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未練タラタラの私を成仏させるの巻

こんばんは。ご存知の方も多いと思うが、実は、あれほど懐かしんでいた(未練タラタラだった?)演劇を最近またやり始めた。大学のサークルで一緒だった先輩たちが、卒業後今度は東京で集まって社会人劇団をやっていて、役者として出演させてもらえることになった。夢にまで見た舞台。5年ぶりの役者。あの時の私はどうやってセリフを覚えていたんだっけ?あの時の私の集中力はどこに行った?あの時の私の燃えていた情熱をなぜ恥ずかしいような冷ややかなような気持ちで思い出してしまうんだろう?あの頃の自分の延長線上に今現在の私がいるとは到底信じられない。

5年前は、演劇や芸術が好きでたまらなかった。でも、自分の情熱を、私という人を知らなくても評価するような技術や、わかりやすい消費物に変えられなかった。変えたくなかったのかもしれない。あの頃好きだった女の子が「社会の犬になんかならない」って叫んでたのが忘れられなかったよな。そんなのわかってるよ、こんな社会嫌だよ、でも、社会の犬にならないと、社会からは無視され続けちゃうんだって思いながら、誤魔化しながら、あんなに死が近かったあの頃。不思議と、しがらみに塗れて逃げられないと思うほど死は近くなり、反対にこの世に何の未練もなくて、いつでも逃げられると思うほど死は遠い気がする。いつか来る、死と0距離の瞬間はどんなものかな。

自分にできることはたかが知れていて、何のためにこうして生きているのか、いまだにわからないでいる。だから、とにかく楽しく暮らし続けることが、これから生まれてくる子どもたちにとっていいんじゃないかなと考えたりする。「こんなことをしたら不幸になる」と情報や偏見に揉まれて苦しんだ思春期の私を、せめて成仏させてやろうと思っているのかもしれない。どうせなら、いつか思春期を過ごす若い世代に「幸せや楽しみは人それぞれでいいし、そこに優劣はない」と大声で叫べなくても、そっと囁いて抜け道を照らしてあげられないだろうか。とか何とか言って、そんなこと思ってるのは日常の1%くらい…。

とどのつまり、今夜もつべこべ言わずにセリフを覚えるし、今週も元気に稽古に行く。公演は来月末。早くみんなに見せたいって言えるように頑張らないと。5年前のある日、客演先の主宰の方がかけてくれた言葉を最近妙に思い出すのでいい機会だから貼っておく。(その方が読んでいた時のために… お元気ですか?!東京で演劇をやることになりました!)

あなたの舞台を見てくれた何処かの誰かにとってあなたは舞台俳優1号かも知れないのです。そうでなくとも、あなたは客にとって一生、この劇を初演した、舞台の役者なのです。何十年立ってもこれは消えない事実です。演劇というものは作り上げて消えてしまうようですが、実は違います。どこにでも持っていける感動を人々に永遠に与えることができるのです。

5年前に客演した劇団の主宰さんのお言葉

みんな、演劇観にきてね。

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