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それをすてるなんてとんでもないお話

タイトルを見てピン!と、くる人もいらっしゃるだろう。


今回は、僕が体験した「ドラゴンクエストⅥ」をキッカケに起こったお話をしようと思う。

1995年に発売

まずドラゴンクエストⅥについてだがスーファミソフトの中で、国内売り上げ本数320万本、売り上げ第3位を獲得した国民的RPGゲームである。


ドラゴンクエストⅢにあった転職システムが復活し、ドラクエⅤにもあったモンスターを仲間にするシステムを継承していた。


まさにスーファミドラクエの集大成である。

DQⅥの出会いはミニ四駆

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ちょうどDQⅥが販売されていた頃は、僕がミニ四駆に熱中していた時代だ。


爆走兄弟レッツ&ゴーがコロコロコミックに連載していた頃で、自治体でもミニ四駆大会が開かれるなど、とても人気が高かった。


ある日、ミニ四駆(その頃はビクトリーマグナム)に熱中だった僕は、グレードアップパーツ(言いたいだけ)のハイパーミニモーターが欲しかった。


ハイパーミニモーターは1995年で製造が終了したこともあって、なかなかお店で売られていることが少なかった。ショッピングセンターにある玩具屋さんを尋ねてもどこにもない。


そんなある日、隣町に住んでいる友達から模型屋があること聞いたのだった。


ここからが僕が初めて出会ったDQⅥのお話の始まりである。

天井まで陳列されているプラモデルに圧巻

ある日、学校の授業が終わると友達と待ち合わせをしてその模型屋へと自転車で向かった。


模型屋の名前は「ラビット 」


店舗の近くには塗装屋のような建物があり、常にペンキの匂いが充満していたのを今でも思い出す。


お店の扉を開けると昭和の喫茶店の入店のような「カラーンコロン」とベルの音が鳴る。


店の中に入ると少しヤニ臭くて薄暗い感じがした。どうやら明るい外から店内に入ったことで一時的により暗く見えたのだろう。


目がチカチカする現象が治り店内を見てみると天井近くまで無数のプラモデルが陳列されていることに驚嘆した。


ガンダムの模型・軍艦・戦闘機・ミニ四駆ありとあらゆる模型が販売されているのだ。これは男心をくすぐらせるものがあった。


また、ディスプレイには店主が作成した模型だろうか。塗装まで仕上げた作品が数十点飾っていてそれを見るだけも楽しめる。

店主が無言でプレイしていたゲーム

しかし、店内に入ってから「いらっしゃーい」とかの一言も聞こえない。


店主はお手洗いでも行っているのだろうか。


店内も約8畳くらいしかない規模なのでさすがに扉のベルの音に気がつかない訳が無い。


すると数歩前にレジのようなカウンターが見えるので近づくと、レジ下にミニ四駆のグレードアップパーツ(言いたいだけ)が陳列されているではないか。


僕たちはすぐにレジに向かった。


その時僕らは気がついた。レジの向こう側で店主が熱心にドラクエⅥをプレイしていたのだった。

商売<ドラクエⅥ

店主はすごく夢中になってドラクエⅥをプレイしていたのでお客が入店しても気がつかなかったのだ。


だがさすがにレジ前に立っていると店主も気がついたのか「いらっしゃ〜い」だけは言ってくれた。そう、言っただけ。


レジ下のパーツを探していると僕が欲しかったハイパーミニモーターが販売されていたので恐る恐る店主に「こ、これください」と尋ねる。


あぁこれね。ムドー倒してるから待ってて


ここで僕はこいつがムドーっていうんだなと初めて知った。

あれから

今考えると、かなり接客が雑なお店だったなと笑い話ができる。


ラビットは既に閉店してしまっているのであの陳列されていた模型の数々を見ることはもうできない。


だから今一度この場を借りて店主に言いたい。


「それ(商売)を捨てるなんてとんでもない」


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