【企画参加】 春の夢 〜 #シロクマ文芸部
春の夢をセットした。
まだ君は少女の面影を残し、ふんわりとしたスカートから頼りない脚を露わにし手を振って見せる。まだ中には触れないでおこう。細いつま先が地面に着くと同時にポンと跳ね上がり、君は前のめりになりながら空を掻いている。蝶々が懸命に先導しながら、レースの付いた大きな襟を翼のように大きく波打たせて花畑を跨いで君が近づく。僕は大きく手を広げながら君が堕ちて来るのを待ち構え、ピンク色に色づいたジェリービーンズのようなくちびるを奪う。
夏の夢にセットした。
君はちょっと熟れ