⚡️⚡️⚡️no.105

坑道の中は
より闇が深く
雷灯を消せば
一寸先も見えない
眼前に持ってきた
自分の手が
鼻先に触れるまで
その存在を認識できない…
そんな闇だ。

私は壁の雷灯を灯しながら
坑道を進む。

太樹 『うわっ!!』

私は岩樹の根に
足をひっかけて転んだ。

太樹『………危ない。』

所々、道には穴が
空いており、木の板を渡してある
踏み外したら大怪我をしそうだ…
壁や天井も、いつボロボロと
石が崩れてきてもおかしくはない…
坑道には沢山の危険が潜んでいる
気を引き締め直し
私は立ち上がり、足を進めた。

しばらく行くと
ちょっとした広間に出る
私が目覚めた場所だ。

辺りを見回すと
その時には気付かなかったが
片隅に小さな社を見つけた。

太樹『なんで、こんな所に……。』

随分と古びれた社だった
誰も、手入れをしていないのだろう…
私は煤を払った。

その時、
微かだが…
暖かな風のようなものを感じた。

気になった私は辺りを探ぐる…
それは社のすぐ後ろの
壁の割れ目から
流れ出ているようだった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?