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そのキャンドルには座金が要る?要らない?問題

ハンドメイドキャンドルの材料は、どんなキャンドルを作るかによって色々種類がありますし、作る人によって、自分なりの工夫で加わってくる物も様々あると思います。

が、それはひとまず置いておいて、、、
もし一番シンプルなキャンドルを作るとしたら、材料は「ワックス(ロウ)」と「キャンドル芯」
以上。・・・ではないかと思います。

芯を、溶かしたワックスに繰り返し浸して太くしていくのは、一番シンプルで昔ながらの製法。
また、溶かしたワックスを型に流し込んで 芯を立て、固まってから取り出せば、その形のキャンドルが出来上がります。

さて、キャンドルは、上から見たときに芯がキャンドルの中心に立っているのが理想で、キレイに灯るポイントでもあります。
デザインによっては それが難しい場合もありますが、火を灯した時 熱が
同心円状に広がってロウが溶けていきますので、ロウが無駄なく燃焼するためにも、基本的に 芯は中央に立っていることが望ましいです。

その「芯」です。詳しい説明は省きますが、綿糸を編んでできている白い糸~ひも状の物です。キャンドルは芯が無ければ灯りません。

(※2022.4/21追記:キャンドルの芯は、近頃では「木芯」もありますが、
この記事では通常の芯(綿糸を編んだもの)のことです。
「木芯」の場合は、曲げたりすることができず、軽いため、溶けたロウの中で浮いてきてしまうので、木芯専用の座金が必要となります。※)

もし、塊のロウにマッチの火を近づけたとしても、少し表面が溶けるだけで、火はつかないです。溶けたロウを吸い上げて一緒に燃えてくれる、芯になるものが必要なんですね。

さて、その芯をキャンドルに立てる方法は、大きく分けて2つ
・先に型に芯をセットしておくやり方
・キャンドルに穴を開けて後から芯を通す方法
があると思います。
ここで、タイトルにある「座金」が登場します。
私は最近、以前より座金が使われることが多くなったように思っています。

キャンドルをひっくり返して底を見ると、コインより小さいかな?位の大きさの、金属製の薄くて丸い板状の物が、透けて見えるかもしれません。それが座金です(トップの画像をご覧ください)。
座金に芯を通してキャンドルの底に固定し、芯が動かないようにしたり、倒れないようにするためのものです。
芯穴が大きい場合にロウが底から漏れるのを防いだり、キャンドルを最後まで灯した際には、座金のところで芯の火が消えるという利点もあるようです。

ただ・・・私は〇十年程キャンドルを作ってきましたが、実際のところ、
ほとんど座金を使うことはありません。
例えば…↓↓↓
◆細いキャンドル→→付けません。これは当然ですね!キャンドルの底の直径からはみ出そうですし、キャンドルスタンドに立てられなくなってしまいます。
◆数センチ以上の直径の、円柱や角柱・球体等々、自立する形のキャンドル→→付けません。穴に通してキャンドルの底から出た芯糸は、1㎝弱残して切り、底面に沿わせて倒し、熱した金属のプレート等の上で平らに均せばOK。
または、芯糸の片方の端を結んでおけば、抜けません。結び目は、底を均す時に底面に埋め込んでしまえばよいのです。
そして、キャンドルは底の近くまで燃えていくと、芯は短くなり、溶けたロウが溜まっている中に倒れてしまい、座金なしでも火は消えるはずです。
(そもそも、そんなに底に近づくまで灯をほったらかしにしていてはいけません。消してください。)
が、こういうタイプのキャンドルにもきちんと座金を使っているものをけっこう見かけます。
水に浮かべるフローティングキャンドルも、場合によっては必要かもしれませんが、私は付けたことがありません。

果たして、座金は必要なのか?それとも要らないのか?
どんな時に使うのが正解なのでしょうか?

結論から言えば、どれも”間違いではない” とは思います。
キャンドルの燃焼に直接の影響はないわけですし、座金付きの芯に慣れている方はそれでもいいかもしれません。
ただ、使わなくても問題ない場合もあり、芯を留める方法は他にもあるので、なんでもかんでも座金を付けなければいけない という決まりは無いことをお伝えしたいです。

私は、キャンドルのスクール等が無い時代から、キャンドルを学び始めました。テキストもありませんでしたが、先生に習う他に、洋書から和書まで、私がキャンドルについて勉強する際に読んだり、参考にさせてもらっていた本はざっと20冊位あります。

昔の本とはいえ、様々な作品の写真、技法、材料や用具の紹介と使い方、温度管理のこと、トラブルシューティングなど、丁寧な内容ばかりです。
それらの本をあたってみますと、座金に関しては「容器にワックスを流し込んでキャンドルを作る際に、芯を座金に取り付け、座金を容器の底に固定しておく」という使い方がメインです。

要するに、キャンドルのてっぺんから底まで突き通して 芯を通す穴があけられるのであれば、基本的に座金は不要なのではないか と私は思っています。
容器に流し込んで作る場合は、ガラス等は特に穴があけられず、液状のロウを注ぐと芯は浮いてきてしまうので、芯を立てるのは難しいですよね。また、後から立てるにしても、真っすぐ中心に穴を開けるのも大変ですし、芯が抜けやすいです。灯した時にも、座金で固定されていなければ、芯が動いたり倒れたりと不安定になることは想像できますね。

もちろん、現在は様々な技法や素材、型がでてきていますので、座金を使ったほうが良い場合も増えたのかもしれません。
いろいろ試して作ってみて、ベストな材料や方法を探るべき ということかなと思います。

さて最後に、座金に関して書いてみようと思ったきっかけの出来事を書きます。

数年前に参加した講座で、植物性のソイワックスやパームワックスを使ったキャンドルを製作したことがありました。
最近、灯してみようと思い、確認していたら、底面の座金の周りに錆が発生していました。底だけなので、燃焼には影響ないのですが、気になりました。
*画像が見つかりましたので追加しました
(2023年2月6日)。*
↓↓↓

座金を外したところ。錆が分かる
(ソイワックスのキャンドル)


もしかすると、植物性のワックスの方が、常温で酸化しやすいのでしょうか…それとも、座金に傷が付いていたのか、、詳しいことは分かりません。
そんなことがあって、ふと座金のことを確認してみようと思ったのです。
キャンドルは、長期間飾られたり保管されることも考えて 作れたら良いのですが、色褪せ等を含め、なかなか難しいですね。

うまく伝わっているか分かりませんが、今回は座金について、私の考えたことや経験をもとに、書いてみました。

( 2021年10月1日 )

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