他郷阿部家にインターン
他郷阿部家
島根県大田市大森町
石見銀山で知られる地。
海士町にいた頃、ご縁で群言堂の社員さん(トモコさん)に出会った。
(お洋服は全て日本製で、生地や染め方にもこだわりがあって本当に素敵…)
記憶を辿ると、小学2年生で石見銀山に来た時に街全体に惚れ込んでいました。
そして、海士町に登美さんとチヒロさんがきた時に一年に1番興奮した状態でインターンさせてくださいと頭を下げた。
研修制度はコロナでやめていたらしいが、復活させようか、と、話をしてくださり、のちにメールが届く。
念願の阿部家でインターンすることが決まった。
噂では、厳しい、とのこと。
修行に挑む僧侶のような気持ちで挑む。
こんなところでこんなことを
こうやったら掃除が早く終わるんだ!
効率良くするためにここを短縮!
家を綺麗にするために、これを使うよ!
縫い物も時間を測りながらやる!
この山ではね、このお花がとれるの!
おくどさん(釜)でご飯を美味しく炊くためには!
ライフハックというのか、
生きていく知恵をいろんな角度で教えてもらい、
こうやって暮らしていきたい!
が、できた場所でもあります。
本当に本当に毎日いろんなことを教えてもらい、
今まで生きてきて気づかなかったことを
たくさん教えてくれる、そんな場所でした。
毎日毎日刺激的で、
いい意味で興奮していました。
そして、ずっと私のそばにいてくれたチヒロさん。 毎日私がレポートを書き、そのフィードバックもいただき、手をたくさんかけてくださいました。
自分にとって価値があり過ぎてお金を払ったほうが良いのではないかと度々感じていました。
ありがとうございました😭
接客は慣れているはずなのに緊張から笑顔が足りなくて、何度もいろんな人に笑顔笑顔〜って教えていただきました。
かなり緊張しました。
そして、本当の接客を教えていただき、いかに今まで適当だったのかを思い知らされることに。
【ストーリーのある食卓】
阿部家に個性豊かなお客さまがやってくる。
年齢も性別も国籍も関係なしに。
登美さんは、
ご飯を囲むことが1番仲良くなれる。
といって、毎日欠かさず阿部家の食卓にやってくる。
あんな日もこんな日も、
毎日が全く違うが、
絵の具の混合色の、
その時に作り出した色は再度創出できないような、
そんなカラフルで美しくてドキドキする時間だった。
知らない2組のお客さんと登美さんが食卓を囲む
19:00
たくさんがせっせと料理を手際よく作り、
ちひろさんが笑顔でお客様をお出迎え。
乾杯が始まる。
皆さんのお腹が膨れた頃にやってくる
おくどさんで炊くメインディッシュ:おむすび
冷やしていたお米をその場で窯に入れ火をつけ
日中近所で拾って乾かした焚き付け用のまきに
マッチで火をつけ、パチパチ薪を燃やす
(これもまた廃材)。
炊けた熱々のご飯を素手で塩を手につけ結ぶ。
塩の溶けやすさがあるようで、
これもまた海士町のお塩を使っていた。
地産地消を大事にしていて、
たくさんの買い物について行った時は、
野菜ひとつでも真剣に選ぶ姿をみた。
どんなものを選んで買っているか聞くと、
自分が食べたい、
これ食べてって言っているような旬の野菜
を買うらしい。
今は違うメニューだが、、
とある日のメニュー↓
手作りで家庭感があって全部美味しい。
そして、それらをのせるお皿も一枚一枚
思い入れがあって、大好き。
ご飯も全てこだわっていて(調味料も)、
美味しいご飯を作るには美味しくて安心な物を使う。
食も体を作る自分への投資だよ。
と言われて、食べるもの、
選ぶものを考え始めた。
難しそうな食べものも作れることに気付かされた時間だった。
手間をおいしさに感じられる時間って
とても幸せなんだって気付かされた。
広告で作った鍋敷きには驚いた。
お客様に線がついているものを提供する時は横線になるように。
お客さまひとりひとりが存在するから、
この雰囲気になる。
一人欠けるのではなく、
お客さまが居るからこそ成り立つ空間があった。
ある夜は海士町のこと(メニューに岩垣春香という海士町産の牡蠣を出すところで)を知っていて話が盛り上がったこともあった。
