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"空想日記"⚡️⚡️⚡️no.104

太樹『はぁ…はぁ…』

雷山の夜は
静寂に満ち
深々と肌に刺さるように
風が吹く
闇を雷灯で照らし
夜道を一人歩く

私は《肆の穴》へと向かっていた。

落ちた穴は
"奈落"だったが
私が目覚めた場所は
"肆の穴"だったからだ。

奈落と肆の穴とでは
距離がある……
中で繋がっているのだろうか?
それとも…誰かが私を運んだのだろうか?
わからないことばかりだ。

記憶をたよりに足早に山道をゆく
夜道で少し心配していたが
天音と源に会った場所までは
あっという間だった。

肆の穴は稼働している
坑道の中でも呪力が重く
二輪咲以上の者でないと
立ち入りを許されていない。

しかし、私はお構いなしに
奥へと進んでいった。



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