ある夜はギターで弾き語ってくれた兄弟がいて、
食卓がすごくいい雰囲気になった。
ハモリが美しすぎて鳥肌がたった。
ある夜は登美さんがお客様に阿部家の説明をして、お客さまが前のめりになっている様子があった。
ある夜はご家族のお客様の中にお誕生日の方がいて全員でサプライズをしてみた。
ある夜は雪が降る中、タクさんが外で焼き鳥をして皆を幸せにしていた。
ある夜は果実酒が人気であっち行ったりこっち
行ったりお酒作りが忙しい日があった。
ある夜はお偉いさんたちがきて、
社会の話をしていて、盗み聞きした。
ある夜は私のお料理の説明が下手で、いろんな人がフォローして説明してくれた。それでもそんな自分が悔しくて庭の葉っぱを摘みながら(料理につかう)星空を見て涙が溢れた。
ある夜はご飯が美味しすぎて、お腹がはち切れそうと言いながらデザートまで食べて幸せそうなお客様をみた。
毎日変化のある面白いお宿。
【そこに咲く花】
阿部家にはあちこちに
たくさんお花が生けられている。
本当に、この、センスが、すごい。
しかも、全て野の花。
お花をいける(大好きな)真澄美さんが自ら山に入り、
季節に合った物を探す。お花だけではない。
ない時は近所に住む山の神様?師匠?に頼むとすぐに取ってきてくれるという。
山からのお裾分けでこんなにも素敵にいけてしまうから驚き。
固定概念をぶち壊しにくる感じが本当に
毎度私の心を燻る。
滞在期間にお花を生けたかったら、私に聞いてね!
と真澄美さんはおっしゃった。
優しすぎる。
の本にも載っている大根の花瓶。
部屋に飾ってくれていた葉が落ちてしまったため、お散歩した先にあったサザンカを飾ろうと試みる。
どうですかね〜?
こうしてこうして!
どっちが正面?この方が(葉っぱをとる)主がしっかり見えない?でも、なんでも正解だよ😊
山のお花で遊ぶ暮らし!すっごく楽しい。
山に行くとどんなお花が咲いているか、
草は雑草ではなく、花瓶に刺したら素敵な葉っぱに見えるようになりました🌿
【掃除】
会社全体、お掃除を大切にしています。
お掃除10か条がいろんなところに
貼ってあるのを見て、日々掃除に取り組んでいました。
シェアハウスでも積極的にお掃除。
というか気づいた頃に誰かがやってくれていた、
素敵な方々。
掃除は心の掃除
掃除そんなに好きではなかったが
掃除好きになった、
自分では大きな変化です。
日本家屋でのお掃除の仕方、
そもそものお掃除の仕方を丁寧に時間をかけて教えていただきました。
【阿部家はスタッフもお客様も家族に】
阿部家に行く前に何度かチヒロさんと
連絡をしていて、阿部家は家族として扱うから
下の名前で呼び合いますよ。
とおっしゃっていて、圧倒された。
家族の中では確かに下の名前で呼ばれる。
嬉しい感覚になった。
一度来てくださったお客様に、
外から帰ってきたお客様に、
おかえりなさい
お帰りのお客様には
行ってらっしゃいと手を振る。
好きなように好きな時に。
お家にいるようにリラックスしてください。
家族になる。
【阿部家の家族紹介】
●毎晩欠かさずお客様をお出迎えしていて、いろんなこと物をプロデュースしている、阿部家の持ち主の登美さん。
あなたに見せたいdvdがあるの。
と言って、お家で見せていただいたり、
ご飯を作っていただいたり。
向こうから自転車が走ってくると思ったら
登美さんだったり。
インスタがとても面白いのです。
昔も今もワクワクを求めて、更新し続ける。
素敵な方です。
●ずっと近くで次何しようかと教えてくれて、
場を盛り上げつつ、理解してくれました。
寄り添ってくださった、人間として
素敵で尊敬しているチヒロさん。
感謝を伝えきれないぐらいお世話になりました。
●疲れてない?とか、細かく気遣いをしてくれたり、一緒にお掃除して、人一倍見えないところで頑張る、温かく優しく、いるだけでほっこり周りを笑顔にするアツミさん。
●料理の楽しさを本気で教えてくれて、
人生相談にもたくさん乗ってくれて、
研究熱心で素敵な感性をしている料理人のタクさん。なんでも屋さん。かっこいい!
●経験とセンスにより野の花を取りに山へ入り、
生けたお花やディスプレイに心を持って生かされた、そして可愛い笑顔でお母さんみたいなマスミさん。
マスミさんのお好み焼き本当に美味しかった。
お宅もおしゃれで手作り感あって真似できません。
●お掃除のプロのミツイさん。
阿部家にほとんど埃が見当たらず、
お客さんには直接会わないけれど
土台を整えてくれている。
お掃除に関してかなりさんに教えていただいた。
他にもいろんな活動をされていて積極的なミツイさん。手ぬぐいが似合います。
阿部家は温かい、お客さんがよく帰ってきたい場所だという。私自身もそんな場所になった。
【シェアハウスの暮らし】
阿部家にある入り口の上にある女中部屋から
寮のシェアハウスに移動…
(寒さと音で寝つきが悪すぎた…)
なんと、7人で生活。
ルールがきっちりしていないけれど、掃除もして、
お互い気を遣い合いながら楽しく過ごせた時間で、皆で食べたいときは食べて、疲れた時は一人になれて、ふざけて、個性豊かで賑わっている感じでした。
シェアハウスでの暮らしは、
かなり勉強になることが多かった。
ご飯は交代で作れる人が作る。
美味しいし、スパイスを使った料理、
変わった料理、楽しい時間だった。
使い終わったジップロックは再利用できるから、
捨てずに洗って干す。
生ごみのコンポストできるものは分けて。
鶏のえさになるものはまた別にする。
調味料も、卵も、野菜も、少しお高くても、
美味しくて身体に優しいものを選択する。
ものを大切に良いものを丁寧に扱う暮らし
に共感しました。
お姉さんたちに可愛がってもらいました!
ありがとうございました!
【大森での暮らし】
町での暮らしにも興味があった私は、やってみたいことを正直にいろんな場所で出会った方に伝えると、おいでよー!って言ってくださって、参加させていただきました。
阿部家の勤務時間なのに、興味のあることに時間を使いなさいと言っていただき、時間調整してもらいました。
温かい静岡で生まれたせいか、
初めて雪が降る地域で暮らし、
雪かきの大変さを数日で感じました。
初雪かきは、筋肉痛になりました。
極寒の中、ライフラインを排除した家(無邪く庵)
での掃除は凍傷になりそうでした。
ご近所付き合い濃く、朝日館(寮)のものです!
なんて言ったら、沢庵を素手でもらいました。
数メートル沢庵を持って歩く経験もできた!(笑)
楽しいことだけではなく、
車を故障させてしまったり、
怪我をして病院へ連れていってもらったり、
近くにいる看護師さんに止血してもらったり、
接客やお料理で失敗もたくさんしてしまいました。
ご迷惑をおかけしました。
そこから学ぶことが多くありました。
私も参加したチクチク!
暖簾をかけてくださったようで、
とても喜ばしい。
【最後に】
廃材利用しているものが多く、
物を捨てる前に何かに使えないかなと考える姿。
新鮮な考えでした。
あるものをどうやって活用するか。
何気ない掃除(道具の使い方)や料理を一から教えてもらいました。
私たちが暮らし方を教えないと伝わらないでしょう。と、登美さん。
だから私も学んだことを伝えていく必要があると思った。
やはり厳しい部分、自分に悔しくなることもありましたが、自分の苦手分野を周りの人たちがフォローしてくれながら1ヶ月を過ごしました。
いままでもこれからも大好きな空間です。
感謝でいっぱいです、ありがとうございました。
今手元にあるお洋服の制作過程を知らない。
消費者と作り手の間に大きな壁があって、
気づかぬうちに労働力を奪っているかもしれない。
お薬がたくさん使われているのかもしれない。
そこの近くの人が病気で亡くなっているかもしれない。
なぜその値段なのか、何を選ぶのか、
自分の選ぶものを選択したいと思いました。
食も自分への投資。
何を選び何を食べるか。
あ、でも無理したり苦しくならなく楽しくね。
また帰ります!
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